ジャレド・ダイアモンド

科学技術哲学

ジャレド・ダイアモンド『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』

プラトンの『国家』と共通点のある本。その共通点とは、初めて読むとき最初の一章を飛ばせ! 必ず飛ばせ! というもの。  最初の一章がアメリカのモンタナ州の話なのであるが、これが本の中で一番、そして唯一、実につまらないのである。  アメリカ人なら自国の話から入ることによって興味が沸くのかもしれない――少なくとも著者の意図はそうだろう――が、アメリカ人でないのなら絶対に次のイースター島の章から読み始める...
科学技術哲学

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』

今日の世界の各地域の状態には大きな格差がある。  ユーラシア大陸発祥の民族・文明・国家は先に高度な発展を遂げた。  その侵略によってアメリカ大陸やオーストラリア大陸の先住民は絶滅あるいはその寸前にまで追いやられ、アフリカ=ユーラシア大陸からの移民に取って代わられてしまった。  アジアの各地やアフリカ大陸は、植民地にされたり住民が奴隷にされたりしたとはいっても、今でも有史以来の住民の子孫が暮らしてい...