老化

科学技術哲学

トム・カークウッド『生命の持ち時間は決まっているのか―「使い捨ての体」老化理論が開く希望の地平』

『生と死の自然史―進化を統べる酸素』のための予備知識二冊目。 1.なぜ老いるのか  人間の寿命の信頼できる最高記録は120年とちょっとである。不老不死は今も昔も究極の夢であるが、そもそも生物はなぜ老いるのか? 老化は極めてありふれた現象であるにもかかわらず、実はこの問いに完全な答えは未だ得られていない。  「細胞は常に損傷に晒されているんだからいずれ劣化するのは当たり前じゃないの?」などと言ってみ...
科学技術哲学

対数年齢というものを考えた

人間歳を取ると時間が経つのが早く感じるとよくいう。原因はいろいろあるのだろうが、子供と老人の脳に生理的に極端な差を設ける理由はあまり思いつかないので、心理的な影響が大きいのではないかと思う。  生まれたばかりの子供には、世界は目新しいことばかりで、常に驚きの連続だから、時間が長く感じる。大人や老人には、世界はすでに見慣れたものだから、刺激が少なく、相対的に短く感じるというわけだ。  こういう考え方...