2010 1/22

百姓貴族 (WINGS COMICS)

 経由で知る。これは確かに最高級に面白い。

 で以前注目したように、『鋼の錬金術師』は、現代少年マンガを薄く広く覆っている「不殺」的発想を一歩破って進んでいるように見える。

 このことが、作者荒川弘の農家出身という属性に寄っているのではないかという考えは以前から持っていたが、これを読んで確信に変わった。

  • ヒグマの気配に死を覚悟したり
  • 珍しい障害を持って生まれた仔牛を実験用に提供するかひと思いに処分するか悩んだり
  • 家族がみんな死にかけたり骨折ったり血が出たりする怪我をしたことがあったり

 というような経験なくしては、間違いなくハガレンはなかった。

 そういうことを考えなくても、単純にエッセイとしても雑学としてもマンガとしても面白い。農業高校の回では『動物のお医者さん』を思い出したりもした。傑作。おすすめします。

おまけ

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2008 11/7

ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」 (KASHIWA学術ライブラリー)

 今もシュタイナー教育などに名を残し、真面目に受け取っている人もいるルドルフ・シュタイナーと有機農法の話から始まって、自然を愛し全ての生命と共生しようという思想がなぜ大量殺人のような結果を生んだのかを巡る話に繋がっていく。

 私はこれとかこれとかナチスネタには目がないのだが、この本と『ナチスと動物』『健康帝国ナチス』の2冊はどれも素晴らしく、“いまここにいるナチス”三部作とでも勝手に命名しておすすめしたい。

 現代のディープエコロジーのような考え方や、日本のフードファディズムめいたトンデモ食育にもしっかり残っているナチスの影響。ついでに戦前日本はオカルト的自然観と民族主義の点でナチスドイツに本当に瓜二つだったんだということもよくわかるぞ。

参考リンク

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おまけ

 健康→禁煙→タバコ

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