町山智浩のポッドキャストで知って観たいと思っていたもの。結論から言うとすごく良かった。
蛙のあたりまでは正直なんだこれと思ってたが、どんどん良くなっていく。ダーク・ファンタジーという呼び方がこれほど相応しい映画もない。
ファンタジーパートでは、どう見てもあの日本妖怪(?)なクリーチャーが、浮いてるけど異彩を放ってていい感じ。現実パートでは大尉の危険さの描写がたまらん、イングロリアス・バスターズのランダ大佐に近い感覚。
広くおすすめするけど、ひとつだけ注意すべき点としては、完全に大人向け。PG-12だそうだが、そんなレーティングで大丈夫か? と心配したくなるグロさ、というか痛さ。
おまけ
ダーク……はやめとくか。ラビリンス違い。(似てはいる。)
by 木戸孝紀
tags:DVD ファンタジー 映画 戦争
確か誰かが褒めてたので、旅行中に読んでいた本。言わばアメリカのファンタジー系ラノベ。いま調べたら、出たのはちょうどロードス島戦記よりわずかに前の時代らしい。
面白いかつまらないかと言ったら、もちろん面白い。ただ、女性と東洋人の扱いが、一貫して余りと言えば余りにアメリカンなのが引っかかる。
ハリポタはやっぱりイギリスぽかったし、ファンタジーだといっても――あるいは、だからこそ――国柄というのはあるものだね。それ自体一種の偏見と言ってしまえばそれまでだけど。
同じ旅行で指輪物語のDVDを買ったので、どうしても比べてしまうが、こういう二流のファンタジーと比較すると、トールキンがいかに気を遣って書いてるかがわかる気がする。もっとずっと昔であるにも関わらず。
おまけ
アメリカン。
by 木戸孝紀
tags:ファンタジー ライトノベル 書評 小説
監修の池上俊一氏からたどり着いた本。こういう事典的なものをがーっと読むのも中世ファンタジーも大好きなのでわりとツボにはまった。目次の項目を並べてみるとこんな感じ。
- さまよえるユダヤ人 永遠という罰の重み
- プレスター・ジョン 朗報かそれとも悪い報せか
- 占い棒(ダウジング) なんでも見つけ出す魔法の棒
- エペソスの眠れる七聖人 復活する死者
- ウィリアム・テル 本当はいなかった弓の名手
- 忠犬ゲラート 命の恩人は動物だった
- 尻尾の生えた人間 「よけいなもの」か「必要なもの」か
- 反キリストと女教皇ヨハンナ 悪しき者たちへの恐怖と期待
- 月のなかの男 いまもそこにいる理由
- ヴィーナスの山 戻ってきた者はひとりしかいない
- 聖パトリックの煉獄 足を踏み入れた者たちの証言
- 地上の楽園 それはどこにあるのか
- 聖ゲオルギオス 残酷な拷問とドラゴン退治
- 聖ウルスラと一万一千の乙女 偽りだらけのくだらなくて愚かな物語
- 聖十字架伝説 けたはずれの創造力
- シャミル 虫や石に宿る謎めいた力
- ハーメルンの笛吹き男 誰もが知っている伝説の正体は?
- ハットー司教 ネズミに食い尽くされた強欲の司教
- メリュジーヌ 裏切りは別れを招く
- 幸福の島 聖なる場所は西にある
- 白鳥乙女 詩人に愛された美しい鳥
- 白鳥の騎士 素性をたずねてはならない
- サングリアル(聖杯) 聖なる器の伝説
- テオフィロス 悪魔と契約した司祭
ハーメルンの笛吹き、ウィリアム・テル、ダウジングあたりまでは聞いたことがある人の方が多いと思われるが、それ以外となるとあまり知られていないのではないだろうか。
古代インドまでさかのぼるいわゆるアーリア系の神話伝承や、キリスト教以前のいわゆる異教の信仰が、キリスト教化されて取り入れられているというケースが非常によくあるのがわかって面白い。
人間の心を捉えるファンタジーというのは、いつの時代もそんなに変わらないものなのかもしれない。いつの時代も変わらないと言えば、初版は1866年というものすごいロングセラーらしい。
おまけ
いつの時代もつながり。
by 木戸孝紀
tags:キリスト教 ファンタジー 書評 神話
と、スゴ本さんのところでメチャメチャ褒めちぎられていたので正月休み用に選んだのだが正解。ネタバレすると致命的というわけではないが、かなり興がそがれると思うので検索禁止。
100%味わえるかどうかはある箇所で「○ィ○○○○ィじゃねえか!」とツッコめるかどうかで決まると思う。これでわかってしまう人は間違いなく本文だけ読んでもわかるのでネタバレには当たらない。わかった人には絶対おすすめ。
逆にわからなかった人をネタバレなしでわかるようにする方法はない。とはいえ普通に読んでも十分面白いのでやっぱりおすすめ。
おまけ
脳内映像化はこんな感じだった。
by 木戸孝紀
tags:ファンタジー 書評 小説