大駒誠一『コンピュータ開発史―歴史の誤りをただす「最初の計算機」をたずねる旅』

コンピュータ開発史―歴史の誤りをただす「最初の計算機」をたずねる旅

 図書館で借りたがこれはなかなかいい本だ。古代のそろばんから、元祖“バグ”、コロッサスやENIACまで計算機とそれに関わる人・文物の歴史が写真入りでまるで図鑑のように。

 面白いけど7000円もするから普通だったら買えないな。図書館のありがたさよ。

 副題に「歴史の誤りをただす」とある。確かに私もコンピュータの歴史には結構興味があるつもりだったが、全然知らなかったり間違って憶えていることも多かった。

 私が中高生の頃は確かに最初のコンピューターはENIACと何かに書いてあった気がする。研究が進んだのか。備忘のために巻末の一覧表をメモっとこう。

計算機の最初

計算機 完成時期 作製者 備考
ネピアの骨 1600年ごろ ジョン・ネピア 最初の乗算の道具
シッカートの計算機 1623年 ウィルヘルム・シッカート 最初に歯車を使った計算機
ライプニッツの計算機 1700年ごろ ゴットフリード・ライプニッツ 最初に乗除算ができた計算機
階差機関 1830年ごろ未完成 チャールズ・バベッジ 最初の出力機構を持つ計算機
解析機関 1870年ごろ作成されず チャールズ・バベッジ 最初にプログラムを導入した計算機
Z1, Z3 1938年(Z1), 1941年(Z3) コンラッド・ツーゼ 最初のプログラマブル計算機
ABCマシン 1942年未完成 ジョン・アタナソフ 最初に電子的にデジタルに計算できた計算機
コロッサス 1943年12月 チューリング、フラワーズ 最初に大掛かりに真空管を使った機械
ハーバード・マーク1(ASCC) 1944年8月 ホワード・エイケン 最初に実用になったプログラマブル計算機
ENIAC 1946年2月 ジョン・モークリ、ジョン・エッカート 最初に実用になった電子式デジタル計算機
SSEM(Baby) 1948年6月 フレデリック・ウィリアムズ、トム・キルバーン 最初に動いたフォン・ノイマン型コンピュータ
EDSAC 1949年5月 モーリス・ウィルクス 最初に実用になったフォン・ノイマン型コンピュータ
EDVAC 1951年12月 ジョン・モークリ、ジョン・エッカート(設計だけ) 最初にフォン・ノイマン型を提唱したコンピュータ

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