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	<title>神は細部に宿り給う &#187; 宗教</title>
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	<description>ゲーム・Web・IT・政治・経済・社会・科学・哲学・投資・その他諸々なんでも書きます。</description>
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		<title>ガイア教の天使クジラ36 大きな鍵</title>
		<link>http://tkido.com/blog/3998.html</link>
		<comments>http://tkido.com/blog/3998.html#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 18 Dec 2011 14:29:28 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[ガイア教の天使クジラ]]></category>
		<category><![CDATA[ガイア教]]></category>
		<category><![CDATA[科学]]></category>
		<category><![CDATA[宗教]]></category>
		<category><![CDATA[政治]]></category>
		<category><![CDATA[捕鯨]]></category>
		<category><![CDATA[歴史]]></category>

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		<description><![CDATA[【第35回】　【目次】 　ある現象を理解するということは、何が変化して何が不変であるかを、理解することだと言える。 　何も変化がないのであれば、そもそも考えるべきことが存在しないであろうし、何もかもが変化してしまうなら、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><!--<br />
ガイア教の天使クジラ36 大きな鍵<br />
--></p>
<p>
<a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/A0oJCTs7rEN-JYVIEwEuaA?feat=embedwebsite"><img src="https://lh3.googleusercontent.com/-qL7Bp6bvjEI/ToexGBsP8MI/AAAAAAAADRY/19Y-tU0qX3Y/s200/%2525E3%252582%2525BC%2525E3%252583%2525AB%2525E3%252583%252580.jpg" height="154" width="200" alt="（今日の一コマ）" title="（今日の一コマ）" /></a>
</p>
<h3>【<a href="http://tkido.com/blog/3976.html" target="_blank">第35回</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/656.html" target="_blank">目次</a>】</h3>
<p>
　ある現象を理解するということは、何が変化して何が不変であるかを、理解することだと言える。
</p>
<p>
　何も変化がないのであれば、そもそも考えるべきことが存在しないであろうし、何もかもが変化してしまうなら、やはり考えるべきことが存在しないであろう。
</p>
<p>
　たとえば物理学であれば、変化しない保存量が何かがわかれば、その保存則を用いて現象を理解したり予測したりすることができる。
</p>
<p>
　社会や歴史に関しても、もちろん物理学ほど単純にはいかないが、同じようなアプローチはできる。すでに<a href="http://tkido.com/blog/659.html" target="_blank">第30回</a>で一度その実例を見せた。時代とともに神話の内容が変わっても、変わらないものは人生と社会に意味を求める人間の心だった。
</p>
<p>
　さて、私たちは、<a href="http://tkido.com/blog/569.html" target="_blank">第15回</a>から続けていた時間旅行で、3冊の本を教科書に3つの時代を見てきた。
</p>
<ol>
<li>キリスト教が全ての中世</li>
<li>科学が勃興した近代</li>
<li>いわゆるポストモダンの現代</li>
</ol>
<p>
　そして今、この似たところなどひとつもないかのように見える3つの社会を貫き通している一本の柱を、指摘することができるようになったはずだ。それは、このシリーズの文脈に沿う形で思いっきり圧縮・要約するなら、以下のような考え方だ。
</p>
<p>
　<strong>宇宙のあらゆる存在には永久不変の「偉さ」の階層があり、ゼロから<span class="footnote"><a href="#50653054f1" name="50653054fn1" title="負の知能というのは――ジョークでそう表現したくなるような人間はいるにしても――意味不明であるので。">*1</a></span>無限大（≒神）の数直線上にランクづけ可能なひとつの実体である知能によって位置する階層が決まり、階層の上下関係によって誰が誰を殺し・食らうのが当然であるか犯罪であるかが決まる。</strong>
</p>
<p>
　時間に余裕のある人は――捕鯨問題ばかりのエントリ35回分も読んできて忙しいとか言わさんぞ――これを何十回か読んで、いつでも暗唱できるようにしてほしい。
</p>
<p>
　私は、これこそ鍵だと信じている。多くの人間――とりわけ日本人――に捕鯨・反捕鯨問題を理解しがたいものにしている高い壁を通り抜けるための鍵だ。
</p>
<p>
　この鍵さえ持っていれば、多少の努力と時間を費やすことを厭わない人は誰でも、少なくとも「訳が判らない。」<span class="footnote"><a href="#50653054f2" name="50653054fn2" title="第1回">*2</a></span>と言わなくて済むようになると信じている。
</p>
<p>
（暗唱できたら次に進んで下さい。）
</p>
<p>
　はい、暗唱できるようになったかな。おめでとう。あなたは鍵を手に入れた。では早速、鍵を手に入れたらすることをしよう。これまでに見つけた、開けられなかった扉を開けて回ってみよう。
</p>
<h3>扉その1</h3>
<ul>
<li>なぜリリー博士はイルカを食べていたシャチを「例外」と記述したか？<span class="footnote"><a href="#50653054f3" name="50653054fn3" title="第34回">*3</a></span></li>
</ul>
<p>
　これは「普通」に考えると「胃の内容を調べたところ、ヌーを食べていたライオンがいた」と記すようなもので、頭がおかしいとしか思えない。
</p>
<p>
　しかし、鍵を持っている私たちには、もう特に不思議なことではない。
</p>
<p>
　シャチとイルカは（彼にとっては）人間以上に高度な知能を持つ同じ鯨類同士である。同じ偉さの階層に属する彼らが喰い合うのは、ちょうど人間同士が喰い合う食人行為が犯罪であるのと同様に、自然に対する犯罪行為ある。
</p>
<p>
　これは鯨類が善きものであるという彼の思想と相容れない。したがって、これはあくまで例外でなければならない。たとえば人間の飼い方が悪かったからとか、人間の漁業のせいで魚が枯渇したからとか、なんらかの例外的影響で発生したもので、鯨類の自然な生態であることはありえない。
</p>
<p>
　簡単とは言わないが、そんなに難しくもあるまい。
</p>
<p>
　ついでに関連問題（？）をいくつか片付けてしまおう。
</p>
<ul>
<li>近代の学者チェーザレ・ロンブローゾは、ある植物が虫を食べる行為を「犯罪に等しい行為」だとまで述べている。<span class="footnote"><a href="#50653054f4" name="50653054fn4" title="第23回">*4</a></span>なぜか？</li>
</ul>
<p>
　もちろん、必ずしも自明ではないが直感的にも理解できる生態的制約によって、植物が動物を食べることは、動物が植物を食べることより珍しい。それは間違いない。
</p>
<p>
　だから「犬が人を噛んでもニュースにならないが人が犬を噛めばニュースになる」的な原理で、食虫植物に特別な印象を受けたとしても不思議ではない。
</p>
<p>
　しかし、現代の「普通」の人間は、これを犯罪だとは絶対に言うまい。不思議だと思っただろう、鍵を持ってなければ。
</p>
<p>
　私は19世紀イタリアの法律については何も知らないが、食虫植物を処罰する法律があった可能性は無視していいだろう。この「等しい」は厳密にイコールだという意味ではない。犯罪にたとえられるべき何かだという意味だ。
</p>
<p>
　では、犯罪ではないが犯罪にたとえられるべき何かとは？　人間の法律ではなく神の定めた「自然の法律」を破る犯罪だということだ。動物は植物より知能が高い、すなわち神に近い<span class="footnote"><a href="#50653054f5" name="50653054fn5" title="もちろん神は動物でもないが植物ではないのはより確実だ。">*5</a></span>から、動物が植物を食べるのは当然だが、植物が動物を食べるのは「犯罪」なのだ。
</p>
<p>
　簡単だろ。はい次。
</p>
<ul>
<li>「人間の子供を殺した豚の親子が裁判に掛けられ、母豚が絞首刑に処せられる」中世の動物裁判<span class="footnote"><a href="#50653054f6" name="50653054fn6" title="第16回">*6</a></span>は一体なんだったのか？</li>
</ul>
<p>
　集団狂気？　動物虐待？　もちろん現代の価値観に当てはめればそうだ。しかし、当時の人間にも言い分はあるだろう。彼らの考え方はこうだ。
</p>
<p>
　魂を持たぬ（≒知能の低い）豚は神によってアダムに奉仕するために創造されたものだ。だから「偉さ」の階層は当然アダムの子孫である人間が上で豚が下だ。だから豚が人間を殺して食うことは神に対する反逆で大罪だ。だから豚は裁判にかけられ、死刑に処せられなければならない。
</p>
<p>
　楽勝だな。
</p>
<ul>
<li>人間の赤ん坊を食い殺したブタを裁判にかけた中世の神父</li>
<li>食虫植物の行いを犯罪に等しいと述べた近代の科学者</li>
<li>シャチがイルカを食べていたことを異常な例外として記述した現代の科学者</li>
</ul>
<p>
　彼らはそれぞれ過去の人間の思想を否定し、軽蔑すらしていたに違いないのだが、一皮むけば、それぞれ過去の人間が従っていたのと同一の、より基本的なルールに忠実に従っている。代入する変数は時代とともに変わっても、使っている式はひとつだ。
</p>
<h3>扉その2</h3>
<ul>
<li>「イルカには人間並みの知能があるが、その知能は海生動物ならではの独特な形をとっている」<span class="footnote"><a href="#50653054f7" name="50653054fn7" title="第26回">*7</a></span>とはどういう意味か？</li>
</ul>
<p>
　人間、ピアノ線を張り巡らされた真っ暗な部屋を巧みに飛翔するコウモリ、何百ものドングリを埋めた場所を冬の間じゅう憶えているリス、誰に教わるでもなしに大規模な社会で農業や奴隷狩り戦争を行うアリ、誰が一番「頭が良い」か？
</p>
<p>
　そんなこと誰がどうやって決められる？　決められるわけがない。前足・胸ビレ・手・翼のうちどれが一番「肢が良い」か？　という問いが無意味であるのと同じだ。神経系に備わった知能もそれぞれの生物の生態に応じて進化で生じた特徴のひとつに過ぎない。
</p>
<p>
　このような、21世紀人の我々がほとんど無意識的に採用している「非人間中心主義的」思想の下では、アントニエッタ・L・リリーの台詞は、正しいとか間違っているとかいう以前に<span class="footnote"><a href="#50653054f8" name="50653054fn8" title="もちろん、彼女自身が考えていたような意味でも間違っているが、たびたび強調しているように、それはただの後知恵だ。">*8</a></span>意味不明である。<span class="footnote"><a href="#50653054f9" name="50653054fn9" title="我々がほとんど無意識的に非人間中心主義的な思想を操れるのは部分的には彼らのおかげなのだと思うと、これまた皮肉な話だが。">*9</a></span>
</p>
<p>
　人間は海生動物ではない。「海生動物ならではの独特な形をとっている」なら「人間並み」ではありえないし、「人間並み」なら「海生動物ならではの独特な形をとっている」ことはありえない。
</p>
<p>
　だが、鍵を持ったものにはその意味は明白だ。ほとんどそのまんまだな。知能はゼロから無限大の数直線上にランクづけ可能なひとつの実体だ。だからイルカと人間がいれば、互いの知能は上か、下か、同等か、しかありえない。数学的に。
</p>
<p>
　リリー博士とその仲間たち、彼らと同時代に生きた大勢のリベラルな西欧人は、動物差別的・性差別的で、人種差別や先住民のジェノサイドに利用されたキリスト教が嫌いだった。軽蔑していた。憎んですらいた。それは決して嘘ではない。
</p>
<p>
