人間

科学技術哲学

スタンレー・ミルグラム『服従の心理』

よく教科書にも載ってる有名なミルグラム実験の本。スタンレー・ミルグラムはスモール・ワールドの概念の先駆者としても有名。  一応、旧版で読んだような記憶はあるが、 「服従の心理」はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる  で、山形浩生氏の批判というのに興味を持った。  確かに、山形氏の批判は、どれもいいところを突いていると思う。この実験の今日的な解釈として同意できる部分が多い。...
星新一の夢世界

星新一『趣味』

iPhoneを買って新聞をやめてしまった件で思い出した。  愛する夫のイメージに合わせて家具をいろいろあつらえていたインテリアコーディネートが趣味の妻。ある日、非常に高価な絵を贈られるが家の雰囲気に合わなくて困る。  捨てるわけにもいかないので、しかたなく絵に合わせて額縁を変え、壁紙を変え、家具を入れ替えていく。そしてある日、弁護士に電話して「どうしても夫を取り替えなければならないの!」  ……と...
科学技術哲学

フェリペ・フェルナンデス=アルメスト『人間の境界はどこにあるのだろう?』

詳しくはshorebirdさんのところを参照してほしいのだが、私も長谷川眞理子先生訳と書いてなければ手に取らなかったような気がする。内容的にも訳者あとがきのところが一番有益だったような。  どうも『ゲノムと聖書』に似たような「西洋思想の枠組みからは絶対に出ないぞ!」というマイナスの決意みたいなものがちょっと鼻に付く。  『ゲノムと聖書』同様に、最初からキリスト教と西洋思想の伝統にしがらみがない人に...