科学技術哲学 フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈下〉』 上巻に続いて下巻から、クリーンエネルギー関連の話題。 短絡的な善悪二分法は害悪であり、短いスパンの現実と長いスパンの理想は両立しうるし、させねばならない。 今日の状況の参考にすべき部分は多いと思われる。 21 銀河系の緑化 なぜわれわれは、グレーは悪でグリーンは善だと単純に言うべきではないのか? グリーンな技術を奉じグレーなあらゆるものを禁ずることによって救済への近道をとろうとすべきではない... 2011.4.2 科学技術哲学
科学技術哲学 フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈上〉』 星新一とフリーマン・ダイソンは、いつ読み返しても何かしら新しい発見がある。 停電ネタで星新一を続けてやったので、今度はダイソンの自伝『宇宙をかき乱すべきか』の上下巻からそれぞれ一箇所ずつ抜粋する。まず上巻から原発についての話題を。 要約すると、巨大さそのものがひとつの失敗だという意見だ。『多様化世界』の中の「迅速を尊ぶ」の章にも近い意見がある。 ちなみに、1979年の本なので、福島原発事故は... 2011.4.1 科学技術哲学
文化芸術宗教 バート・D. アーマン『破綻した神キリスト』 『捏造された聖書』の著者の本。こちらはそこまで面白くはなかった。極東ブログの書評が非常に詳しく、私もほぼ同意できるのであまり書く事がない。 ヨブ記がどんな話かとか黙示思想がどんなものかとかをあまり知らない人の方がむしろ新鮮で面白いかもしれない。黙示思想は今でもこんな形で現れたりするものだし、知っておいて損はないと思う。 ただ、これに関連して『多様化世界』の記事で予告していたフリーマン・ダイソン... 2008.12.22 文化芸術宗教
科学技術哲学 フリーマン・ダイソン『多様化世界―生命と技術と政治』 『ガイアの素顔』をきっかけにフリーマン・ダイソンを読み直していたのだが、何年かぶりに読み返したこの『多様化世界』はやはりすごい。 ソ連崩壊などで古くなった――もっとも初めて読んだときにもすでにソ連は崩壊してたが――部分はもちろんあるが、少々の古さなどものともさせないパワーがある。私の価値観形成にもかなり影響を与えている重要な本である。 今後何かの機会に引用したくなりそうな部分も結構あるし、何よ... 2007.12.30 科学技術哲学
科学技術哲学 フリーマン・ダイソン『ガイアの素顔―科学・人類・宇宙をめぐる29章』 フリーマン・ダイソンは「ガイア」を語ってもアホに聞こえない稀なる人間。 個人的に、日本で紹介されるときよく「ダイソン球で有名な〜」とか付け加えられるのがいまいち気にくわない。あれは本人も言っているように『スターメイカー』が出典でダイソンのアイデアなわけじゃなく、別にSFに関係なく単純に現代最高の知性の1人なのに。 恥ずかしながら、今回英語版のWikipediaでテンプルトン賞を受賞しているとい... 2007.12.4 科学技術哲学