　「男児の包皮に異常な関心を持つ老年白人男性のようなものが土をコネコネして息をプーッとやって人間を創りました」なんて、もはや全然信じていないし、むしろ、どちらかと言えば、信じているような人たちを、金満権力者に騙される貧乏で無学な宗教ウヨクども<span class="footnote"><a href="#50653054f10" name="50653054fn10" title="もちろんこれは説明を早くするための戯画化であって、一般に上品な彼らはそんな露骨な言い方はしないが。">*10</a></span>と小馬鹿にしている側の人間だ。
</p>
<p>
　だがしかし、さらにそのキリスト教の前提となっていた幾つかのドグマ、それがひとつの立場だとか思想だとは夢にも思わないほど基本的な考え方は捨てなかった。
</p>
<p>
　彼らが無能だったとか嘘つきだったとか悪党だったとかいうわけではない。時代の限界だったのだ。神ならぬ人間には、できることとできないことがあり、持っていると知らない考えを捨てることは、できないことのひとつだということだ。
</p>
<p>
　次回は、ある有名な本の力を借りて「キリスト教」と「さらにその前提」を分けて考える話をもう少し補強しよう。そしてさらにエントリをさかのぼって扉開けを続けよう。
</p>
<div class="footnote">
<p>
<a href="#50653054fn1" name="50653054f1">*1</a>：負の知能というのは――ジョークでそう表現したくなるような人間はいるにしても――意味不明であるので。<br />
<a href="#50653054fn2" name="50653054f2">*2</a>：<a href="http://tkido.com/blog/446.html" target="_blank"><a href="http://tkido.com/blog/446.html" target="_blank">第1回</a></a><br />
<a href="#50653054fn3" name="50653054f3">*3</a>：<a href="http://tkido.com/blog/3967.html" target="_blank"><a href="http://tkido.com/blog/3967.html" target="_blank">第34回</a></a><br />
<a href="#50653054fn4" name="50653054f4">*4</a>：<a href="http://tkido.com/blog/579.html" target="_blank"><a href="http://tkido.com/blog/579.html" target="_blank">第23回</a></a><br />
<a href="#50653054fn5" name="50653054f5">*5</a>：もちろん神は動物でもないが植物ではないのはより確実だ。<br />
<a href="#50653054fn6" name="50653054f6">*6</a>：<a href="http://tkido.com/blog/570.html" target="_blank"><a href="http://tkido.com/blog/570.html" target="_blank">第16回</a></a><br />
<a href="#50653054fn7" name="50653054f7">*7</a>：<a href="http://tkido.com/blog/583.html" target="_blank"><a href="http://tkido.com/blog/583.html" target="_blank">第26回</a></a><br />
<a href="#50653054fn8" name="50653054f8">*8</a>：もちろん、彼女自身が考えていたような意味でも間違っているが、たびたび強調しているように、それはただの後知恵だ。<br />
<a href="#50653054fn9" name="50653054f9">*9</a>：我々がほとんど無意識的に非人間中心主義的な思想を操れるのは部分的には彼らのおかげなのだと思うと、これまた皮肉な話だが。<br />
<a href="#50653054fn10" name="50653054f10">*10</a>：もちろんこれは説明を早くするための戯画化であって、一般に上品な彼らはそんな露骨な言い方はしないが。
</p>
</div>
<h3>【<a href="http://tkido.com/blog/3976.html" target="_blank">第35回</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/656.html" target="_blank">目次</a>】</h3>
<h3>おまけ</h3>
<p>
　「ローンブローゾー」<br />
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/1302582702" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/1302582702">【ニコニコ動画】黄金バット 第1話 「黄金バット誕生」</a></iframe></p>
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		</item>
		<item>
		<title>ガイア教の天使クジラ35 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 8/8</title>
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		<pubDate>Sun, 25 Sep 2011 02:24:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[ガイア教の天使クジラ]]></category>
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		<category><![CDATA[歴史]]></category>

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		<description><![CDATA[【第34回】　【目次】　【第36回】 　さて長かった*1『イルカと話す日』の本文も、ついに今回が最後である。名残を惜しむとともに、抜かりなくここまでのまとめと今後の展望についての準備を始めよう。 第一〇章　生態系の一員と [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><!--<br />
ガイア教の天使クジラ35 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 8/8<br />
--></p>
<p>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4871883191/mebiusproject-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-12.fc2.com/t/k/i/tkido/20080309144640.jpg" alt="イルカと話す日" style="border: none;" alt="no image" /></a>
</p>
<h3>【<a href="http://tkido.com/blog/3967.html" target="_blank">第34回</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/656.html" target="_blank">目次</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/3998.html" target="_blank">第36回</a>】</h3>
<p>
　さて長かった<span class="footnote"><a href="#13272262f1" name="13272262fn1" title="ほぼ間違いなくシリーズ最長である。">*1</a></span>『イルカと話す日』の本文も、ついに今回が最後である。名残を惜しむとともに、抜かりなくここまでのまとめと今後の展望についての準備を始めよう。
</p>
<blockquote>
<h3>第一〇章　生態系の一員としての自覚を持った科学的観察者</h3>
<p>
　これまで科学者といえば、実験を行ない、こうした実験から自分なりの推論を引き出し、学術論文を発表する者のことであった。（中略）科学者は、学術誌や学会で研究成果を発表するものと考えられてきた。<br />
　こうした方法による科学上の通説の形成過程は、テレビやラジオが登場して公衆と即座にコミュニケーションが図れるようになったことで、いくぶん変化しつつある。（中略）それとはうらはらに、科学者たちの考え方は、いままで変化がみられなかった。すなわち、科学者の義務は、まず同僚の科学者に研究成果を報告することだった。こうしてその研究は質を判断され、他の科学と統合されて、ようやくマスメディアに発表されるのである。<br />
　この手続きを踏まずに、仲間や同僚の科学者の意見を仰ぐことなく研究を発表する科学者は、誰であれ科学者の社会から爪弾きの目にあってきた。（中略）ある科学者の著わした本が、専門の学者の審査を受けずに、定評のある科学専門の出版社からではなく、一般向けの本を手がける出版社から出版されたとする。しかも編集にあたったのは科学専門の編集者ではなかったとする。その場合、こうした研究は黙殺されるのがつねだった。<br />
　ところが一般の読者、つまり科学者でない人間向きに書かれたこうした書籍は、科学者ではない読者のあいだで強い影響力をふるってきた。つまり、通常の科学者仲間のあいだでは伝わらない、数多くの学説が通説として評価を受けるようになり、青少年の教育に欠かせないものとなってきたのである。<br />
　この経路で発表されてきた学説は、多くの人びとから強力な支持を得るようになった。（中略）ついで、こうした学説は、大衆の側から科学者の集団へと逆に伝えられたが、たいていは結束を固めた科学者から頑強に拒絶された。
</p>
<p>
（中略）
</p>
<p>
　新しい世代の若い科学者の中には、社会的な参加意識を持つ者もあらわれてきた。（中略）われわれの子供たちは、テレビを観たり、ラジオを聞いたり、大集会に参加したりして成長するが、これらはいずれも十九世紀には存在しなかったものである。より多くの情報が、より多くの方面から迅速に伝達され、若い科学者を育成して、彼らを二十世紀の参加意識を持つ観察者へと育て上げていくことだろう。
</p>
</blockquote>
<ul>
<li> <strong>「自分の画期的な発見・理論を、頭の古い学者・学会が結託して黙殺しているのだ！」</strong></li>
</ul>
<p>
　というのも、またしてもトンデモ学者の発言テンプレに当てはまりすぎて怖いぐらいだ。
</p>
<p>
　メディアを通して直接大衆に語りかけることに希望を見いだしているところがとても興味深い。大局的に見て、彼の狙いは大成功を収めたと言わざるをえない。このシリーズは今後かなりの部分を、その成功の結果を追いかけることに費やすことになるだろう。
</p>
<blockquote>
<h3>第一一章　クジラ類を保護する新しい法律の提案――さしあたっての戦略</h3>
<p>
　神経解剖学の研究の進展により、クジラ類の脳の大きさがさまざまであり、類人猿程度のものから、人問並みの大きさのもの、さらに人間の脳の六倍もの大きさのものまであることがわかった。生物学的研究が進んだ結果、クジラ類が人間の言語に似た、複雑な音声を水中で発してコミュニケーションを交わすことがわかった。人間並みの脳を持つクジラ類の場合、人間とコミュニケーションを取ろうと努力することが確かめられている。
</p>
<p>
　（中略）
</p>
<p>
　こうした事実と観察から、次のような法律を作ってはどうかと思う。
</p>
<ol>
<li>およそクジラ類を、人間の所有物と考えたり、産業資源や家畜の一種であると見なしてはならない。</li>
<li>クジラ類には、個々の人間に与えられているのと同じ法的権利を与えるべきである。</li>
<li>個人または団体に権利を付与して、人間から虐待されているクジラ類のために訴訟を起こしたり、クジラ類の代理人として法廷に立てるようにするべきである。</li>
<li>科学的研究を振興させ、資金を援助してクジラ類とのコミュニケーション方法を確立すぺきである。</li>
<li>こうしたコミュニケーションが確立されたあかつきには、クジラ類と人間双方の合意にもとづいて、両者のあいだのコミュニケーション活用を保護する法律案を作成し、アメリカ合衆国の議会に提出すべきである。</li>
<li>したがってクジラ類と人類のあいだで結ぶ新しい法律や協定、条約を、クジラ類と協力して研究すべきである。</li>
</ol>
<p>
　いまこそ認識をあらためて、これまでの人類の地球上での生き方が、自己中心的であり、孤立した生き方であったことを認めなければならない。人間がこうした生き方をしてきたのは、自分と同等の大きさの脳を持つ海中の生物とのコミュニケーションに失敗したからである。クジラ類は人間の現実とは異質の現実の中に生きている。人間は独自の言語と社会的能力を備え、一五〇〇万年間かけて淘汰を免れてきた経験で規定されるクジラ類の現実を尊重し、研究するべきであり、その研究結果をまとめて人間の法律としなければならない。
</p>
<p>
　以上に述べた提案がSF小説じみていて荒唐無稽だと決めつけて、真剣に考えようとしない人がともいるにちがいない。そうした見解を持つ人びとにたいしてはこう答えよう。あなたたちの考え方は、ただ単に脳と地球の生態系に関する無知をさらけ出しているだけなのだと。荒唐無稽だと決めつけてしまえば、この壮大なプログラムから安閑と身を引いていられる。しかし人間は長いあいだ、固い信念を抱いて、頑なな考えにとらわれたために、数々の文明を衰亡させてきたのである。この地上に生きる人間以外の生物の中でも、非常に複雑で古い歴史と倫理を持つ生物とのコミュニケーションの可能性に目を見開くためには、過去から受け継いできた、こうした盲目的な信念を振り捨てることが必要である。
