新訳「カラマーゾフの兄弟」異例のベストセラー

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

 かなり昔読んだことは憶えているのだが、はっきり言ってそこまで面白かったという記憶はない。

 というか、大審問官の部分以外そんなに憶えていない。面白さがわかるには若すぎたんだということにしておこう。もう一度読んでみてもいいのかな。

 で、大審問官がどんな話かというのはググってもらうとして、この「パンか自由か」の大審問官テーマともいうべきモチーフは、エンタメ界でも結構あちこちで見られる。有名なのは『タクティクスオウガ』の白黒ランス対決シーンと、坂口尚のコミック『石の花』のイヴァンと大佐のシーンあたりか。

 当時の私が面白いと思ったのはそれ以前の問題で、本物の、本当に本当に正真正銘100%混じりっ気なしのモノホンのキリストが再臨したら即刻牢にぶち込まなければ社会は“もたない”んだってこと。

 キリスト教とて最初は2000年以上も存続することになるなんて想像の埒外だったわけで、「すぐにもローマ帝国は滅ぶぜ! 最後の審判はもうすぐだぜ!」っていうカルト宗教だったわけで、予告して外れては再びやっぱりもうすぐだぜと予告し直すという経緯を繰り返してそのうち「もうすぐ」と言わなくなって今にいたるわけだ。

 だからそんなことは教義を文字通り受け取るなら当たり前なわけで、私が宗教というのは元々現世否定的で当然のものだという感覚を忘れていたというだけの話なのだが、実際に信仰を持つキリスト教徒は全然違うとらえ方をしたりするのものなのかな。その辺だけ少し興味がある。

おまけ

 サターン版は初めて見た。声いらねえなあ。

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