キリスト教

アニメコミック

岩永亮太郎『パンプキン・シザーズ』

ちょっと前に「歴史に残るわけでもないだろう」と言ったばかりだが、今回借りた13-17巻あたりから加速度的に面白くなってきた。  特に16巻。ずっとなんかやらかしてくれそうな雰囲気だけのキャラだったミュゼ・カウプランが、ついにまともに動いたと思ったら、ほとんどまるまる一巻使った独演会。  単にお色気目的で若い女性にしてみましたとか、単に萌え目的で幼女にしてみました、とかいうのとは一線を画する、女性マ...
科学技術哲学

エドワード・O・ウィルソン『創造―生物多様性を守るためのアピール』

エドワード・オズボーン・ウィルソンが、科学とキリスト教が協力して生物多様性の保護に取り組もうと、仮想の南部バプティスト派牧師に対し訴えかける、という本。  はっきり言って、試みそのものが成功しているとは全く思えない。当たり前だが、ウィルソンは神の創造は嘘で進化が事実であるということについては一歩も譲る気はないわけで、牧師にとっては、 「私たち科学者は、君たち牧師が一番大事だと信じていることが全くの...
文化芸術宗教

教皇庁文化評議会/教皇庁諸宗教対話評議会『ニューエイジについてのキリスト教的考察』

ニューエイジについてのキリスト教的考察(公式)  ニューエイジが日本人にとって極めて理解しにくい理由は、それが基本的に西洋思想、とりわけキリスト教と近代科学に対するアンチテーゼだからだ。  ある程度まで当たり前で、仕方のないことだが、日本人はキリスト教についてよく知らない。*1「○○」をろくに知らないのに「○○への反発」を正確に理解できるはずがない。  そこを上手いこと補うために推薦できるいい本が...
文化芸術宗教

サビン・バリング=グールド『ヨーロッパをさすらう異形の物語―中世の幻想・神話・伝説』

監修の池上俊一氏からたどり着いた本。こういう事典的なものをがーっと読むのも中世ファンタジーも大好きなのでわりとツボにはまった。目次の項目を並べてみるとこんな感じ。 さまよえるユダヤ人 永遠という罰の重み プレスター・ジョン 朗報かそれとも悪い報せか 占い棒(ダウジング) なんでも見つけ出す魔法の棒 エペソスの眠れる七聖人 復活する死者 ウィリアム・テル 本当はいなかった弓の名手 忠犬ゲラート 命の...
文化芸術宗教

H.S.クシュナー『なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記』

最近読んだ本の中で連続して目にしたため、有名な本らしいから読まなければと思っていた。ちなみにその一つは『ヤバい経済学』の増補改訂版だったような気がするがまた記憶違いかもしれない。  まずヨブ記そのものについて多少の知識が必要なので、まったく知らない人は、その概要と意味合いについて昔読んだ下のエントリを参考にしてほしい。 ヨブ記タグについて - nerdists’ beach (旧・東瀛倭族拝天朝)...
映画・ザ・ムービー

町山智浩『『ダークナイト』のジョーカーとミルトンの『失楽園』』

『ダークナイト』のジョーカーとミルトンの『失楽園』 - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記  珍しくポッドキャスト。なかなか良かった。『地球が静止する日』のところでも触れた、ハリウッドをはじめとする欧米文化の中によく現れるキリスト教との関連がテーマ。知っておいて損はない話だと思う。  話題として登場した作品の中で私の一押しは『フランケンシュタイン』かな。小説で泣いた数少ない経験のひとつだ。 関連作...
文化芸術宗教

バート・D. アーマン『破綻した神キリスト』

『捏造された聖書』の著者の本。こちらはそこまで面白くはなかった。極東ブログの書評が非常に詳しく、私もほぼ同意できるのであまり書く事がない。  ヨブ記がどんな話かとか黙示思想がどんなものかとかをあまり知らない人の方がむしろ新鮮で面白いかもしれない。黙示思想は今でもこんな形で現れたりするものだし、知っておいて損はないと思う。  ただ、これに関連して『多様化世界』の記事で予告していたフリーマン・ダイソン...
文化芸術宗教

バート・D. アーマン『捏造された聖書』

これはとても面白かった。超おすすめ。  しかし、邦題があまりにひどい。これではどう考えてもトンデモ本にしか見えない。finalvent氏のところで見かけてなかったら絶対手に取ってないぞ。  訳者あとがきに  本書はバート・D・アーマン著『イエスの誤引用――聖書を改変した人々とその理由の背後にある物語』(Misquoting Jesus: The Story Behind Who Changed t...