2013 9/19

今こそ知りたい資産運用のセオリー

 最近すっかりファンになった竹中正治先生の小特集。

『今こそ知りたい資産運用のセオリー』★★★★★

 竹中正治著。素晴らしい。内容がまともなのはもちろんだが、アリスのショートストーリーがなんとも言えない味出してる。すごく頭が良くて面白そうな人だ。

『稼ぐ経済学 「黄金の波」に乗る知の技法』★★★★

 竹中正治著。年代的には上のアップデート版のようなもの。上の本と重複する部分もあるが、強くおすすめ。

『なぜ人は市場に踊らされるのか?』★★★

 竹中正治著。上2冊と違い経済一般の話題。しかし投資にも有益。

『ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層』★★★

 竹中正治著。経済学者が文化とか言い出すと変なことになりがちだが、十分まともで面白い。

『素人だから勝てる外貨投資の秘訣―虎の子の退職金、ボーナスを着実に殖やす』★★

 竹中正治著。タイトルがちょっといかがわしいが内容はまとも。これを忠実に守れるなら個人にもFXの利用価値はあるかも。ここから下の為替系にも興味がある人には、まずこれを読むことをおすすめ。

『マネーの動きで読み解く外国為替の実際』★

 国際通貨研究所編集。上のとかぶる部分多し、上のを読んでればあえて重ねる必要は薄いか。

『米国の対外不均衡の真実』★

 竹中正治著。タイトル通りの内容で、やや専門的。投資の参考にはあまりならないかもしれないが、通俗レベルではトンデモが横行する題材なので、ワクチンとしてざっと読んでおいて損はないかも。

『通貨オプション戦略―ディーラーが明かす必勝法』★

 竹中正治著、久保田真著。かなり専門的。さすがに一般個人に活用の機会はあまりないかも。

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2013 5/20

投資家が大切にしたいたった3つの疑問 (ウィザードブックシリーズ)

 ホッテントリメーカーで作ったかのような釣りタイトルにイラッ☆と来そうになったが、先入観に反して内容は極めてよかった。

  1. 実際には間違っているが信じているものは何か
  2. あなたに見抜けて他人に見抜けないものは何か
  3. 私の脳は自分を騙して何をしようとしているのか

 というのが、タイトルの3つの疑問。752ページもの大著だが、大意を2行で要約するとこうか。

 インサイダー取引はもちろん違法であるが、他人が知らなくて自分が知っている何かがないのに市場平均を有意に上回れると考えるのは不合理である。

 そして現在、比較的「自分が正しくて他人が間違っている」状態にしやすいものは、難しいのでプロの学者でもなかなか合意を見ないマクロ経済学と、本能なので知ってはいても容易に改められない行動経済学である。

 ちなみに「PER(株価収益率)という指標は何か不自然じゃないか?」という、私が数年前から漠然と思っていた疑問と(ほぼ)同じことが書いてあって嬉しかった。これについてはまた稿を改める。

参考リンク

おまけ

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2013 5/15

(本文とは無関係)

 完全に一致してはいないけど、寝かせていたネタにほぼ近い内容のページを見つけてしまったので紹介。

 『瓶の妖鬼』は昔、子供版らしきものを読んでかなり印象に残っている。『ジキル博士とハイド氏』のスティーブンソンだけのことはある。この話とは関係なしにおすすめ。

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2013 4/16

億超えトレーダーが絶対に教えたくない アベノミクス株投資の法則 (扶桑社ムック)

 最近RSSに入れてすごいと思っていたかぶ1000氏のブログで知って買ってみた。

 装丁とタイトルからは、読めば読むほどバカになって損する典型的な駄目マネー本にしか見えないが、一定の成功を収めた個人の書いた記事とインタビューで主に構成されているので、今回だけは例外。

 手法も得意分野も様々なので、私が真似できない、あるいはしたくないものも多いが、それも含めて非常に参考になった。

 ひとつ思ったことは、当たり前と言えば当たり前だが、投資に関しても、世に一人として同じ人間はいないってことだ。何でもそうだが、成功しようと思ったら自分の道を作る努力が必要なのだろうな。

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2013 4/9

(本文とは無関係)

