書評

WEB情報通信

B.W.カーニハン D.M.リッチー『プログラミング言語C ANSI規格準拠』

長い間やっていなかったCを思い出すために少し前に買ったもの。  入門書っぽいものかと予想していましたが全然違いました。Amazonの書評などでも言われていますが、すでに理解している人が理解を深めるために使う本という印象です。  プログラミング初心者が読んだら確実に途中でつまらなくなってやめてしまいそうですし、Cの初心者でも途中からは辛いかも知れません。  私の場合Visual C++4.0の頃に遊...
文化芸術宗教

古びぬ宇宙観と古びた生命観 オラフ・ステープルドン『スターメイカー』

ずいぶん長い間SF小説なんか読んでないなと思って挑戦。あるイギリス人がいきなり幽体離脱して、時空を股にかけて様々な生態を持つ人類とテレパシーで交信したり霊的に一体になったりしながら宇宙の創造主(スターメイカー)に迫っていくという話。  あらすじはもっと詳しく書いてあるページが沢山見つかったのでここではこれ以上書かない。確かに絶賛されるだけのことはあるのはわかったが、個人的は今読んでも面白いとは言い...
科学技術哲学

サイモン・シン『ビッグバン宇宙論』

サイモン・シン三冊目。もちろん十分面白かったが、『僕らは星のかけら』(これも超オススメ)とかぶる内容が多かった。  しかも、宇宙背景放射が観測されビッグバン理論が主流になるあたりで終わってしまっているので個人的にはちょっと物足りなかった感じ。その先にも大統一理論の話とかまだまだいくらでも面白くできる要素があったと思う。  しかし相対性理論の説明が(相対性理論が主題の本も含め)この手の科学啓蒙書の中...
科学技術哲学

サイモン・シン『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』

題名通り暗号の古今東西を扱った本。著者は以前紹介した『フェルマーの最終定理』のサイモン・シン。  フェルマーの最終定理ほどではなかったがやはり最高に面白かった。暗号について何か一冊だけということなら迷わずこれを薦めることになるだろう。  特に公開鍵暗号の技術はインターネットを利用している人の多くがそれと意識することなく日常的にお世話になっているはずであるし、知っておいて損はない分野である。  それ...
ゲーム森羅万象

スティーブン・ジョンソン『ダメなものは、タメになる テレビやゲームは頭を良くしている』

これはいい本だ。ある種の人たちは考えもしないことで、逆の種類の人たちはあまりにも当然だと思って、それぞれ言わないでいることを、まとめてはっきりさせたという点で素晴らしい価値があると思う。  主張は極めて明解で首尾一貫している。以下は私なりの要約。  「ゲーム脳」の例を引くまでもなくゲームやテレビが人々、とりわけ子供を白痴化させるという言説は極めて一般的であるがそれは多くは偏見に基づく嘘である。仮に...
科学技術哲学

山田克哉『原子爆弾―その理論と歴史』

北の核実験の話はあっちこっちで書かれるだろうからいいか。  原理から歴史まで原子爆弾に関する基本的な知識としてはこの本はがおすすめです。
WEB情報通信

連休中に買った本

IT関連に就職したのでこういう本をいくら買っても気がとがめなくなったのがけっこう嬉しかったりする(笑)。 『改訂新版 コンピュータの名著・古典100冊』  結構読んだがまだまだ知らないのもいっぱいあるな。『ゲーデル・エッシャー・バッハ』は昔死ぬほど好きだったので載ってて嬉しかった。 『プログラミング言語C ANSI規格準拠』  Cの聖典らしい。まだちゃんと読んでないのでなにがそんなにすごいのか知ら...
科学技術哲学

野口悠紀雄『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』

あまりにも有名なので、読んでいないにも関わらず超整理法そのものは知っており、すでに実践もしているのだが、やはり一度は原典に当たってみようと読んでみた。  当時(93年初版)のパソコン事情などがかいま見えて思った以上に面白かった。  超整理法の要点は簡単で“分類などせずに最近使ったものから順に時間軸で一直線に並べればなくすこともなく合理的な時間で検索できる”というものだ。  今では多くのソフトで「最...