ドナルド・E・ブラウン『ヒューマン・ユニヴァーサルズ―文化相対主義から普遍性の認識へ』

ヒューマン・ユニヴァーサルズ―文化相対主義から普遍性の認識へ

 ここ1世紀ぐらいの人類学の歴史を超大雑把に捉えれば、文化相対主義が盛り上がって頂点を極めた後、徐々に後退している歴史であるといえる。

 もちろん、今日の基準に照らせば馬鹿馬鹿しいほどに極端な相対主義は、さらにその前の、もっとずっと極端に酷い文化差別・性差別がまかり通った時代への反動として生まれてきたものだ。

 そのことを忘れて、単に後知恵の批判をするだけではまずい。それらの歴史も踏まえた上で、新しい知見を受け入れていかなければならないのだ。

 で、これはその人類の普遍特性、ヒューマン・ユニバーサルに関する本。エディプス・コンプレックスの存在を自明視していることだけちょっと疑問だが、いい内容だと思う。

おまけ

 要するに、人間のすることが全て文化の産物だというのなら、なぜこんなことが可能なのかということ。

コメント

  1. 木戸孝紀 より:

    https://tkido.com/blog/2651.html

    これとかの話題の続きのつもり。

  2. 匿名 より:

    >馬鹿馬鹿しいほどに極端な相対主義
    例えばどんなのありましたっけ?

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