 キプロスの預金封鎖のニュースを説明するための思考実験。独自通貨を持つある国の政府が、いま世界に存在するのと同額のお金を発行するとしよう。

 物理的存在としての紙幣に価値はないから、輪転機が回り終わった時点で、2倍の量が存在するようになったこのお金の価値は半分になっていなければならない(100%のインフレ)。

 そして今や全紙幣の半分が政府の手元にあるので、これは事実上、世界中のあらゆるお金の半分を政府が税金として強制徴収したのと同じことである。

 銀行や家庭に兵隊を派遣して、物理的にこれをやろうとすると、とてつもないコストと社会不安を巻き起こすことは必至であり、そうしてもなお、大変不完全かつ非効率にしか目的を達成できないことが確実である。キプロスで起きたことはこちらに近い。

 対して、インフレ税では、偏屈な資産家が山に埋めたまま死んでしまい、いまや人類の誰も知らないお金にまでも、魔法の手を伸ばしてきっちり課税したのと、結果的に同じ効果をもたらす。日本で起きたことはこちらに近い。

 金融緩和というのは大雑把に言えば「お金を大量に刷ります」ということ*1であり、これによって円は安くなり、インフレを通じて国の債務は相対的に軽くなる。

 2012年末からの20%程度の円安は、世界規模で見れば、日本円の預金者がみんな預金封鎖されて20%程度が税金として徴収されたのとそう変わらないはずだ。しかし社会的混乱は、少なくともキプロスのようなそれは、起きていない。

 キプロスも独自通貨でさえあれば、同じことができたはずなのだ。この差がクルーグマンとかがよく言っているユーロ(≒独自通貨を持たないこと)の問題点だ。理論としては前から知っていたはずなのだが、こうして実例で考えるとよくわかる気がする。

*1:ひどく単純化していることは承知の上で言っている。リフレ政策自体には賛成だ。

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2013 3/29

ロボコップ (2枚組) [DVD]

 マクドナルドの株主優待券が届いた。なぜ周りの人が代金を払っている中、私はマクドナルドでただで食べることができるのか? 本質的な部分だけ言えば、私の店だからだ。

 私が生まれて初めて株式というものを意識したのは、ポール・バーホーベンの秀逸SF風刺映画『ロボコップ』における、

  • 「市政に文句があるならオムニ社の株を買えばいい。誰でも市の所有者になれる」

 というようなセリフであったと思う。

 株式というのは分割された会社の所有権であり、会社は株主のものだ。それが定義だ。それを踏まえた上でそれ以上の話はできるし、すべきだが、それ以外の答えはない。

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2013 3/25

東プレ NG01B0 REALFORCE91UBK

 以前、投資関連の本を読んでいる時に、

 どんな良い資産でも高値で買ってしまえば悪い資産だし、大したことのない資産でも安値で買えれば良い資産だ。

 というような話が出てきた。

 確かにそうだ。ものが高いか安いかというのは相対的な問題だ。「それは何に対してか?」を考えずに言っても意味がない。

 つまり額面上の金額は高くても、使用頻度が非常に高ければ、結果的に安い場合がある。

 この代表はRealforce。2万円するキーボードとか、最初は正気の沙汰とは思えなかったが、今ではメチャクチャ安いと感じる。7年使っても全く衰えを感じない。

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2013 2/19

思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

 こういう本は経済関係の勉強をしていると嫌でも眼に入ってくるので少し読んだが、正直あまりにもオカルト過ぎて引く。

 適度にオカルト的に生きている方が、実際に経済的成功に結びつく可能性は否定せんが。

 「思考は現実化する」ではなく「考えもしないことは実現しない」ぐらいに言い換えれば、現実的な正しい教訓になりうるかもしれない。

 地震や台風は自然現象だから、誰も考えなくても起きる時は起きる。交通事故は自然現象とは言えないが、やはり予想していなくても起きる時は起きる。

 だが大体、こういう本で話題になるような意味での社会的現象は、考えもしないのに起きることはない。

 飛行機のパイロットになりたいと考えたこともないのに、いつの間にかなっていたとか、マイホームを買おうと思ったこともないのに、いつの間にか買っていたとかいう人はいないだろう。

 だからまず何よりも見聞を広げて自分で考えることが重要なのだ。

 ……自分で言っといてアレだが、面白くもなんともない教訓だな。もし本にしても全く売れないだろう。人は都合のいい夢が見たいのであって、現実的な正しい教訓など求めていないのだということか。

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