2009 4/21

魔人探偵脳噛ネウロ 20 (20) (ジャンプコミックス)

 終わりましたなー。最終回だからといって特にサプライズはなかったけど、何か書き残しておきたい気にさせるものがあった。WJでこんなにきれいに終わった作品は久しぶりだ。

おまけ

 これの衝撃は忘れがたい。

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2007 9/26

魔人探偵脳噛ネウロ 12 (12) (ジャンプコミックス)

 (前回の続き)

 で、最後にネウロだ。

 最近出てきた新しいボスキャラ「シックス」の設定は、一見『オレが進化の頂点を極めた究極生物なのだッ!』的ないい加減な理解の代表に見える。

 しかし、実は定向進化を実体のあるものであるかのような言い方をしていることを除けば、原理的におかしいところは何もなかったりする。

 こんなまっとうな方法で進化した少年漫画のボスキャラというのは前代未聞ではないかと思われる。

 もちろんかなり少年漫画的誇張を施されているので、厳密に言えばどこもおかしいのだがデビルマンや寄生獣の時と同様細かいことは気にしない。

 もっと詳しく書いている人がいるので、もうちょっと詳しく知りたい人はそちらをどうぞ。

 ネアンデルタール人のくだりもまだ細部に学問的に決着していない部分はあるが、基本的な認識としては別に間違ってはいないし、特に種の区別というのは結局のところ中間型がすでに絶滅していることによってのみ意味を持っているという認識は極めてまともだ。

 これはそう簡単な話でもないのに、普通にジャンプ漫画としての流れを止めずに読めるように収まっているのは、よく考えるとかなり驚異的である。そもそも漫画全体まで含めてもこの話題にちょっとでも触れた作品が今まであっただろうか。ここまででも特筆すべきことだと思う。

 ここからは先の話になるが、上で紹介したリンクでも触れられているようにシックスが自分あるいは自分たちの血族を人類とは別種と見なすことには疑問がある。

 これまでの情報を見る限り、血族全体がどこかに地理的に隔離されているわけでも、互いの存在を知っていて仲間内でしか交配しないようにしているわけでもないようである。このことから少なくとも一部は人類と交配可能ということになり、普通の定義を取るなら明らかに人類とは「まだ」同一種である。

 「まだ」というのがポイント。もしシックス個人がすでに普通の人間と交配不可能なほど遺伝的に異なっており、血族を人類とは別種として確立したいと思っているならば(そう思わせるような描写はある)、シックスが殺さなければならないのは誰か?

 人類ではない。血族以外の人類をいくら殺しても、単に人類という同種の個体数が減る以上のことにはならない。

 実は、この場合シックスが殺さなければならないのは自分以外の血族である。血族の中にいるはずの人類ともシックスとも交配可能な中間型が絶滅すれば、その時点で初めて、人類とシックスは互いに別種であると言っても間違いでなくなる。

 この理屈からシリーズの終盤で「私が送り込んだ刺客を全て倒してくれてありがとう。おかげて私は完全に人類とは別種の存在として確立することができたよ」というような超鬼畜な展開が予想されるわけだ。(う〜む、なんて悪い奴!)

 本当にこうなったら『オレが進化の頂点を極めた究極生物なのだッ!』キャラの進化論的にまともなバージョンと言えるだろうし、こんな手の込んだ伏線を張っているのならネウロもデビルマンや寄生獣に匹敵するとまでは行かなくとも歴史に残る傑作になれる可能性もあるだろう。

おまけ

 ネウロファンには濃い人が多いようだ。MADが質・量ともに尋常でない。

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2007 9/21

デビルマン (1) (講談社漫画文庫)

 現在少年ジャンプでほぼ唯一と言っていいぐらい着目している『魔人探偵脳噛ネウロ』であるが、最近の展開は単に面白いというのとは違う意味でちょっと興味がある。私が以前から持っている作業仮説を検証できる機会だからだ。それは、