</p>
</blockquote>
<p>
　かっこよく決めてもらったところで、本文からの引用は最後である。
</p>
<p>
　シリーズの前後に対して有益な部分を、長くなりすぎないように選ぶという制約がある以上仕方がないが、私はこの8回に渡る引用でも、リリー博士の魅力を十分に表現できてはいないと思う。
</p>
<p>
　この現代の魔導書と呼ぶにふさわしい本の魅力を十分に味わうには、ぜひ自分で手にとってもらいたいと思う。<span class="footnote"><a href="#13272262f2" name="13272262fn2" title="ただし間違いなく精神的な劇薬でもあるので、必ず子供の手の届かないところに保管するようにしてほしい。事故が起きても責任は持てない。">*2</a></span>
</p>
<p>
　私の意見では、彼の悲劇は生まれてくる時代を間違えたことだ。彼は、世が世ならイルカをトーテムとして崇める部族の大酋長として何千年も語り継がれる人物になっていたかもしれない、イエスや釈尊やムハンマドと並んで世界の大宗教の祖となっていたかもしれない、真の天才だった。
</p>
<p>
　実のところ今後このシリーズに、彼以上に独創的な人物も・彼以上のカリスマ性を持つ人物も・彼以上に善意の塊のような人物も出てこない。彼との直接対話がここで終わってしまうのは正直とても残念だ。
</p>
<p>
　だが、あまり寂しがることはない。ある意味では、このシリーズは今後も最後までずっと彼との対話だとも言えるのだから。
</p>
<p>
　ここ数年の反捕鯨問題に多少なりとも興味があって報道を追っている人にはわかる思う。宇宙文明に還ったはずのリリー博士の霊は今もなお、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%88%E3%82%BD%E3%83%B3" target="_blank">シー・シェパードの船長</a>、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%9B%E3%83%A8%E3%82%B9" target="_blank">ザ・コーヴの監督</a>、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC" target="_blank">彼の元で働いていた飼育係</a>、様々な人々の口を借りて、我々に語りかけているのだから。
</p>
<p>
　最後なのでもう一度強調するが、ここで「頑なな考えにとらわれ」「脳と地球の生態系に関する無知をさらけ出しているだけ」なのは誰かということを問題にするのはやめよう。それは不毛である。
</p>
<p>
　1960年代の学者や研究が、2010年代の基準を満たしていないからと言ってそれを非難するのは、織田信長の比叡山焼き討ちを「大気中への二酸化炭素排出に無頓着だった」と言って非難するのと本質的に大差のない、ただの時代錯誤である。
</p>
<p>
　批判すべき点は、しかもそれが有益であると思われる点は他にある。
</p>
<p>
　さて、約150年前のアメリカに住む（当時の基準で）リベラルな白人科学者たちは、社会や政治の悪影響を受けない客観的知識を追求した結果、
</p>
<p>
 <strong>「黒人やインディアンは脳が小さく、類人猿に近い人間とは別種の生き物で、女性や子供に似ていて、白人に比べて痛みを感じない」</strong>
</p>
<p>
　という科学的事実を発見した。彼らは本当に事実を見ていたのだろうか？　それとも、
</p>
<p>
 <strong>「ネイティブ・アメリカンのジェノサイドや黒人奴隷制度に寄って立つ自分たちを正当化したい」</strong>
</p>
<p>
　という願望を「自然」という名の鏡に映して見ていただけだったのか？　今日時点では、もはや考えるまでもないことだ。
</p>
<p>
　一方、約50年前のアメリカに住む（現代の基準でも）リベラルな白人科学者たちは、生態系の一員として社会的な責任を果たそうと努力した結果、
</p>
<p>
 <strong>「イルカやクジラは脳が大きく、人間以上の知性を持っていて、言語を話し、太古からの知恵を語り継いで、地球と調和して生きている」</strong>
</p>
<p>
　という科学的事実を発見した。彼らは本当に事実を見ていたのだろうか？　それとも、
</p>
<p>
 <strong>「先祖の土地を返せといって立ち上がる足も銃を取る手も持たず、バスの席をよこせといって犬をけしかけたりしなくてもよく、曾々祖父さんたちが滅ぼしてしまったインディアンの歌よりも何千倍も古くから歌い継がれてきた地球の叡智を教えてくれる、新しい都合のいい隣人がほしい」</strong>
</p>
<p>
　という願望を「自然」という名の鏡に映して見ていただけだったのか？
</p>
<p>
　厄介なことに今年は西暦2111年ではなく2011年なので「考えるまでもない」とはとてもいかない。考えるまでもないどころか、多くの人には考え始める材料も動機も与えられてはいないだろう。
</p>
<p>
　だが、正しい答え――と言って悪ければ100年後に考えるまでもなく選ばれる答え――は、もう明らかだと思う。
</p>
<p>
　私は博士を<strong>「感傷主義者、空想家、物欲しげな思想家であると非難」</strong><span class="footnote"><a href="#13272262f3" name="13272262fn3" title="参考：第20回">*3</a></span>したい気持ちを否定できない。否定すべきでもないと思う。だからと言って、もちろん19世紀のルイ・アガシたちの態度に戻ることもできない。
</p>
<p>
　真に望ましい道は、おそらくその間のどこかにあるのだろう。それを探ることは博士の悲劇に報いることにもなると思う。
</p>
<p>
　次回からしばらくリリー博士から得た教訓をまとめて「存在の大いなる連鎖」の概念を確認するとともに、ここまでずっと引っ張ってきたいくつかの問題に、ついに回答を与えよう。
</p>
<p>
　それが終わったら、またしても脳内タイムマシンの旅を再開しよう。しかし以前も強調した<span class="footnote"><a href="#13272262f4" name="13272262fn4" title="参考:第24回">*4</a></span>ようにここは既に現代だ。一体どこへ行こうというのか？　もちろん、未来へだ。SF小説じみていて荒唐無稽な世界から、本物のSF小説の世界へ突入するのだ。
</p>
<div class="footnote">
<p>
<a href="#13272262fn1" name="13272262f1">*1</a>：ほぼ間違いなくシリーズ最長である。<br />
<a href="#13272262fn2" name="13272262f2">*2</a>：ただし間違いなく精神的な劇薬でもあるので、必ず子供の手の届かないところに保管するようにしてほしい。事故が起きても責任は持てない。<br />
<a href="#13272262fn3" name="13272262f3">*3</a>：参考：<a href="http://tkido.com/blog/575.html" target="_blank"><a href="http://tkido.com/blog/575.html" target="_blank">第20回</a></a><br />
<a href="#13272262fn4" name="13272262f4">*4</a>：参考:<a href="http://tkido.com/blog/581.html" target="_blank"><a href="http://tkido.com/blog/581.html" target="_blank">第24回</a></a>
</p>
</div>
<h3>【<a href="http://tkido.com/blog/3967.html" target="_blank">第34回</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/656.html" target="_blank">目次</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/3998.html" target="_blank">第36回</a>】</h3>
<h3>おまけ</h3>
<p>
　しんみりしたので適当なおまけが見つかりませんでした。<br />
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/sm11370410" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm11370410">【ニコニコ動画】残念ながらお求めの動画はみつかりませんでした</a></iframe></p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://tkido.com/blog/3976.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>3</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>ガイア教の天使クジラ34 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 7/8</title>
		<link>http://tkido.com/blog/3967.html</link>
		<comments>http://tkido.com/blog/3967.html#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 28 Aug 2011 15:43:19 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[ガイア教の天使クジラ]]></category>
		<category><![CDATA[ガイア教]]></category>
		<category><![CDATA[科学]]></category>
		<category><![CDATA[宗教]]></category>
		<category><![CDATA[政治]]></category>
		<category><![CDATA[捕鯨]]></category>
		<category><![CDATA[歴史]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://tkido.com/blog/?p=3967</guid>
		<description><![CDATA[【第33回】　【目次】　【第35回】 　前回から3年弱も間が開いてしまったが、何事もなかったように再開しよう。あと2回ほど『イルカと話す日』を続けたあと、リリー博士のまとめに入る。 第三章　クジラ類との異種間コミュニケー [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><!--<br />
ガイア教の天使クジラ34 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 7/8<br />
--></p>
<p>
<a href="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2011/08/1coma34.jpg"><img src="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2011/08/1coma34-200x182.jpg" alt="（今日の一コマ）" title="（今日の一コマ）" width="200" height="182" /></a>
</p>
<h3>【<a href="http://tkido.com/blog/682.html" target="_blank">第33回</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/656.html" target="_blank">目次</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/3976.html" target="_blank">第35回</a>】</h3>
<p>
　前回から3年弱も間が開いてしまったが、何事もなかったように再開しよう。あと2回ほど<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4871883191/mebiusproject-22/ref=nosim/" target="_blank">『イルカと話す日』</a>を続けたあと、リリー博士のまとめに入る。
</p>
<blockquote>
<h3>第三章　クジラ類との異種間コミュニケーションに必要な諸科学</h3>
<p>
　一九五五年から現在までのあいだに、異種間コミュニケーションを実現するためには、事実や理論を理解するためにさまざまな科学が必要だということが明らかになった。こうした理解を助長する科学は、少なくとも一〇種類（おそらくはそれ以上）ある。<br />
　<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%B3" target="_blank">トマス・クーン</a>が述べているとおり、科学が飛躍的発展を遂げるためには、従来の思考の枠組み（<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A0" target="_blank">パラダイム</a>）とはまったく異なる新しい思考のパラダイムが形成され、若い世代に教えられることが必要である。そうしてはじめて古いパラダイムはその支持者とともに消滅していくのである。
