フィクションは未来を地ならしする

合衆国再生―大いなる希望を抱いて

 アメリカ大統領選挙の投票日である。私は当初「オバマがなってくれればいいが結局マケインが勝っちゃうんだろうな……」ぐらいに考えていたクチなので、ペイリンと金融危機には感謝せねばなるまい。

 ほぼ間違いなくアメリカ史上初の非白人大統領誕生となるわけだが、私が今思い出すのはドラマ『24』や映画『ディープ・インパクト』で見た黒人大統領の姿だ。

 私はこのようなフィクションがオバマ大統領の誕生に影響を与えたであろうということをかなり真剣に考えている。人間に新奇な物事に対する厳しい拒否反応が存在することはどうしようもない事実だ。そして、たとえフィクションでも見慣れたことに対する抵抗感は少なくなるのもまた事実だ。

 リンク先の引用部分にあるような、そう考えることが公民権運動の過小評価に繋がるのではないかという懸念はまったく的外れと考える。公民権運動がなければ、そもそも映画やドラマで黒人大統領が真面目に描かれるようにならなかったに違いないからだ。

 人はパンのみにて生くるにあらず。夢と現実は、尺取り虫の前半分と後ろ半分のように常に互いを押し上げ・引き上げあっていくものだ。どちらかを過大評価するとか過小評価するとかいう考え方は無意味だ。

おまけ

コメント

  1. 木戸孝紀 より:

    >tikaranoさん
    これは知りませんでした。
    作者の「へうげもの」が面白いので今度読んでみます。

  2. tikarano より:

    黒人大統領といえば度胸星

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