ブラッドリー・C.エドワーズ フィリップ・レーガン『宇宙旅行はエレベーターで』

宇宙旅行はエレベーターで

 軌道エレベータにはSF等ですでにお馴染みの存在だとは思うが、最近まであくまで空想の存在であり実現可能だとは思われていなかった。このために使えるほど軽くて張力に耐える物質など存在しうると思えなかったためだ。

 全てを変えたのがカーボンナノチューブ。ただでさえ限りなく魅力的な新素材だが、なんと軌道エレベータのケーブル素材としての任に耐えそうなのだ。そして、それ以外に軌道エレベータのために必要な技術は、むしろロケット技術よりもずっと簡単なものばかりである。

 唯一にして絶対不可能だと思われていた壁が崩れてしまったため、あとは長いカーボンナノチューブの商業生産が順調に実現できさえすれば、軌道エレベーターはたったの一兆円ぐらいで20年もしないうちに実現可能だというのが筆者たちの提言。

 もちろんこれは限りなく楽観論寄りの予想で、実際にはもっと、たぶん4,50年はかかりそうな気はするが。私たちが生きているうちに実現したら儲けものというぐらいに考えておけばちょうど夢があってよいのではないかな。

参考リンク

関連図書

おまけ

 SFつながり。

コメント

  1. 木戸孝紀 より:

    >ブリキのさん
    技術書ともちょっと違うかも。
    一般の人に取り組みを知ってもらおうとしている本かな。
    >天さん
    「まっすぐ天へ」ってのは初めて知った。
    機会があったら読んでみたい。

  2. より:

    漫画ですが『まっすぐ天へ』という作品で、素材さえ何とかなれば軌道エレベーターも無茶なものではないという話が描かれていて、少し感動した覚えがあります。
    宇宙には行きたいですが宇宙飛行士にはなれないので死ぬまでには実現して欲しいものです。

  3. ブリキの より:

     タイトルだけ見て小説かと思ったら技術書みたいなものなのですね。
     軌道エレベータは一回できてしまえば使用コストがロケットに比べ遥かに安上がりなイメージがあるので、庶民としては長い夢として期待したいです。

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