2009 12/14

カールじいさんの空飛ぶ家

 あの『グラン・トリノ』をピクサーがCGアニメ化したと聞いて、なんだそりゃと思いながらも、見に行きました。

 妻に先立たれ、家と庭のメンテしかすることもなく、老人ホームに送られようとしている老人が、父親のロールモデルを持てずに冴えない東アジア系の少年にぶち切れ、

「GRRRRRR、もう、我慢できん! よく聞け、アジアのへなちょこガキ! 貴様が本当にボーイスカウトのバッジを欲しいなら、 アメリカの男になれ! わしがその方法を教えてやる!」

 といって、秘めた信仰と肉体のみを武器に戦うという筋のみが同じで、後はまったく別物といってもいいぐらいになっています。

 子や孫に疎まれるあたりの設定は子供の視聴者には共感しづらいと思われたのか、最初から子供はいない夫婦だったという設定になってました。サイレントでふたりの人生を高速追体験させるパートは、とても良い出来でした。

 当然ながら、か弱き乙女を強姦する東アジア系ギャング団はそのまま出せないので、人の住まない処女地である南米大陸から、美しいメス鳥を強奪して文明世界に持ち帰ろうとする、18・19世紀的マッチョ意識丸出しの探検家と手下の犬どもに置き換えられました。

 そして老人の自己犠牲によってその遺志は若い男に成長した少年に受け継がれます。遺志といってもこっちではもちろん主人公は死にませんが。

 アクション部分はいつものピクサーらしく熱いです。原題からして『UP』であり、邦題の与える印象よりは、文字通りアップテンポなものであることを念頭に置いておくといいかもしれません。全体としてはすごくおすすめです。

参考リンク

おまけ

 タイトルぐらいしかつながりはない。

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2008 12/5

WALL・E/ウォーリー

 ピクサーにはかなり信頼を置いているので、さっそく観てきました。まだネタバレ自粛期間中だと思いますので内容には触れませんが。

 うーむ、いつも通りの超クオリティではありますが、それだけに留まった感じです。期待以上の何かがありませんでした。やや低年齢向けなせいもあるでしょう。恒例の冒頭の短編アニメがややつまらなかったのも印象で損しているかも知れません。

12/14追記

 字幕版で二度目観てきました。オススメ度ひとつ上げます。近くでやってる方が吹き替え版で、セリフ少ないから吹き替えだけでもいいかと思いましたが、やはり微妙にニュアンス変わってきますね。

おまけ

 機械に頼って生きていこう!(笑)

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2007 7/28

レミーのおいしいレストラン

 『Mr.インクレディブル』以来ピクサーにまいっている私だが、今回は正直期待はずれだったと言わざるを得ない。

 もちろん凡百のアニメとは比べものにならないレベルの高さではある。しかし、これまでどの作品にも見られたピクサーならでは、純ディズニーブランドならば絶対にあり得なかったと思わせるような予想を超えてくる要素がなかった。

(ここから先内容の全面ネタバレあり注意)

 CG他技術はいつも通り最高レベルだったと思うが、今回はピクサーを別格たらしめていた脚本がレベル低い。*1ジョン・ラセターが自分を投影していると思われるレミーはよかったが、それ以外のキャラがどいつもこいつも首尾一貫していない。

 グストーの霊はいい味だしてたがフェードアウトしちゃう*2し、女*3も最初の啖呵きるあたりまでは好感持てたが、後半はさっぱり。

 他の厨房スタッフは何のために出てきたって感じだし、ラスボスの評論家だけはなかなかいいキャラしてたのに、最後はなんだよお前は美味しんぼの京極さんかよと。

 特にもう一人の主人公であるリングイニに全く魅力がないのが致命的。途中まで絵に描いたような貴種流離譚*4なのに、実は本当に才能ないとか、どんな理由であれ店潰して終わりとかありえないでしょ。

 こういう結末にするならリングイニはグストーと縁もゆかりもない見習いの方がまだよかったよ。

 そう考えていくとレミーの結末もなんだか中途半端だ。ネズミだって人間だって料理への愛さえあれば違いはないんだよってメッセージならば、ラスボスの批評によってレミーの存在が世間に認められてよかったね! ……という結末にすることが簡単にできたはずだ。

 逆にネズミはネズミだけどそれでいいんだよってメッセージならば、協力してラストバトルを乗り切った後、リングイニ*5は父の店を継いで、レミーはネズミの仲間たち*6に対して、それぞれの世界で一流シェフとして活躍しました。