</p>
</blockquote>
<p>
　<strong>「<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%88" target="_blank">パラダイムシフト</a>をやたらと強調する学者はトンデモって相場が決まってるじゃん。なんで大勢がこんなのにコロっと騙されたの？」</strong>
</p>
<p>
　みたいな感想を持つ人も読者の中にはいるだろう。（いてほしい。）そして、そこまで分かる人には、それは因果が逆転した後知恵の発想だということにも気がついてほしい。
</p>
<p>
　リリー博士のような学者が――イルカ・クジラの話に限らず――過去に大勢いて、そしてさらに大勢の人々がそれに騙されたおかげで、現在の我々が
</p>
<ul>
<li>パラダイムシフトをやたらと強調する学者はトンデモって相場が決まってる</li>
</ul>
<p>
　というような知識を持ちえているのだ、と考えるべきだ。
</p>
<p>
　パラダイムの概念は元々問題が多く、ここではさらに通俗的な述べられ方をしているので、あまりまともに受け取らないようにしてもらいたいが、通俗的だからといって必ずしも間違いとは限らない。
</p>
<p>
　<strong>結局のところ、時代精神というものは、古い考え方を身につけた古い世代が死んでいなくなり、新しい世代に取って代わられることによってしか、本当には変わらないのだ。</strong>
</p>
<p>
　このことは、良くも悪くも、好むと好まざるとにかかわらず、しばしば事実であり、今後このシリーズにとって重要なテーマのひとつとなる。
</p>
<h3>第四章　クジラ類（イルカ、クジラ）とは何か？</h3>
<p>
　ある人間が自明と信じて疑わない真の偏見は、しばしば、意識的に強力な主張を行っている時よりも、むしろ一見客観的に事実を羅列しているだけの時にこそ、よく現れる。その好例としてひとつ表を見てもらおう。
</p>
<p>
　いちいち突っこんでいたらきりがないので、間違っている点や意味不明な点を逐一指摘することはしない。それは読者自身の宿題とする。その能力すら自分にないと思う人は読まないようにしてほしい。
</p>
<p>
<a href="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2011/08/mananddol108.jpg"><img src="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2011/08/mananddol108-200x127.jpg" alt="表2_1" title="表2_1" width="200" height="127" style="border:1px solid black; float:none;" /></a>
</p>
<p>
<a href="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2011/08/mananddol109.jpg"><img src="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2011/08/mananddol109-200x128.jpg" alt="表2_2" title="表2_2" width="200" height="128" style="border:1px solid black; float:none;" /></a>
</p>
<p>
　……どうだろう？　個人的に、この表は好きだ。博士が人間やイルカをどのように見ていたのかがよくわかるし、そこかしこから静かな狂気とでも言うべきものの片鱗が伝わってきてゾクゾクする。
</p>
<p>
　特に「8.戦争も徴兵もない」のくだりなどは、なかなかケッサクではないか<span class="footnote"><a href="#14046410f1" name="14046410fn1" title="真理だ！（笑）">*1</a></span>と思うが、今回一箇所だけ取り上げたいのは、そこではなく、シャチの部分だ。
</p>
<p>
　シャチの胃からイルカやスナメリが出てきたらなんだというのだろう。<strong>「胃の内容を調べたところ、ヌーを食べていたライオンがいた」</strong>と記すようなものではないか。頭がおかしいのか？　と思うのが「普通」だろう。
</p>
<p>
　ここで博士の頭がおかしくないと言ったら、たぶん嘘になる。彼はどうも鯨類全体を同種のようなものだと考えているようで、それはいくら当時の基準で最大限の情状酌量を試みたとしても相当におかしい。
</p>
<p>
　だがしかし、それでもなお、ここには「普通」の現代日本人が一読して感じるであろう印象よりも、かなり深い話が隠れている。
</p>
<p>
　すなわち動物が他の動物を――人間のことはひとまず考えないとしても――食べるとき、何が何を食べるのが「正常」で「自然な」ことであり、何が何を食べるのがそうでないのか？　ということだ。
</p>
<p>
　この本のまとめのところで近いうちに詳述するが、重要なことなので、一度それまでに自分なりに考えておいてもらいたい。<a href="http://tkido.com/blog/579.html" target="_blank">第23回</a>のロンブローゾの発言がヒントになるかもしれない。
</p>
<p>
　次の第八章は、リリー博士をはじめとする当時のリベラルな科学者および科学的教養を持つ人たちの科学観がよく出ていて有益だと思われるので、やや詳細に紹介しよう。
</p>
<blockquote>
<h3>第八章　科学的観察者の進歩と社会の進歩</h3>
<p>
　宗教的な世界観は、人間の本能に「人間の中の獣」というレッテルを貼り、これを退けた。人間の性行為、攻撃的な行動といったものはすべて「人間の中の獣」に属するものとされた。他の哺乳類が擬人化され、人問の性格を言い表わすのに用いられた。だらしのない、不潔な人間はブタのようだと形容され、あたかもブタの性格を持っているかのようにいわれた。また「羊のような（気が弱い）」といわれる人間もいた。言葉を換えれば、「（羊のように）気が弱い性格」という場合、それは大半の人間ではなく、羊というものの特性と考えられているのである。すべての動物が人間よりも劣るものとして考えられていた。人間に向かっていわれる、「サン・オブ・ア・ビッチ（犬の子供＝畜生）」のような罵声は、動物にたいする蔑視から生まれたものであり、その淵源は人間の中に獣を認める宗教的な物の見方にある。
</p>
</blockquote>
<p>
　事程左様に、リリー博士および彼と同じ時代に生きた多くの人々は、キリスト教を、とりわけその動物蔑視を、厳しく批判した。人間だけが魂を持ち、自明に優れており、だから偉いのだという聖書的・西洋的な思想を、差別的な・劣ったものとして激しく断罪した。
</p>
<p>
　だからなんだとは言わないが、誰かさんたちとそっくりな意見だな？
</p>
<blockquote>
<p>
　現代の医学は、心は脳の中にだけにあるという点で意見が一致している。現代の見解にしたがえば、観察者や科学者は次のような限界を設けられている。
</p>
<ol>
<li>どの観察者も脳の中に一つの心しか持っていない。</li>
<li>どの観察者も知識に限度がある――経験から得られた知識、実験から得られた知識、理論から得られた知識のどれにも限界がある。観察者が作る現実のシミュレーションは、その人間の現実にたいする観察に限界を設ける。</li>
<li>どの観察者も自分の内面を外界に投影して生きており、自分のシミュレーション・スペース、自分の信念の体系の中で生きている。とりわけ観察者の信念は、彼が観察する事象に制限を設け、彼が真実と考えるもの、努力を注ぐに値するものを限定する。</li>
</ol>
</blockquote>
<p>
　ここだけ見ると、単語の選び方などに若干SFくさく感じる部分はあるものの、結構まともなことを言ってるように見える。現代でも賞賛されるべき、知的に謙虚で誠実な態度であるように見える。見えるだけでなく、実際に大部分は<span class="footnote"><a href="#14046410f2" name="14046410fn2" title="実を言うとこの中にはひとつ、今まさに激しい挑戦を受けている主張があり、そのことはこのシリーズ全体にも少なからぬ影響を及ぼすのだが、それはかなり後の話。今はまだ気にしないでいい。">*2</a></span>そうだと思われる。
</p>
<blockquote>
<p>
　この科学的観察者がさらに成長するためには次のような明瞭な必要条件がある。
</p>
<ul>
<li>a 各観察者は自己の信念を厳密に点検し、見直しをほどこして、その信念が経験と実験から得られた現実と一致するものかどうかを見定めなければならない。自分を取り巻く社会にたいする信念も再検討して、これまでの社会経験との整合を図らなければならない。</li>
<li>b 科学的観察者は人類の脳の発達と他の生物の脳の発達を研究しないかぎり、公平な立場に立つことができない。自分自身の中枢神経系の構造について学習し、その機能と起源を理解し、他の生物の場合と比較してみることなしには、観察者は地球上での自分の位置を的確に把握することはできない。</li>
<li>c 現代の科学的観察者は、自分がいまだに発達過程にある哺乳類であるという認識を持つ必要がある。<strong>科学的研究は西欧の啓蒙主義の産物</strong>であって全能ではない。</li>
<li>d 現代の科学的観察者が理解しなければならないのは、自分が、人類と他の生物とが構成する巨大なフィードバックシステムをになう一員だということである。観察者が理解すべきなのは、人類が確立した、<strong>切り離された「現実」とは、この社会で承認されている通説によって定義されたものだ</strong>ということである。</li>
<li>e さらに現代の科学的観察者が理解すべき点は、人間社会の外部を取り巻く現実が、いずれはその要求を明瞭に提示して、地上に生息するさまざまな生物の将来の発展と衰退のパラメーターを決定するという点である。</li>
</ul>
</blockquote>
<p>
　このあたりまで来ると、依然としておおむね現代にも通じる謙虚な態度であると認められつつも、いくつか見過ごせない部分が現れてくる。
</p>
<p>
　特に強調した部分に見られる<strong>「科学は西洋の産物にすぎない」</strong>とか<strong>「社会と切り離された現実なるものは存在しない」</strong>とかいう類の、当時流行した極端な相対主義の言説は、現代では行き過ぎであったと見なされることが多い。
</p>
<p>
　これはまだ歴史の一ページと言えるほど古い話でもないし、まだまだ単独でも分厚い本が何冊も出ているようなテーマなので、このシリーズでこれ以上つっこんで論じることはおそらくできない。文句があれば聞くが、いったんそういうものだと思ってもらいたい。
</p>
<p>
　ここでは次のことを再確認してもらえれば十分だ。客観性の軽視をはじめとするリリー博士の様々なおかしさを、ただ彼一人の狂気として片付けてしまうことはできない。当時の思想・哲学全体の傾向の一部分だということを考慮に入れなければ正しい理解はできないのだ。
</p>
<blockquote>
<p>
　こうしてわれわれは、現代の科学的観察者が人類の生物学的構造と進化の過程とを意識しているということを理解する。また観察者は人類の将来の進化について、さまざまな可能性のあることに気がついているが、そのうちのどれが実現するかは、現代の社会の通念がどのような発展を遂げ、どのような構造を持つかにかかっている。観察者はもはや世界中に遍在するわけでもなく、全能でも、全知の存在でもない。彼は全知全能の存在になりたいという望みをあきらめ、世界がこれからも現在の構造を維持したまま構築されうるのではないかという願望も捨てている。<br />
　<strong>人間は、自分自身の願望を法律や社会通念の中に投影することをやめなければならない。</strong>
</p>
</blockquote>
<p>
　それを自分自身に適用することができていれば……と思わざるをえない。しかし同時に、もしそうしていたら、彼は歴史にあまり独創的な貢献は成しえなかったに違いないとも思う。難しいところだ。
</p>
<div class="footnote">
<p>
<a href="#14046410fn1" name="14046410f1">*1</a>：真理だ！（笑）<br />
<a href="#14046410fn2" name="14046410f2">*2</a>：実を言うとこの中にはひとつ、今まさに激しい挑戦を受けている主張があり、そのことはこのシリーズ全体にも少なからぬ影響を及ぼすのだが、それはかなり後の話。今はまだ気にしないでいい。
</p>
</div>
<h3>【<a href="http://tkido.com/blog/682.html" target="_blank">第33回</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/656.html" target="_blank">目次</a>】　【<a href="http://tkido.com/blog/3976.html" target="_blank">第35回</a>】</h3>
<h3>おまけ</h3>
<p>
　学校も試験もない。<br />
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/sm2618601" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm2618601">【ニコニコ動画】【ジョジョ】４部で墓場鬼太郎OP</a></iframe></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>ニコラス・ウェイド『宗教を生みだす本能　―進化論からみたヒトと信仰』</title>
