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2009
12/2
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有名すぎる本だけど、このエピソードがなんか無性に好き。
プサンメティコスはいろいろ詮索してみたが、人類最古の民族を知る手段を発見できず、とうとう次のような方法を案出した。生れ立ての赤子を全く手当り次第に二人選び出し、それを一人の羊飼にわたして羊の群と一緒に育てるように言いつけ、その際子供の前では一言も言葉を話してはならぬ、子供はほかに人のいない小屋に二人だけでねかしておき、然るべき時々に山羊を連れていって十分に乳を飲ませ、そのほかの世話もするようにと厳命しておいたのである。プサンメティコスがこんな手筈を整え、こんな命令を出したのも、赤子が意味のない喃語を語る時期を脱したとき、最初にどんな言葉を発するかを知りたいと思ったからにほかならなかった。この計画は王の思いどおりにいって、羊飼は言いつけられたとおりを行なって二年たったある日のこと、小屋の戸を開けて中へ入ると、二人の子供は手を延べて彼のところへ駈けより「ベコス」といった。はじめ羊飼はそれをきいても、そのことを誰にも語らなかった。しかし赤子の小屋へゆき世話をするごとにこの言葉を聞くのが度重なって、羊飼はとうとうそれを王に報告し、王の命令によって赤子を王の前に連れていった。王も自分の耳でその言葉を聞くと、「ベコス」という言葉を使うのは何国人であるかを調べさせた。そして詮索の結果、プリュギア人がパンのことをベコスということが判ったのである。
エジプト人もその実験の結果から判断して、とうとう今までの主張を譲歩して、自分たちよりもプリュギア人の方が古い民族であることを認めるようになったのである。(ヘロドトス『歴史』上巻 P161-162)
なんというか、人間と社会の、昔と変わってしまった部分と変わらない部分が、絶妙に混ざり合ってる感じが好き。
おまけ
“ふたりはプリュギア” に一致する日本語のページ 8 件中 1 – 8 件目 (0.05 秒)

木戸孝紀