  • 進化についてのまともな理解にヒントを得ているマンガは奇跡的な傑作になる可能性が高い

 というものである。少年漫画で進化について触れられる場合『オレが進化の頂点を極めた究極生物なのだッ!』とか『○○計画によって人類は新たな段階へと進化を遂げるのだ!』とか『おめでとう□□は△△にしんかした!』とか大抵ロクなもんではない。*1

 そういう状況が厳然として存在する中に、進化に対するまともな理解を示したように見える顕著な例外が二作品だけある。『デビルマン』と『寄生獣』である。いずれも言わずと知れた超傑作である。

 ちょっと待てと言われそうだ。いや、言ってもらわなければ困る。「本当に神がいて特定の種族(デーモン族)を滅ぼしたりしようとする『デビルマン』の世界でまともな進化の理解もクソもあるか!」と。確かにその通りだ。しかし、もう少し待って欲しい。

 デビルマンの世界設定では、人間が地球を我が物顔に支配しているのは、恐竜時代に神の軍団に滅ぼされそうになったデーモン族が必死の抵抗で勝利し、疲弊して眠りについている隙を上手く突いたというだけのことに過ぎない。

 生物進化が隕石衝突等の偶然の災害に強く左右されることがすでに当たり前になっている今日の視点では特になんてことはないように感じるが、漫画版デビルマンの連載は1972年から1973年にかけてである。

 これはK-T境界が知られるよりも前であり「図体ばかりでかくて冷血で脳が小さく愚鈍な恐竜は、温血ですばしこくて賢い哺乳類の祖先に卵を食われてしまったのだ」等の、今日の視点で見ればアホなとしか言えないような説明も、まだ普通に通用していた時代だ。時代を考慮に入れるとこの設定はかなり先見的である。予見的とさえ言える。

 もちろん永井豪がこのようなことを意識して設定を考えたと言っているわけではない。ほとんどは偶然によるものと思われる。それでも、当時としては珍しく進化上の人間の地位に対する自己中心的な偏見を持っていなかったということは言えよう。私にはそれだけでも特筆すべきことであると感じられる。(つづく)

*1:それで面白いかどうかは別の問題。

おまけ

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2007 2/6

魔人探偵脳噛ネウロ 1 (1)

 2ちゃんねるのflashスレで作られた、少年ジャンプ連載中の『魔人探偵脳噛ネウロ』の架空アニメ化OPビデオ。上から順に挑戦してみて下さい。

 flashはアクセス集中のせいか重いので「保存用リンク」からDLしてローカルから見るのが吉。リンク先の画面でそのまま見るより大きくできるし。画質も音源も素晴らしいのでyoutubeは全部だめだったときの最後の手段ということで。

 いやはや、もうさっきからリピートしっぱなし。これはどんな讃辞を並べてもまったく足りない。久々にflashですげーもんを見たという気にさせられた。

 ALI PROJECTからの選曲は歌詞・メロディーともにこのためにわざわざ作られたとしか思えないような完璧なマッチング。フラクタルを多用した背景デザインもセンスが良い。原作からの引用箇所もうまく世界観を引き出している。

 くるくる回ってるXの妖しさ加減とか、サビのところのカメラワークなんかは本当にすごい。本当にアニメ化してもこれを越えるのは無理なんじゃないかと思うほどに。

 そのうえちゃんとネタバレにも配慮しているし、文句のつけようがないですな。flashが衰退した衰退した言われてるけど久々にflashの価値を見直した。

 作者は大学一年生だそうだが、私は絵がど下手くそでこういう美術系の才能はまったくゼロなので文字通り才能に嫉妬する。それにいくら才能があっても一個人でこんなものを作ってしまうことを可能にさせる今の時代も素晴らしい。

 ネウロについてはデスノートとの関連で以前少しだけ触れたが、正直今のジャンプで一番(考えようによっては唯一)面白いと思っている。

 ややマニアックというか一般受けしづらい、ちょうどジョジョと同じようなポジションの作品なので、この機会に少しでも知名度が上がればいいと思う。ちなみにEDもあった。

 こっちも結構レベル高い。なんだかyoutube画質で見てると本当にアニメ化してるような錯覚に捕らわれるなあ。

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