		<link>http://tkido.com/blog/3922.html</link>
		<comments>http://tkido.com/blog/3922.html#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 18 Jun 2011 05:29:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[科学技術哲学]]></category>
		<category><![CDATA[科学]]></category>
		<category><![CDATA[宗教]]></category>
		<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[進化]]></category>
		<category><![CDATA[人類]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://tkido.com/blog/?p=3922</guid>
		<description><![CDATA[　原題&#8221;THE FAITH INSTINCT&#8221;。スティーブン・ピンカーの&#8221;THE LANGUAGE INSTINCT&#8221;（『言語を生みだす本能』）を意識して、その向こうを張っ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757142587/mebiusproject-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51zmex433bL._SL160_.jpg" alt="宗教を生みだす本能　―進化論からみたヒトと信仰" style="border: 1px solid black;" /></a>
</p>
<p>
　原題&#8221;THE FAITH INSTINCT&#8221;。<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC" target="_blank">スティーブン・ピンカー</a>の&#8221;THE LANGUAGE INSTINCT&#8221;（『言語を生みだす本能』）を意識して、その向こうを張ったものだ。
</p>
<p>
　<strong>宗教を生み出し運用する能力は、言語を生み出し運用する能力と同じく、集団を内部で結束させ、他集団との戦闘などで有利にするために、進化によって積極的に選択された本能であり、何かの副作用でたまたま生じたわけではない。</strong>
</p>
<p>
　というのが主な主張になる。
</p>
<p>
　私は、この問題に限って言えば、ある程度グループ淘汰的な見方を受け入れるべきであろうと思っているので、全体としては同意できる部分が多い。
</p>
<p>
　ドーキンスやピンカーが宗教の適応的意義を軽視しすぎている、という意見には、ほぼ完全に同意する。
</p>
<p>
　厳しい戒律やタブーなど、宗教の持つ一見理不尽な要素も、それを行うコストによってフリーライダーの侵入を阻むためのものだ、という説明は、まあ常識的といってよいと思う。
</p>
<p>
　たとえば『神は妄想である』のドーキンスが伝統宗教の理不尽な点をあげつらうばかりで、分かっていないはずはないのにそのような基本的な説明をしないのは、確かにずるいと思う。
</p>
<p>
　最初の方はかなり期待していたのだが、後半に行くに従って、だんだん失速している。根拠に乏しいまま、ただ「〜だっただろう」とそれまでと同じようなことを繰り返す部分が多くなってくる。
</p>
<p>
　7章のイスラムの起源に関する仮説<span class="footnote"><a href="#86064972f1" name="86064972fn1" title="ムハンマドは実在の人物ではなくその歴史は後世の創作であり、初期の碑文などにある「ムハンマド」という言葉はイエス・キリストを指すものだったというもの。">*1</a></span>は、かなり極端で、まかり間違って結果的にそれが正しかったとしても、現時点でこの本に入れるのは適切ではないように思われる。
</p>
<p>
　全体的には、勇み足っぽく見えるところも多いが、悪くない本だったと思う。「勇み足」という単語にデジャビュを感じて検索したら、<a href="http://tkido.com/blog/3621.html" target="_blank">以前</a>同じ著者の本に対して同じ単語を使っていたのに気がついた。著者がそういう気質なのだろうか。
</p>
<div class="footnote">
<p>
<a href="#86064972fn1" name="86064972f1">*1</a>：ムハンマドは実在の人物ではなくその歴史は後世の創作であり、初期の碑文などにある「ムハンマド」という言葉はイエス・キリストを指すものだったというもの。
</p>
</div>
<h3>関連書籍</h3>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as4&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;ref=ss_til&#038;asins=4140017406" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as4&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;ref=ss_til&#038;asins=4140017414" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as4&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;ref=ss_til&#038;asins=4152088265" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>おまけ</h3>
<p>
　マイクラ三大宗教のひとつイカ教。<br />
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/sm13469687" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm13469687">【ニコニコ動画】【Minecraft】イカ天国を作ってみた【IKA-TEN】</a></iframe></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>書評在庫一掃セール2010年10月版</title>
		<link>http://tkido.com/blog/3621.html</link>
		<comments>http://tkido.com/blog/3621.html#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 31 Oct 2010 04:25:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[おすすめ書評まとめ]]></category>
		<category><![CDATA[科学]]></category>
		<category><![CDATA[経済]]></category>
		<category><![CDATA[宗教]]></category>
		<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[進化]]></category>
		<category><![CDATA[数学]]></category>
		<category><![CDATA[政治]]></category>
		<category><![CDATA[倫理]]></category>

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		<description><![CDATA[　最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 　★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないの [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<a href="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2010/10/8c0c3027e3cfc3d644caab3847a505b07.jpg"><img src="http://tkido.com/blog/wp-content/uploads/2010/10/8c0c3027e3cfc3d644caab3847a505b07-150x200.jpg" alt="（本文とは無関係）" title="（本文とは無関係）" width="150" height="200" class="alignnone size-thumbnail wp-image-3622" /></a>
</p>
<p>
　最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。
</p>
<p>
　★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。
</p>
<h3>『5万年前―このとき人類の壮大な旅が始まった』★</h3>
<p>
　ニコラス・ウェイド著。ところどころちょっと勇み足っぽく見えるところがあるが、悪くないと思う。
</p>
<ul>
<li><a href="http://d.hatena.ne.jp/shorebird/20071017" target="_blank">書評　「5万年前」 &#8211; shorebird　進化心理学中心の書評など</a></li>
</ul>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4872578287" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4794216254" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>『解明される宗教　進化論的アプローチ』★★★</h3>
<p>
　ダニエル・C・デネット著。この人らしくとても良いが、<a href="http://tkido.com/blog/676.html" target="_blank">『神はなぜいるのか?』</a>と重なる部分多し。そっち読んでれば十分かも。
</p>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4791765621" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4791755960" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4757101740" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4152088265" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>『現代倫理学入門』★★</h3>
<p>
　加藤尚武著。「流行りモンを手に取るのは絶対イヤ！」という思想を持ってなければ<a href="http://tkido.com/blog/3338.html" target="_blank">例のサンデル本</a>でいいんじゃね？
</p>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=406159267X" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4152091312" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>『天才ガロアの発想力　~対称性と群が明かす方程式の秘密~』★★</h3>
<p>
　小島寛之著。確かに<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%82%A2" target="_blank">エヴァリスト・ガロア</a>は数学史の本ではよく出てくるけど、群論の説明がちゃんと出てくるのは珍しいような。
</p>
<ul>
<li><a href="http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20100821" target="_blank">『天才ガロアの発想力』出ました！ &#8211; hiroyukikojimaの日記</a></li>
<li><a href="http://d.hatena.ne.jp/shorebird/20101007#1286459612]" target="_blank">書評　「天才ガロアの発想力」 &#8211; shorebird　進化心理学中心の書評など</a></li>
</ul>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4774143456" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4822283542" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4102159711" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>『老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき』★★★</h3>
