【第14回】 【目次】 【第16回】
脳内時間旅行に出る前にオープニングクイズだ。
いわゆる反捕鯨国の中でも強硬とされる国々、たとえば環境保護団体が過激なパフォーマンスをしたり*1、メディアまでその尻馬に乗ってたり、どう見ても関係ないような地位の政治家が口を出したりする*2国を並べてみる。
ぐらいかな? 並べてみてどう思う? 一見関係ないと思えるところに共通点があるのわかるかな? 続きを読む前に自分で考えてみてね。
前回までで答えは半分まで言ったも同然だから簡単だったでしょ? 実は一番過激な反捕鯨感情の分布はプロテスタントの分布とかなりよく一致するんだ。偶然だと思う? 私がそうなるように並べただけだと思う?*3
では、シーシェパードのような最も過激な反捕鯨の精神を理解するために歴史をさかのぼろう。
最近、この目的のために書かれたとしか思えないような素晴らしい本が出た。私が最初に使おうと考えていた本とも違う*4が、こちらの方がぴったりであるので入れ替えた。
まず前書きの部分が、そもそも歴史や文化を相対的に見る意味の説明としても、全体の要約としても素晴らしいのでよく読んでくれ。今までも何度か強調してきたような、このシリーズを通して最後までずっと重要な視点がうまくまとまっているから。
*1:つまりそれで寄付金を出す気になってくれるような熱心な市民がある程度いるってことだ。
*2:つまりそれで投票してくれるような選挙民がある程度の人数いるってことだ。
*3:当たり前だがこういう場合は最初にそれを疑ってくださいよ?
*4:第1刷は2007年7月20日でこのシリーズの開始よりも後だ。
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おまけ
キリスト教繋がり。
コメント
>名無しさん
ブラジルでしょ。そうですよ。なぜだかわかります?
南米のカトリック大国も反捕鯨陣営強硬派ですね。
勇ましき魚
実を言うと私は反捕鯨派である。それも科学的根拠に基づいて、というわけじゃなくて心情的なもの。なんてことを書くとものすごく叩かれそ…
柔道の要諦は相手の重心をコントロールすることにあり、戦略においてもそれは同様。
そして相手を理解するとは、重心を探すということと同義だと考えます。
その意味で大変興味深い記事でした。続きを楽しみにしています。
あーごめん。真面目な疑問なのにちょっと冷たかったかな。
キリスト教では人はパンのみに生きるにあらずなんて言いますが、
そんなこと言ってても人間は現金なものなのでパンの方が優先されます。
ノルウェーやアイスランドみたいに捕鯨に需要があった土地では
昔から普通に獲ってました。だからそれが文化になりました。
知っての通り鯨油が経済的に利益があった時期には、
ずっと捕鯨なんかしてなかった国も獲りまくってました。
今回と次回のポイントは信条の違いでシーシェパードのような
過激行為に走る行動パターンは宗教に由来している、ということです。
別にプロテスタントの教義にクジラを喰ってはいけないというものが
あったとかあるとかいうわけではないです。
今回読んでわからなければ次回読んでもわからないと思います。マジメに答えると、仮に英雄は色を好むというのが正しくても色を好むものが英雄とは限らないというのと同じ。
質問です。
ノルウェーとアイスランドはルター派のキリスト教、カナダはローマ・カトリックが43%、プロテスタントが29%、その他12%(2001年時点)(wikiより)ですが、捕鯨国?だと思うのですが。
次回以降の話なのかもしれませんが、プロテスタントが反捕鯨につながるという場合、上記の国はどうして捕鯨国なのか教えてください。