社会

科学技術哲学

金庫破りをしないファインマンはありうるか?

天才と○チガイは紙一重のテーマをもうちょっと追及する。  紙一重であることは認めるとして、紙一重である必要はあるんだろうか? つまり、金庫破りで上司を困らせないリチャード・ファインマン、今日にもソ連を核攻撃しろと言わないジョン・フォン・ノイマン、人なつこいクルト・ゲーデル、女性にモテモテ王国のアイザック・ニュートンは存在しうるんだろうか?  ある意味ではこの質問に対する答えは明白だ。実際に人格的に...
政治経済社会

岡田斗司夫『ぼくたちの洗脳社会』

404 Blog Not Found:いつまでもケチと思われるなよ  この件。現時点での情報から判断できる限りではほとんど弾さんと同じ感想なんだけど、どうしても納得がいかない。  岡田斗司夫はもちろんいろいろな方面で有名な人物だが、私にとって一番の印象はこの『ぼくたちの洗脳社会』の著者、というものだった。  最近公式サイトで全文掲載されているのを知ったのでリンクしておく。かなり面白い本だった記憶が...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ4 反捕鯨は科学や論理的整合性の問題ではない

【第3回】 【目次】 【第5回】 「少なくとも一部のクジラは増えている。科学的証拠を突きつけて商業捕鯨を再開させよう。文化帝国主義反対!」  まあこのあたりが捕鯨賛成派の最大公約数的な主張だろう。気持ちは分かるが、残念ながらあまり意味がない。  確かに、かつてクジラは獲り過ぎで数が減ったから保護しなければならないということになった。そこに異論のあるという人はいないはずだ。*1しかし、今やそれだけで...
政治経済社会

オリビエーロ・トスカーニ『広告は私たちに微笑みかける死体』

X51.ORG : "死体なき国の死体写真家" ? 釣崎清隆インタビュー(グロ写真あり注意!)  これを見て思い出した本。普段人が見たがらないものを直視させるという点で共通するものがあると思う。世の中にはこういう人もいないといけないのだろうな。  言っていることには賛成できないこともいっぱいあるが強烈な印象を残す本だった。超おすすめ本の一冊。  広告やマーケティングに関わっている人はもちろんだが、...
政治経済社会

銃社会・銃規制問題でオススメの本

バージニア工科大の銃乱射事件や長崎市長射殺で再び銃規制の話が盛り上がりそうだ。*1アメリカの銃問題については服部君射殺事件の時に興味を持っていろいろ調べた。  結果として今では単純な銃規制派には与しない。アメリカは予見しうる未来に渡って個人が武装する権利を否定することはないだろうが、それが必ずしも悪いことだとは思わない。  もちろん仮にアメリカが全ての歴史的経緯を無視して現在のアメリカ並みの銃社会...
政治経済社会

マリー=フランス・ボッツ『子どものねだん―バンコク児童売春地獄の四年間』

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 劇薬本「子どものねだん」で知る児童買春地獄 に書評があったので便乗。  私もこの本は読んだことがあり、かなりおすすめできる。舞台はタイのバンコクやパタヤであり、私も小中学生の頃住んでいたり遊びに行ったりしたことがある場所だ。そのすぐ側でこういう現実もあったのだなあとかなり感慨深かった。  ただ具体的な内容にはいろいろ問題がある。ペドフィル男性に...
WEB情報通信

悪魔のロングテール

という言葉が唐突に頭に浮かんだ。 アップロード可能掲示板(いわゆるあぷろだ、ファイル置き場)を設置していると、誰かが著作権法違反をする以外にも犯罪に巻き込まれてサーバを押収されることがある (駄文待避所 - ひどい目にあった)  このようにネットが存在することによって、ネットがなければ問題にならないちょっとした悪意や犯罪――もっともこの例ではちょっとしたどころではないようだが――が積み重なって意味...
科学技術哲学

ドーナツの行列ラーメンのカオス

会長が言及している、写真のクリスピー・クリームの行列。  私もたまたま先週ここを通る機会があった。行列整理の人員まで出動していてえらい騒ぎであった。見たところ何の変哲もないドーナツ屋にしか見えない。  こんなに流行っているからには理由があるはずだと思いたくなるが、実はみんなが並んでいるから並んでいる以上の理由などないのかもしれない。  顕著な例を目撃したことがある。北海道に旅行した時、札幌のラーメ...