事前の情報からは明らかに期待できない内容なのだが、『神は妄想である』の中でドーキンスの兄貴が、
この本はタイトルからうかがえる通り、奇妙な本である。まったくのトンデモ本か本物の天才の傑作であるかのどちらかで、中間では絶対ない! おそらく前者だろうが、賭けるのはやめておこう。
とか書いてたから、一応目は通しておかねばと思って読んだ。どう見てもトンデモ本です本当にありがとうございました。
なんで賭けるのをやめておこうと思ったのか教えてもらいたいものだ。まったく兄貴は意外とこういうハッタリに弱いところがあるから……おっと、これは先々書こうと思っているネタに関わるからまだ出さないでおこう。
関係ないが、今回初めて書籍電子化の効果を実感した。PDF化された『神は妄想である』に“神々の沈黙”で検索をかけて、一発で引用部分を引き出すことができた。OCRの間違いを多少校正してやる必要はあったが。
おまけ
by 木戸孝紀
tags:トンデモ リチャード・ドーキンス 考古 書評 人類 電子化
- 序章
- それは病から始まった
- 第一章
- ヒトはいかにじてヒトになったのか――そしてなぜなったのか
- 第二章
- 現代に至るパンツ
- 第三章
- 同時多発テロと国際関係、あるいはグローバリズムというパンツ
- 第四章
- ユダヤ人の起源の謎
- 第五章
- 政治陰謀としてのビートルズ
- 第六章
- 結論ヒトはどうすれば生きていけるか、あるいは生きていく価値があるのか
栗本慎一郎というのはガイア教シリーズで水生類人猿説を見ていたときに頭に残っていた名前だったので、図書館で借りてきたのだが、なんかもう目次だけでお腹いっぱいって内容でした。
やっぱり全てのトンデモはどこかで繋がっているというか、批判精神の薄さという文脈で繋がっているというか、元々脳の働きは陰謀論的であってそうじゃない方が本来は異常なんだろうというか……。楽しい世界です。
おまけ
陰謀論→アポロは月に行っていない→月
by 木戸孝紀
tags:トンデモ 陰謀論 書評 水棲類人猿説
細胞内共生説で有名なリン・マーギュリスが911陰謀論系のトンデモさんになっちゃったという話。
幻滅したとかガッカリしたとかいう感想が聞かれるが、私は前からそういう素養はあると思っていたので、さもありなんという感想だった。
というのも私は、この人が左翼系のトンデモとは極めて親和性の高いガイア理論のシンパであると前から知っていたからだ。
上のようにこのブログでも何度か触れてはいるが、「ガイア理論」は典型的なトンデモ系地雷ワードであると憶えておいた方がいい。少なくともギャグか批判的な文脈かRPGの中以外で出てきた時は。
でも、ただ幻滅した幻滅したと言っててもしょうがない。もちろん幻滅するのは当然で、幻滅すべきなんだけど、今回強調しておきたいのは、一言で言えば天才とキチ○イは紙一重だってこと。紙一重どころか、同じ紙の裏表だと言った方がいいかもしれない。
リン・マーギュリスがトンデモさんになってしまったとしても、細胞内共生説は依然として正しい。
同じ人間が、正しいことと間違ったことを同時にしかも強烈に信じることはよくある。しかもその両方を言い出した動機が全く同じ信念に基づくなんてことさえある。
この場合はまさにそういう例。ドーキンスの本『虹の解体』の第9章「利己的な協力者」にやや詳しいからそちらを読んでもらいたいけど、明らかにマーギュリスのガイア理論へのシンパシーと細胞内共生説への思い入れは、全体の調和とか協力とかいったものへの傾倒とでも言うべき同じ信念に基づいている。
一方はただのトンデモに、一方は全ての真核生物の由来に関係する深遠な真理に繋がったけど、そこに至った信念は一つで互いに分離不可能だ。
別の事例で言えば、トーマス・ゴールドなんかもそう。石油の無機起源説に至ったきっかけはかなりトンデモ的な動機で、無機起源説自体は大枠としてはトンデモのままで終わる可能性も高そうに思えるけれども、結果として地底生物圏の研究が進み、最初の生命が生まれたのは深い地下の岩の中だったかもしれないというのはかなり有力な説になりつつある。
結局何が言いたいかというと、マーギュリスは確かにトンデモさんになっちゃったし、ひょっとしたらボケちゃったのかもしれないとしても、依然として愛すべきおばあちゃんなのであり、もうちょっと生暖かい目で見つめてあげましょうやということ。
おまけ
深海萌え。
by 木戸孝紀
tags:ガイア理論 トンデモ 陰謀論 科学
タイトル大事だね! タイトルはすごく面白そうで、予告編は結構面白そうで、本編はかろうじて寝ないで見られる程度でした。
それにしてもやることなすこと『ナショナル・トレジャー』と寸分違わないベタなトンデモ系アクションサスペンスなのに、『ナショナル・トレジャー』よりはマシに見えてしまうのはなぜだろう。
冷静に考えると『ナショナル・トレジャー』の方がギャグもアクションもサスペンスもどれを取ってももっと頑張っていたように思えるのだが……。これはやはり工夫なんかでは追いつかないアメリカとフランス・イギリスの歴史の厚みの違いなんだろうなあ。
原作は読んでいないので映画化がどの程度うまくいってるのかわからない。でも小説版の方が格段に面白いだろうと考える要素もなさそうだ。
トム・ハンクスかジャン・レノが出てれば何でもいいという方にしかおすすめはしません。
by 木戸孝紀
tags:トム・ハンクス トンデモ 映画
うちの近所の980円の散髪屋では、いくらか余計に払うと電気分解した水で頭を洗ってくれるそうです。
フケや痒みを防ぐ効果があるそうですが、それは水素爆鳴気で頭髪を吹き飛ばしてやるという意味でしょうか。
それとも水酸化ナトリウム水溶液で頭皮をきれいさっぱり溶かし去ってくれるのでしょうか。
確かにフケや痒みはなくなりそうですがそれ以前に命がなくなりそうなのでいつも丁重にお断りしております。
つーか日本の教育は一体どうなっているのですか。電気分解って中学校でやった記憶があるんですけどね。私の記憶が確かなら中学校って義務教育じゃありませんでしたっけ?
マイナスイオンの角に頭ぶつけて死にたくなります。
それで思い出したのですが、ちょっと前に「水はなんでも知っている」とか何とかいう本が話題になってた気がします。
現物を読んでいませんしブログも流し読みだったので当てずっぽうで言ってしまいますが、あの本の今までありそうでなかった点というのは「エセ科学の文脈で語られがちだが、エセ科学ではない」というところじゃないでしょうかね。
エセというのは一応科学を装っているという含みがあっての言葉ですが、それすらしていそうにないのでエセ科学ではない。躍起になって科学を非難してるわけでもなさそうだから反科学でもない。
つまりそれ以前の純然たる非科学、魔術の領域だってことです。
紙に書いた言葉に反応して氷の結晶の形が変わる(だっけ?)とかいう主張はどう考えても雨乞いの祈りとか呪文を唱えたら病気が治ったとかと同レベルの話ですからな。
正直な話その思い切りっぷりが単にネタとして面白かったから有名になっただけじゃないのかと思っているのですが、冒頭の「電気分解した水」がまかり通ってるような社会状況じゃ怪しいかも知れませんな……。
by 木戸孝紀
tags:トンデモ ニセ科学 マイナスイオン 水伝