生物

科学技術哲学

ショーン・B・キャロル『シマウマの縞 蝶の模様 エボデボ革命が解き明かす生物デザインの起源』

 突然だが、この世で最も驚異的な自然現象はなんだろう? 虹? オーロラ? 台風? 噴火? 津波? 超新星爆発?  大きい方はそんなところかもしれないが、小さい方に目を向けると胚発生が有力な候補に入ってくると思う。驚異と感じないとすれば、それは毎日その結果を見すぎて慣れてしまっているからだろう。  最近になって急速に進歩した発生生物学についての本。面白かった。...
文化芸術宗教

古びぬ宇宙観と古びた生命観 オラフ・ステープルドン『スターメイカー』

 ずいぶん長い間SF小説なんか読んでないなと思って挑戦。あるイギリス人がいきなり幽体離脱して、時空を股にかけて様々な生態を持つ人類とテレパシーで交信したり霊的に一体になったりしながら宇宙の創造主(スターメイカー)に迫っていくという話。  あらすじはもっと詳しく書いてあるページが沢山見つかったのでここではこれ以上書かない。確かに絶賛されるだけのことはあるのはわかったが、個人...
政治経済社会

どこでもドアを利用できる人と利用できない人の格差

どこでもドア、実現へ一歩近づく : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)  上の記事の内容とはほとんど関係ないが、どこでもドアで思い出した話。  昔、おそらく南北問題とか先進国の飽食とかを扱った番組でも観ていた時だったと思うが、私の母が「どこでもドアがあれば貧しい国の人たちも(物資が行き渡って)助かるのにね」といったようなことを言った。  私は子供心...
科学技術哲学

サラ・ブラファー・ハーディー『マザー・ネイチャー 「母親」はいかにヒトを進化させたか』

 「母親」について生物学・遺伝学・人類学・動物行動学・発達心理学等のありとあらゆる科学的見地からまとめた本。  個々の分野については特に斬新というわけではないが、これほどまとまってる本は今までなかったと思う。特にフェミニズムや少子化問題について何かしら考えたいという人は必読ではないかと思う。  子殺し事件が起きるたびに母性本能がどうのという無意味な議論が繰り返さ...
科学技術哲学

変異型クロイツフェルト・ヤコブ病とプリオン病

米国産牛肉輸入、再び全面停止に  危険部位が見つかるというのは結構あるかと思っていたがこの決断の早さは意外。タイムリーなので前のブログに書いたエントリをちょっと書き直して再録する。  変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)というのはBSE(牛海綿状脳症)、平たく言えば狂牛病のことである。  狂牛病はごく最近まで知られていなかった全く新しいタイプの病気、プリオ...
科学技術哲学

自殺せずに生き残っているのはアホばかり?

 私は子供のころ「世の中の立派な人・頭のいい人・勇気のある人はとっくの昔にみんな自殺してしまっていて、この世に生き残っているのはみんな意地汚くて頭の悪い意気地無しばかりなのではないか」と半ば本気で考えていたことがある。  なぜって? そうとしか考えられないではないか。鳥や魚や獣はいかなる理由があっても自殺しない。するのは人間だけである。あらゆる生物の中で人間だけが持つ高度な知能・精神...
アニメコミック

蟲師第6話『露を吸う群』

 原作ではそれほど好きな話ではなかったのだが、今回もまた素晴らしい内容だった。蟲と共有した時間のアニメ描写が、マンガ原作では表現しきれなかった魅力を引き出している。  鼻から吸い込む描写で麻薬中毒を連想したという感想があるが、今回の話のネタの基礎となっているのはギンコが言っていたような生物学の比例増減(スケーリング)論だ。  たとえば哺乳類なら、1回呼吸をする時間、心拍する...
科学技術哲学

部品を取りあげて自分の複製を組み立てるロボット

「自己複製ロボット」が、さらに生物に近づくには  おお、自己複製の話題では必ずと言っていいほど出てくるあのたとえ話が本当にこの目で見られるとは。感動した。  しかし、いくら見た目が面白くても喜ぶのは早い。ごく普通のアメーバとの間にはまだまだ天地の開きがある。もちろんアメーバが上だ。  かの天才フォン・ノイマンはセルオートマトンの研究から、自己複製は、情報を、 ...
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