スティーブン・ジェイ・グールド

科学技術哲学

スティーヴン J.グールド『人間の測りまちがい』が文庫版になっている

RUMさんのコメントで知りました。今までネット上ではほぼ入手不可で、図書館で借りるか古本屋で探すしか読む方法がなかったので、以前から復刊を願っていましたが、実現した形で非常に喜ばしいです。ぜひこの機会に読んで下さい。 おまけ 【ニコニコ動画】ロイツマ ガンプラ版
文化芸術宗教

マニュアル・マニキュア・ペディキュア・ペデュアル

手本、つまり手引き書のことをマニュアル(manual)と言いますな。手動操作のことをマニュアル操作とも言います。手の爪に塗る化粧品をマニキュアと言いますが、もしかしたら「マニ」の部分が「手」という意味なのかいなと考えざるを得ませんな。  実は本当にそうで、ラテン語の「手」manusに由来するらしい。  足の爪に塗る化粧品はペディキュアだから、「ペディ」はたぶん「足」だろう。「足で操作する」に当たる...
科学技術哲学

ミシガンのネズミ

『神と科学は共存できるか? 』と『神は妄想である』の話も書きたいのだけどまだ書けてない。  本全体の主題とは関係なく、この「ミシガンのネズミ」という言葉は、これまでネット上の論争などを見ていてたまに言いたいと思っていた概念を簡潔に言い表す言葉として使えそうだからメモっておく。  広範な一般化はつねに、その境界に例外や「しかしながら」という微妙な領域を――主要な問題点の説得力を無効にすることなく、ま...
科学技術哲学

スティーヴン・ジェイ・グールド『神と科学は共存できるか?』

誰だつまらないとか感心しないとか言ってるのは。十分面白いじゃないか。まあ確かにグールドの本の中では、一番つまらないのは認めざるをえない。個人的には『2000年問題』よりは面白かったが。  しかし、題材が題材である。なんと言ってもこれは何百年も前から確立している道徳原則と科学哲学の再確認に関する本なのだ。およそ本の題材として――何の題材としても――これ以上つまらないものがこの世にあろうか。  思えば...
科学技術哲学

スティーヴン・ジェイ・グールド『神と科学は共存できるか?』10月18日発売

amazonからのメールおすすめが初めて役に立った。予約注文しとこう。  ドーキンスの『神は妄想である』の中で『千歳の岩』という名前で批判的に言及されていた本だ。  原題が『ROCKS OF AGES』だから直訳としては千歳の岩で正しいが、さすがにわかりにくすぎるということで邦題がこうなったんだろう。  実をいうと『神は妄想である』はもうだいぶ前に読んだのだが、どう言及すればよいものか迷っている。...
科学技術哲学

スティーヴン・ジェイ グールド『暦と数の話―グールド教授の2000年問題』

365番目のエントリなので、暦にちなんだ本を紹介。  グールドは進化論関係ばかりでなくてこんなのも書いている。サヴァン症候群の息子に触れている部分などは、他の本では見られなかった彼の側面が見られて面白いだろう。  日頃なにげなく使って当たり前だと思っている年月日、曜日の概念にも様々な歴史があることがわかって少し違った気分で生活できるようになるかもしれない。 参考リンク。 もうひとつの「2000年問...
科学技術哲学

スティーブン・ジェイ・グールドのエッセイ中で一番好きな部分

紙を整理していたら昔メモったものが出てきた。  収録の本がどれだったか思い出せないがジョー・ディマジオの連続安打の話の最後の部分であるのはほぼ間違いない。  何かで言及する機会がありそうだからここに書き写しておこう。  ある生物種の歴史や、混沌とした世界で途切れずに続いてゆくことが必要なあらゆる自然の現象は安打の連続記録のように進んでいる。全ては限られた賭金で無限の資産を持つ親に立ち向かうギャンブ...