<p>
　大泉啓一郎著。アジア諸国が急速に少子高齢化している（する）という話。いつも思うが人口動態はすべてだ。かなり面白い。
</p>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4121019148" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>『人生と投資のパズル』★</h3>
<p>
　角田康夫著。行動経済学を投資やファイナンスにどう生かすことができるかのコンパクトなまとめ。手元に置いとくにはいいのでは。
</p>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4166603671" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4478630879" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=479176305X" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>『鉄理論＝地球と生命の奇跡』★★★</h3>
<p>
　矢田浩著。鉄元素で一本筋を通して幅広い話題を扱う。かなり良い。比較的薄いので読みやすい。
</p>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4061497782" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4797332441" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4486016572" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>『クー・クラックス・クラン 革命とロマンス』★</h3>
<p>
　トマス・ジュニア・ディクソン著。普通の意味では今読んで面白い小説とはまったく言いがたいけど、価値観の違う世界を覗き見るのは楽しい。
</p>
<ul>
<li><a href="http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20081113" target="_blank">分裂国アメリカの源流「クー・クラックス・クラン　革命とロマンス」 &#8211; 深町秋生のベテラン日記</a></li>
</ul>
<p>
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=489176581X" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=B001CEIK50" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
</p>
<h3>おまけ</h3>
<p>
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/sm5460618" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm5460618">【ニコニコ動画】【RPG】東方陰陽鉄 〜ブロントさんが幻想郷入り〜1</a></iframe></p>
]]></content:encoded>
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		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>エドワード・O・ウィルソン『創造―生物多様性を守るためのアピール』</title>
		<link>http://tkido.com/blog/3435.html</link>
		<comments>http://tkido.com/blog/3435.html#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 01 Aug 2010 13:45:55 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[科学技術哲学]]></category>
		<category><![CDATA[ガイア教]]></category>
		<category><![CDATA[キリスト教]]></category>
		<category><![CDATA[科学]]></category>
		<category><![CDATA[環境]]></category>
		<category><![CDATA[宗教]]></category>
		<category><![CDATA[書評]]></category>

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		<description><![CDATA[　エドワード・オズボーン・ウィルソンが、科学とキリスト教が協力して生物多様性の保護に取り組もうと、仮想の南部バプティスト派牧師に対し訴えかける、という本。 　はっきり言って、試みそのものが成功しているとは全く思えない。当 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4314010649/mebiusproject-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/61-F33lL3bL._SL160_.jpg" alt="創造―生物多様性を守るためのアピール" style="border: 1px solid black;" /></a>
</p>
<p>
　<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%BA%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3" target="_blank">エドワード・オズボーン・ウィルソン</a>が、科学とキリスト教が協力して生物多様性の保護に取り組もうと、仮想の南部<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%97%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88" target="_blank">バプティスト</a>派牧師に対し訴えかける、という本。
</p>
<p>
　はっきり言って、試みそのものが成功しているとは全く思えない。当たり前だが、ウィルソンは神の創造は嘘で進化が事実であるということについては一歩も譲る気はないわけで、牧師にとっては、
</p>
<p>
<strong>「私たち科学者は、君たち牧師が一番大事だと信じていることが全くの間違いだということについては、一歩も譲るわけにはいかないけど、私たちが一番大事だと信じているものを護るために君たちが協力できることは、沢山あると思うよ？」</strong>
</p>
<p>
　と言われているようなものだと思うのだが。<span class="footnote"><a href="#17828138f1" name="17828138fn1" title="まあ、もし自分が、確固たる信仰を持つアメリカ南部の牧師だったら……というのは、私に取ってあまりに大きすぎるif なので、まともな想像が可能とは思えないが。">*1</a></span>これで「はいわかりました是非協力しましょう」と言ってもらえると、少しでも本気で期待しているのなら、ちょっと人を舐めすぎではなかろうか。
</p>
<p>
　ただ、言うなれば宗教右派に対してすり寄る内容だけに、私がウィルソンに対して<a href="http://tkido.com/blog/2643.html" target="_blank">気にくわない</a>と思っている点が濃縮されたような感じになっていて、個人的には、なかなか興味深かった。印象深かったところを数ヵ所抜粋する。
</p>
<blockquote>
<h3>第二章　自然の位に上ること</h3>
<p>
　人工的な生態系の中だけの暮らしに満足する人々も多いことは事実でしょう。これは飼育動物たちも同じこと。飼育用のグロテスクに不自然な生息環境のもとで満足しています。私の気持ちをいえば、これは倒錯です。手の込んだ飼育場の牛となることは、人間の本性にかなうものではないでしょう。誰しもが、人を生み出した複雑で原生的な自然の世界を難なく旅することができてしかるべきです。私たちには、誰の所有地でもなくすべての人々によって保護される大地、私たちの太古の祖先たちの世界を境界付けていたのと同じ地平を変わらず維持しているような大地を、縦横に行く自由が必要です。人類誕生のころの人の心理を作り上げた驚異の感覚は、エデンの遺産ともいうべき、人の都合とは独立した、生きものたちの賑わいに満ちた世界の中でこそ、体験することが可能なものです。
</p>
<p>
　人間的でかつ適切に教育される科学的な知識は、我々の暮らしに永続的なバランスをもたらす鍵です。生物学者たちが、生命圏の豊穣についてより多くを学ぶほど、生物圏のイメージはより豊かで感動あるものになります。同様に、心理学者たちが人の心の発達についてより多くを学べば学ぶほど、自然の世界が私たちの精神と、魂に及ぼしている重力のような普遍的な力をさらによく理解することになるでしょう。
</p>
<p>
　この星との平和な暮らしを実現するために、そして人類相互の平和な暮らしを実現していくために、私たちはまだ長い時間を必要としています。私たちは、新石器革命を発動したおりに、道を誤りました。そのときから人間は、大自然の位置に上る(ascend to Nature)のではなく、自然の位置から離れ、上昇すること(ascend from Natrue)を目指してきました。しかし、自然遺産が与えてくれる深く満ち足りた恩恵を享受するために、これまでに手に入れた暮らしの質を失うことなく方向転換を果たすことは、まだ可能です。宗教の包容力、そして教導者たちの寛大さと想像力の豊かさは、聖書に十分に記されることのなかったこの大きな真実を理解する偉大さを、必ずや発揮してくださることでしょう。
</p>
</blockquote>
<p>
　うーん、これだよこれ。人によっては<a href="http://tkido.com/blog/740.html" target="_blank">「ポスト・キリスト教」</a>と呼び、私がガイア教と呼ぶ、リベラル派と伝統的キリスト教的世界観のねじれた野合。素晴らしい考え方だ、間違っていることを除けば。
</p>
<p>
　　祖先的進化環境へのESSとして適応してきたに過ぎないものを「人間の本性」などと呼んで善と同一視することがそもそもおかしい、ということをいったん脇に置いたとしても、ホモ・サピエンスという種は、すでに圧倒的に自己飼育化<span class="footnote"><a href="#17828138f2" name="17828138fn2" title="この単語でググってみたら何かトンデモくさいページばかり引っかかるが、最近『火の賜物』でも出たばかりの話だ。">*2</a></span>の産物である。
</p>
<p>
　今日、人々がアメリカで「手つかずの自然」と信じているものは、一万年数千年前に起きた人類の進出<a href="http://tkido.com/blog/517.html" target="_blank">（参考）</a>と、近代のヨーロッパからの大規模な生態系移植<a href="http://tkido.com/blog/736.html" target="_blank">（参考）</a>の結果である。
</p>
<p>
　そしてもちろん、アフリカ＝ユーラシア大陸の「手つかずの自然」とは、人類とその他の生物の数百万年の共進化の結果でしかありえない。
</p>
<p>
　「人間の本性」とか「人間の都合とは独立した生きものたち」などというのは、ただ単に間違っているのではなく、間違うことすらできていない幻想である。
</p>
<blockquote>
<h3>第三章　本来のいのちある自然とは何か</h3>
<p>
　ポストモダンの哲学者の中には、真実は個々人の世界観にのみ依存する相対的なものであり、大自然というような客観的な実在はないと主張する人々がいます。彼らは、自然という区分はある種の文化に発生した誤った二分法に基づくものであり、他の文化には存在しないものであると主張しています。私はそのような考え方を面白いとも感じますが、それも数分のこと。これまで私は、自然の生態系と人間の干渉を受けた生態系の非常に鮮明な境界を何度も横切ってきた経験をしており、生きた本来の大自然(Nature)の客観性を疑うことはできません。
</p>
</blockquote>
<p>
　私は、いわゆるポストモダン哲学や極端な相対主義も嫌いだが、ここではそちら側に加担せざるをえない。
</p>
<ul>
<li>「大自然というような客観的な実在はない」</li>
</ul>
<p>
　などということは、ポストモダン哲学者よりも、むしろ進化生物学者こそが、キリスト教者に対して訴えるべきことだろう。
</p>
<p>
　次の引用部分は、若干補足が必要だと思う。キリスト教の中には、
</p>
<ul>
<li>自分たちが生きている間に今の世界には終末が訪れる、そして自分たちは素晴らしい天国に迎えられる</li>
</ul>
<p>
　という考え方が、今も根強く生きている。そのような考えの人は当然、持続可能性などには関心を持たない。ウィルソンは本全体を通してそれを危惧している。
</p>
<blockquote>
<h3>第九章　否定とそのリスク</h3>
<p>
