2012 4/26

生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則

 およそ意味のある現象は、常に何かと何かの境界で発生する。

 人体は大雑把に言って複雑に折りたたまれた内臓表面であり、それらを構成する細胞は大雑把に言って折りたたまれた膜(表面)の塊だ。

 脳みそに皺が寄っているのも、肺が肺胞に分かれているのも、小腸が絨毛でびっしりなのも、全ては表面積を増やすためだ。

 パソコン環境の生産性を上げるには、CPUやHDDの能力を上げるより、モニタの面積を増やした方がしばしば有効であり、紙に印刷して広げて見ることも有益だ。

 全然関係ないが、量子重力理論では、物理的に一定範囲に詰め込みうる情報の限界は体積でなく表面積で決まるのだという話を連想する。

おまけ

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2010 12/29

(本文とは無関係)

 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。

 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。

『マネーの進化史』★

 ニーアル・ファーガソン著。金融史本。地味だが悪くない。

『IQってホントは何なんだ? 知能をめぐる神話と真実』★

 村上宣寛著。知能テストの話。面白いかというといまいちだが、いまだにIQテストを真面目に受け取りすぎてる人は多いので一応。読める人は『人間の測りまちがい』を読めばいいと思う。

『生命と非生命のあいだ―NASAの地球外生命研究』★

 ピーター D.ウォード著。以前『恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた』から作者つながりで借りたが、やや散漫な印象だったので紹介はしなかったもの。例の砒素生物の件――ちょっと雲行き怪しそうだけど――の件で思い出したので一応紹介しておく。

『日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学』★

 原田泰著。著者独自の見解には疑問もあるけど、ありがちな通説に対抗するという意味では価値はあると思う。

『現役・三井不動産グループ社員が書いた! 「ダメマンション」を買ってはいけない』★

 藤沢侑著。新築マンション買う予定なんぞまったくないけど、覚えておこう。

『さらば悲しみの性 高校生の性を考える』★★★

 河野美代子著。河野美代子のいろいろダイアリーの人の本。サイト同様内容はいいけど、実際に必要としている中高生の読者の手には届きにくいかも。親とか教師とか大人に期待。

『アメリカ口語教本 (入門用)』★★

 W.L.クラーク著。大昔に買っておいたものだけど、『英語上達完全マップ』でいう音読パッケージの教材として使用。「テレビは社会を破壊すると思います」とか主張する人の例文があって歴史を感じる。テレビが目新しい技術だったのだ。

『今この世界を生きているあなたのためのサイエンス』★

 リチャード・A・ムラー著。原題”Physics for Future President”(未来の大統領のための物理学)の方が内容に近い。内容はどちらかというと初歩的だけど、911は米国政府の陰謀でもうすぐ石油枯渇で世界は混沌としテロリストが核爆弾テロを起こすんだぜ、とか思っている人に最適。

おまけ

 これが笑える程度の知識があるなら無用かも。

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2010 11/17

ライフゲイムの宇宙

 以前から何度か言及しておすすめしていたが、上のニュースに便乗して改めて単独でオススメしておこう。

 原題”The Recursive Universe”(『再帰的な宇宙』) 『囚人のジレンマ』と並んで作者の最高作と思う。

 ライフゲームの話だけでも十分すぎるほど面白いけど、情報理論・熱力学・宇宙論・数学などの幅広い分野に興味を持つきっかけとしてちょうどいい。マクスウェルの悪魔の話題も出てくる。メインじゃないし、やや古いけど。

 あとグレッグ・イーガン『順列都市』を読む前の予習として最適、というか100%楽しむには必須。

おまけ

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2010 5/26

新版 自然界における左と右

 マーティン・ガードナーの訃報を見たので、ついでに一番記憶に残っている本を紹介。

 よくある「鏡はなぜ左右だけ反転させるのか?」的な話から始まってパリティ対称性の破れなどまでカバーしてくれる、この話の決定版的存在。

おまけ

 左右に腰振るだけなんてゲッダンよりつまらんと思ったら意外な収穫。

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2010 3/24

ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い

 スーパーロボット大戦とか宇宙戦艦ヤマトとか、そっち方面を連想しそうなタイトルだが真面目な話。著者は『宇宙のランドスケープ』と同じレオナルド・サスキンド。

 これらの単位(プランクの長さ、時間、質量)には驚くべき意味がある。それらは、存在可能ないちばん小さいブラックホールのサイズ、半減期、質量なのだ。

 という記述を読んで何か反応する人には是非おすすめ。スティーヴン・ホーキングとの論争の意味だけでなく、ホログラフィック原理についてもよく理解できた。

参考リンク

関連図書

おまけ

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2009 6/29

宇宙を織りなすもの――時間と空間の正体 上

 あなたの住んでいるスペースコロニーが何かのはずみで、物理法則は同じだけど他に何もないからっぽの宇宙に一個だけ迷い込んでしまいました。

 さて、このコロニーは自転によって人工重力を維持することが、

  • できる(他に何もなくたって空間に対して回転してるんだからできるよ!)
  • できない(他に何もなければ回転しているという概念には意味がないのだからできないよ!)

 どっちだかわかります? 自信持って答えられる人はかなりえらいです。

 『エレガントな宇宙』と同じ著者。「時間と空間」で一本筋を通したかなりよい本。

 量子力学部分でもベルの不等式が持つ意味の説明などは、数式を使わないものの中ではこれまでで最も優れているのではないかと思う。

 ただし、後半に入ると話が最新のものにまで及んでくるので、予想・予測で語られなければならないところも多くなってくる。それが楽しみだという人には文句なくおすすめ。

おまけ

 いまさらだけど宇宙と回転つながり。

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