 ……とかいう終わり方でもよかったはず。このどちらでも私はかなり気に入ったと思う。私が一瞬で思いつくのに脚本を何度も練り直すというピクサーのスタッフの選択肢の中に存在しなかったということはなかろう。

 実際のストーリーはこのどちらも選べたのに、無意味に中途半端な折衷案を選んでしまったような気がしてならない。それとも私が何か読み取り損ねているのだろうか。海外での評価が気になるところだ。

*1:少なくとも私は気に入らない。
*2:それは仕方ないが。
*3:名前が思い出せないが冒頭のショットガン婆さん以外には一人しかいないのでたぶん通じるだろう。
*4:きしゅりゅうりたん・実は高貴な身分である不遇な主人公が簒奪者の奸計を知恵と勇気で跳ね返して正当な地位を取り戻すというパターンのお話のこと。
*5:二人羽織やってる間に生来の才能を開花させていたという設定にして。
*6:都会のエサは口にわねえよとぼやいていたという設定にして。

おまけ

 アニメーション繋がり。

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2006 11/6

ファインディング・ニモ

 お魚映画。ご多分に漏れず公開当時はタイトルを間違っていて「こんなかわいい熱帯魚がバトルなんてアメリカンだなあ」と思っていた。まあこれは正直間違えるなという方が無理だべ。

 さすがに対象年齢が低すぎるのかあまり楽しめず、むしろコメンタリーの方が面白かった。

 もちろんそれは他のピクサー作品と比較しての話で、そんじょそこらのアニメ映画とは比べものにはならないレベルの高さではあるのだけれど。

 これでやっとピクサー映画コンプリートしたかな、と思ったら『トイ・ストーリー2』がまだだった。やったね。

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2006 9/14

ピクサー展画集

 Mr.インクレディブルを観て以来最近ピクサー作品にすっかりまいっている私。

 8月まで六本木ヒルズでやっていたピクサー展に行ったのだが感想を書くのを忘れていた。

 切り絵やラフスケッチをそのまま使っていままでのピクサー作品の世界を表現した10分程度の映像を上映していたのだが、大変素晴らしい。フルCG作品で有名だからといってCGだからすごいわけではないというのがよくわかった。

 絵や粘土細工が大量に展示されていたがどれもこれもとてつもなくうまい。ほんの落書き程度の簡単な絵でさえも非凡なものを感じさせる。アーティストの実力なんだろう。CG技術なんてどうでもいいとまでは言わないが二の次ということか。

 ストーリーに一番の時間をかけているという誰かの言葉がパネルに貼ってあったが、この展示を見たあとなら信じられる。見た目ばかり豪華でストーリーがすかすかな映画もいっぱいあることだし。本当にピクサーはすごいわ。

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2006 8/7

トイ・ストーリー

 これはすごい。フルCGアニメの新境地を開いたと言われるだけあるわ。オモチャという題材のおかげでCGの質感が全くマイナスにならず、逆にいい味になっている。

 もっともその分人間の顔はかなり不気味に感じてしまうが。人間の顔は画面に映さないという手はなかったのだろうか。現に男の子の母親の顔はほとんど画面に出なかった気がするし。

 しかしまいった。そんな細かいところにしか文句の言いようがないぐらい完璧なのだ。ピクサー本当にすごいな。特に脚本に全く外れがないというのはどういうことなんだ。

 ハウルとインクレディブル見比べたときすでに完敗だと思ったが、ゲド戦記(まだ観てないけど)とカーズじゃ勝負にもならないのではないか。大丈夫か日本のアニメ。

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2006 7/30

バグズ・ライフ

 そ、そんなー! いかにもディズニーチックなムシムシコロコロがホノボノなお話しかと思っていたらアリとキリギリス版『七人の侍』だったなんてー! そろそろピクサーはディズニーとは違うというのは分かってきたがそれでもちょっとびっくり。

 キャラクターがやや粘土細工っぽく――クレイアニメっぽくと言うべきか――見えるのはむしろ味があっていい感じとも思えるが、植物・水・火などの自然表現は多少の違和感が残る。

もっともこれは『カーズ』など新しい作品を見て目が肥えてしまっているだけで欠点とは言えないだろうが。未見の『トイ・ストーリー』も近いうちに観よう。

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2006 7/17

Cars

 前作の『Mr.インクレディブル』があまりにも素晴らしすぎたのと、予告編がまったく面白そうに見えなかったのであまり期待していなかったのだがきっちり面白かった。

 私が先天的(?)に車とか列車とかのリアルメカ系にあまり興味がないことを割り引いても十分面白かったので、元から車好きだったりアメリカの風土が好きだったりする人にはたまらんだろう。すげーよピクサー。

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