　パストール、私か最も恐れるのは、創造された生きた自然[the Creation 被造物]への破壊に、ほとんど何の危険も感じないような、宗教的・世俗的なイデオロギーの結びつきが蔓延していることです。以下は、生物多様性にほとんど重要性を認めず、人は大自然をますます離れてこそ益多い者なのであり、自然に向けて次元上昇［アセンド］するようなものではないとする意見を持つ牧師がいれば、こんなスピーチもするだろうと想像して、私か創作したものです。
</p>
<blockquote>
<p>
　兄弟姉妹、やがて地上から消えていくものたちのために、嘆くことなかれ。生命は変化です。絶滅もまたときにはよきものです。私たちは生命の新たな次元として、人を祝福しましょう。「略取」された地球を、新しい生命圏として祝福しましょう。進歩の障害となる種は消滅するにまかせましょう。人の登場する以前も、生態系と種の変転は通常のことでした。人のさらなる利益のために、世界の生物多様性が貧しくなることがあるとしても、私たちヒトという種に危険はありません。資源が枯渇すれば、天才的な科学技術者たちが、新たな資源を見つけるでしょう。
</p>
<p>
　善き人々よ、宇宙に目を向けましょう。天国を見上げましょう。絶滅した動植物を、未来世代への苦き遺産と考えるのはやめましょう。わたしたちは、歴史的な建造物を保存するのと同じように、過去の形見として、自然公園を保存することができます。高度の生物工学的な技術によって新しい生態系を創造し、人の力で創造された生物種をそこに棲まわせることもできるでしょう。どんなにすばらしい生物が創造されていくか、まだ私たちは知りません。それはかつてないほど審美的な魅力に満ち、多方面で有用な、技芸の産物となることでしょう。古く、原始的な環境は、人の手によって作り出されるはるかに優れた環境に置き換えられていくのです。完全に人間化された環境、人間が自分自身で作り上げるパラダイスのもとで、かつてない繁栄を果たすこと。それは私たちの未来技術によって可能なことであり、神の摂理にもかなうことです。それが私たちの定めなのです。来たるべき世代、人々は在庫の化学物質を利用して薬剤を合成するようになるでしょう。遺伝的に改良された数十種の穀物種から食料を生産するようになるでしょう。持続可能なエネルギー資源をコンピューターで管理することによって、大気も、気候も制御されるようになることでしょう。この古き地球は、これまで数十億年（これは、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E3%81%84%E5%9C%B0%E7%90%83%E8%AA%AC" target="_blank">六千年</a>とするのが望ましいと言われるかもしれませんが）の間そうであったと同じように、自転を続けていくことでしょう。
</p>
<p>
　しかし、地球というこの惑星は、比喩ではなく、文字通りの存在として、宇宙船になっていくのです。宇宙船地球号の操縦室には、人類の最も優れた人材が配され、モニター画面を見つめ、ボタンを押し、私たちの航行を安全なものとしてくれることでしょう。
</p>
</blockquote>
<p>
　ここにあるのは、地球で特別の位置を占める人間は、大自然の法則の外にあると考える、人間特例主義の哲学です。人間特例主義は、以下の二つの、いずれかの形をとります。第一の形は、先に例示したような、世俗的な形式です。コースを変える必要はない、人間の天才が解決策を見出していく、という考え方です。第二は宗教的な形です。コースを変える必要はない。何にせよ、私たちは神の手の中、あるいは神々の手の中、地球という業の中にあるのだと考える形式です。
</p>
</blockquote>
<p>
　実を言うと、地球の未来に関する私自身の意見は、ここでウィルソンがあげている悪い例と、そう遠いものではない。もちろん、わざと馬鹿に見えるように書いてある部分を除けば、だが。
</p>
<p>
　第一、この本それ自体が、科学と宗教が協力して
</p>
<ul>
<li>「宇宙船地球号の操縦室には、人類の最も優れた人材が配され、モニター画面を見つめ、ボタンを押し、私たちの航行を安全なものとしてくれる」</li>
</ul>
<p>
　ようにしよう、という訴え以外のなにものでもないではないか。
</p>
<ul>
<li>「持続可能なエネルギー資源をコンピューターで管理することによって、大気も、気候も制御されるようになる」</li>
</ul>
<p>
　ことを敵視しながら、どうやって地球温暖化を解決しようというつもりなのか。
</p>
<p>
　ウィルソンがその程度のことも考えていないとは思わない。もしかしたら、これは宗教右派にすり寄るためのテクニックのつもりかもしれない。
</p>
<p>
　宗教右派自身の主張を、彼らが嫌っている「科学」の主張であるかのように見せかけて内部で離間させようとする、巧妙な藁人形論法のつもりなのかもしれない。
</p>
<p>
　しかし、実際にこの例のような考え方をする宗教者がいたとして、こんなレトリックで意見を変えるとは思わないし、変えたとしても別の馬鹿な考えに行き着くだけだろう。
</p>
<p>
　アメリカの現状を鑑みるに、宗教の力を借りたいという気持ちはわからなくはない。むしろ、大いにわかる。だからといって科学の方からこんなすり寄り方をするのは、元も子もなくす可能性が高い、危険すぎるテクニックに見える。
</p>
<blockquote>
<h3>第十章　最後のゲーム</h3>
<p>
　人類のハンマーが振り下ろされ、第六の絶滅が始まってしまいました。人類によるこの破壊行為が停止されず継続すれば、回復不可能な激しい消失の過程は、今世紀末には中生代末の大絶滅のレベルに達すると予想されています。
</p>
<p>
（中略）
</p>
<p>
　先行する五回の大絶滅は、自然選択によって修復されるのに平均一〇〇〇万年を要しました。一〇〇〇万年のスランプをまた経験するというのは受け入れがたいものでしょう。人類は決断を必要としています。それもいますぐです。地球の自然遺産を保全しましょう。そうしなければ、未来の世代は生物学的な貧困の世界に適応していくしかありません。この選択を回避する道はありません。動物園や植物園に頼れないことはすでに説明したとおりです。空想的な著者の中には、最後の手段にかかわるアイデアをもてあそぶ人々がいることも承知しています。未来の再生を目指して、受精卵や組織を凍結する方法で数百万の現存種やさまざまな品種を保全しようなどと彼らは主張しています。あるいはすべての種の遺伝暗号を記録して、後日、そこから種の再生を目指そうなどとも主張しています。どちらの提案もリスクが高く、膨大な経費を必要とし、最終的には実のないものとなるでしょう。仮にそれらの方法によって、危機に瀕した地球の生物多様性がことごとく再生され、交配を通して集団としても再生され、二一世紀において「野生」と判定される領域への帰還を待つばかりになったとしても、その場において生存可能な個体群を個々に再構成していくことは、実行不可能というしかありません。生物学者は、複雑で自律的な生態系をゼロから組み立てる方法などまったく知らないからです。いずれ理解できる時が来るとしても、その時、人間による改造を強く受けてしまった地球の条件下では、もはやそのような再構成は不可能と判明するのではないでしょうか。
</p>
<p>
　人間特例主義者たちは、以上のオプションの先にさらに最後の提案を用意しています。いつの日か科学者たちは人工生物や種を創造し、それらを組み合わせて合成生態系を作り出すはずとの希望を持って、生命圏の貧困化など気にすることなくこのまま進もう、という主張です。未来の世代には、大自然の失われたニッチを再び人工生命で満たさせよう。たとえば人間を襲わないようにプログラムされたトラモドキ。トラモドキは人工的に輝き燃え、刺しも噛みもしないムシモドキたちの満ちる森林モドキの中を行く――というわけですね。仮にファンタジーの世界だけの話だとしても、人工的な生物多様性という発想には、以下の言葉が適切です。冒涜、堕落、嫌悪。
</p>
<p>
　以上に紹介した有効性のない諸提案は、残念ながらどれも実際に提案されたことのあるものばかりなのです。それらの夢はいずれも愚かなものです。いまという時代はサイエンス・フィクションの時代ではありません。常識をもって、以下のような処方に従うべき時代です。生態系と種を救うには、個々の種の独自の価値を一つ一つ理解し、それらの運命を左右することのできる人々を説得して、生態系と種のお世話役をつとめてもらうしかないのです。
</p>
</blockquote>
<p>
　私は知らないが、科学者の誰かがそんな非現実的な提案をしたことはあるのかもしれない。だが、それが科学の世界で真剣に受け取られたり、ましてや広範な支持を受けたりしたことはないはずだ。
</p>
<p>
　これもまた前の引用部分と同じ、宗教右派自身の主張を、彼らの嫌う「科学」の主張と錯覚させようとする巧妙な藁人形論法にしか見えない。
</p>
<ul>
<li><strong>「人間を襲わないようにプログラムされたトラモドキ。トラモドキは人工的に輝き燃え、刺しも噛みもしないムシモドキたちの満ちる森林モドキの中を行く」</strong></li>
</ul>
<p>
　という描写には、私は<a href="http://www.penguinclub.net/sermons/is/is11-1.html" target="_blank">イザヤ書の一節</a>を連想させられる。これはやはり、科学の言葉に置き換えられただけの、伝統的なキリスト教的自然観だ。
</p>
<p>
　今の世に「人間特例主義者」などと呼ぶべき人々がいるとすれば、それは、
</p>
<ul>
<li>人間以外の自然は全て神に創造された完全なもので、悪や不完全さの全ては人間の罪に由来する</li>
</ul>
<p>
　という宗教的ドグマを無理矢理にでも維持しようとする宗教者と、それにすり寄る科学者であろう。
</p>
<div class="footnote">
<p>
<a href="#17828138fn1" name="17828138f1">*1</a>：まあ、もし自分が、確固たる信仰を持つアメリカ南部の牧師だったら……というのは、私に取ってあまりに大きすぎるif なので、まともな想像が可能とは思えないが。<br />
<a href="#17828138fn2" name="17828138f2">*2</a>：この単語でググってみたら何かトンデモくさいページばかり引っかかるが、最近<a href="http://tkido.com/blog/3426.html" target="_blank">『火の賜物』</a>でも出たばかりの話だ。
</p>
</div>
<h3>おまけ</h3>
<p>
　この世はでっかい宝島♪<br />
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/sm10148422" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm10148422">【ニコニコ動画】バイオハザードでドラゴンボールOP　魔訶不思議アドベンチャー!</a></iframe></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>空飛ぶスパゲッティモンスター</title>
		<link>http://tkido.com/blog/3224.html</link>
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		<pubDate>Fri, 21 May 2010 13:49:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[科学技術哲学]]></category>
		<category><![CDATA[ことば]]></category>
		<category><![CDATA[インテリジェントデザイン]]></category>
		<category><![CDATA[宗教]]></category>
		<category><![CDATA[進化]]></category>

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		<description><![CDATA[　うろおぼえだが、昔読んだユダヤジョークの本に、確かこういう話があった。 （強制収容所にて） 看守「ドイツ*1をダメにしやがったのは誰だ！」 囚人「はい！　ケーキ屋とユダヤ人です！」 看守「……なんでケーキ屋なんだ？」  [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806713406/mebiusproject-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41VY7PP18NL._SL160_.jpg" alt="反・進化論講座―空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書" style="border: 1px solid black;" /></a>
</p>
<p>
　うろおぼえだが、昔読んだユダヤジョークの本に、確かこういう話があった。
</p>
<blockquote>
<p>
（強制収容所にて）
</p>
<p>
看守「ドイツ<span class="footnote"><a href="#77024254f1" name="77024254fn1" title="第一次世界大戦前後の。">*1</a></span>をダメにしやがったのは誰だ！」<br />
囚人「はい！　ケーキ屋とユダヤ人です！」<br />
看守「……なんでケーキ屋なんだ？」<br />
囚人「……なんでユダヤ人なんです？」
</p>
</blockquote>
<p>
　世の中にはしばしば、何かがないことの証明が不可能だということ<span class="footnote"><a href="#77024254f2" name="77024254fn2" title="俗にいう「悪魔の証明」。">*2</a></span>に依拠する一見もっともらしい主張があって、倫理的にもろくでもないことが多い。
</p>
<p>
　ほとんどの宗教は多かれ少なかれそういう要素はあるが、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3" target="_blank">インテリジェント・デザイン</a>は、特にその方面に特化したもののひとつだから、とりわけろくでもなく、かつ攻めづらい。
</p>
<p>
　こうしたものを批判するのはどうしたらいいか。ひとつの方法は、不可能である「ないことの証明」に正面から挑むのではなく、
</p>
<ul>
<li>論理的に同程度にバカバカしく、<strong>一見しても</strong>バカバカしい別の主張を提示する</li>
</ul>
<p>
　ことである。<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E9%A3%9B%E3%81%B6%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%B2%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%95%99" target="_blank">空飛ぶスパゲッティ・モンスター教</a>は単なる悪ふざけのギャグではなく、そういう真面目な意味も持っている。
</p>
<p>
　本自体は正直そこまで面白くない<a href="http://tkido.com/blog/3187.html" target="_blank">（参考）</a>ので、わざわざ読みたくない人は、そういうものだという点だけ押さえておくとよいかもしれない。
</p>
<div class="footnote">
<p>
<a href="#77024254fn1" name="77024254f1">*1</a>：第一次世界大戦前後の。<br />
<a href="#77024254fn2" name="77024254f2">*2</a>：俗にいう「<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E8%A8%BC%E6%98%8E" target="_blank">悪魔の証明</a>」。
</p>
</div>
<h3>おまけ</h3>
<p>
　ヌードル触手→ラーメン<br />
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/sm101569" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm101569">【ニコニコ動画】ラーメンズ 不思議の国のニポン 23分</a></iframe></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>グレッグ・イーガン『順列都市』から2点抜粋</title>
		<link>http://tkido.com/blog/3101.html</link>
		<comments>http://tkido.com/blog/3101.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 09 Mar 2010 14:03:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>木戸孝紀</dc:creator>
				<category><![CDATA[文化芸術宗教]]></category>
		<category><![CDATA[グレッグ・イーガン]]></category>
		<category><![CDATA[宗教]]></category>
		<category><![CDATA[小説]]></category>
		<category><![CDATA[神]]></category>
		<category><![CDATA[人間]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://tkido.com/blog/?p=3101</guid>
		<description><![CDATA[　グレッグ・イーガン『順列都市』から、後々話に使いたいと思っているところ2点を、最低限の説明をつけて抜粋。 《なにも変えない神の教会》 　マリアは話しつづける。「『神はなんの違いももたらさない……なぜなら、神こそは万物が [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150112894/mebiusproject-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/510GECFZ41L._SL160_.jpg" alt="順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)" style="border: none;" /></a>
</p>
<p>
　<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%B3" target="_blank">グレッグ・イーガン</a>『順列都市』から、後々話に使いたいと思っているところ2点を、最低限の説明をつけて抜粋。
</p>
<h3>《なにも変えない神の教会》</h3>
<blockquote>
<p>
　マリアは話しつづける。「『神はなんの違いももたらさない……なぜなら、神こそは万物がいまある姿をとっている理由だからだ』、ですっけ？　だから、あたしたちはみんな、宇宙を心静かにうけいれられるってわけね？」<br />
　フランチェスカは首を横にふった。「心静かに？　いいや。そう考えれば、神の介入だのなんだのいう古い考えを、きれいさっぱり一掃できるだけの話さ。それに、神を信じるための、証しや、信念でさえ不要になる」<br />
「じゃあ、いま母さんにはなにが必要なの？　そして、神を信じてないわたしには、なにが欠けてるの？」<br />
「信仰だろうかね？」<br />
「同語反復はきらいよ」<br />
「トートロジーを悪くいっちゃいけない。宗教を築くなら、ファンタジイよりはトートロジーの上にしたほうがましだ」<br />
「だけど、これはトートロジーよりもひどいわ。単に……言葉を恣意的に再定義しただけ。ルイス・キャロルの小説じゃないんだから。でなければ、ジョージ・オーウェルの。『神は万物の根拠である……その根拠がなんであれ』それは、正気の人間が単に物理法則と呼ぶものを、母さんたちは神と改名したにすぎない……それも、その単語のほうが、ありとあらゆる歴史的な響きを――人を勘違いさせやすい、ありとあらゆる言外の意味を含んでるからというだけの理由で。自分たちが古い宗教とは無関係だと主張するなら――なぜ宗教の用語を使いつづけるの？」<br />
　フランチェスカは答えた。「わたしらは、その単語の歴史を否定はしないよ。多くの点で過去と訣別したけれど、自分たちの出自も認めている。神は、人々が何千年も使いつづけてきた概念だ。わたしらがその概念を、幼稚な迷信や願望充足以上のものに洗練させたのは事実だけれど、だからといって、同じ伝統に属していないことにはならないさ」<br />
「でも母さんたちは、その概念を洗練させたんじゃない、無意味にしたのよ！　必然的に。母さんたちは、そこに気づいてないようだけど。神にまつわる、火を見るよりあきらかなたわごとを、全部剥ぎとったんですもの。擬人化も、奇蹟も、かなえられた祈りも、なにもかも。ただ、いちどそれをやってしまったら、宗教と呼ぶ必要があるものはなにも残らないことを、母さんたちはわかってなかったようね。物理学は神学ではない。倫理学も神学ではない。なのに、なぜそれが神学だというふりをするの？」<br />
「わからないかねえ？　それでもわたしらが神について口にするのは、ただ単にそうしたいからさ。人の心には、その言葉を、その概念を使いたいという衝動が――捨て去るより、磨きをかけつづけたいという思いが――根深くしみこんでいるんだ。その言葉が意味するものは、五千年前と違ってしまっていてもね」<br />
「でも、その衝動がどこから来るのか、しっかりわかってるでしょう！　聖なる存在が実在するわけじゃない。文化と神経生物学の――進化と歴史の、いくつかの偶然の産物にすぎないわ」<br />
「あたりまえじゃないか。そうでない人間の特性があるのかね？」<br />
「だったら、なぜそんなものに従うのよ？」<br />
　フランチェスカは笑った。「なにかに従うのはなぜだい？　宗教的な衝動は……宇宙から来た精神ウイルスの類じゃないよ。有形無形の意味づけをすべてとり去った、純粋なかたちでの宗教的衝動は、洗脳の結果でもない。それは、わたしという人間の一部なんだ」<br />
　マリアは両手で顔を覆った。「そうかしら？　そんなことをいうなんて、ちっとも母さんらしくない」<br />
「ものごとが思いどおりにいったとき、神に感謝したくなったことはないのかい？　力が必要なとき、神にそれを願いたくなったことは？」<br />
「全然」<br />
「わたしは、あるんだよ。神はなにも変えないと、知ってはいてもね。そして、神が万物の根拠なら、神という言葉を使いたいという衝動も、神の中にあることになる。だから、わたしがその衝動から力やなぐさめや意味を得るなら、その力やなぐさめや意味の根源が、神なのさ。そして、自分の身に起ころうとしていることをわたしがうけいれるのを、神が――なにも変えなくても――助けてくれるなら、そのなにが、おまえを悲しませるんだい？」
</p>
<p>
（『順列都市』上巻P138-P144）
</p>
</blockquote>
<p>
　SF作家として最新の科学知識を身につけて、政治的には当然リベラルな<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%B3" target="_blank">グレッグ・イーガン</a>の宗教観は、<a href="http://tkido.com/blog/676.html" target="_blank">『神はなぜいるのか?』</a>のようなものにならざるをえない。
</p>
<p>
　ここで作者自身の考え方を代弁しているのは明らかにフランチェスカの方で、主人公のマリアはそれを理解できない未熟な者として描かれている。
</p>
<h3>《唯我論者国家》</h3>
<blockquote>
<p>
　《唯我論者国家》の創始者ダニエル・ルベーグはこう書いた。『わたしの目標は、人間の真髄として尊ばれるありとあらゆるものを手にいれることだ――そしてそれを、すりつぶして塵にするのだ』
</p>
<p>
（『順列都市』上巻 P124）
</p>
</blockquote>
<p>
　（伝統的な意味では）神に何らの自明な価値も認めず、人間性のひとつとしてしか見ないイーガンが、それでも目標として認めうるのは、人間性のあらゆる可能性を試し尽くすことだ。
</p>
<p>
　作品が違うが『ディアスポラ』のトランスミューター<span class="footnote"><a href="#53366096f1" name="53366096fn1" title="作中最高クラスの能力を持つ超文明種族。">*1</a></span>は、おそらくこのルベーグの目標を達成したものと考えられているのだと思う。
</p>
<div class="footnote">
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<a href="#53366096fn1" name="53366096f1">*1</a>：作中最高クラスの能力を持つ超文明種族。
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<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4150112908" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4757101740" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&#038;bc1=000000&#038;IS2=1&#038;bg1=FFFFFF&#038;fc1=000000&#038;lc1=0000FF&#038;t=mebiusproject-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;m=amazon&#038;f=ifr&#038;md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&#038;asins=4150115311" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
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<h3>おまけ</h3>
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　そういえば最近<a href="http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89" target="_blank">ドナルド</a>見ないな。<a href="http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%82%B3%E4%B8%89%E5%A4%A7%E5%AE%97%E6%95%99" target="_blank">三大宗教</a>とかどこ行った。<br />
<iframe width="312" height="176" src="http://ext.nicovideo.jp/thumb/sm2949792" scrolling="no" style="border:solid 1px #CCC;" frameborder="0"><a href="http://www.nicovideo.jp/watch/sm2949792">【ニコニコ動画】ドナルドを信仰風化曲【ネイティブフェイス】</a></iframe></p>
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