進化

科学技術哲学

マイケル・S・ガザニガ『人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線』

これはかなりおすすめ。タイトルそのものの内容に興味がある人すべてに。 本編だけで500ページ以上ある、すごい大著だけど、これでもかというぐらい様々な内容が次から次へ出てくるので飽きない。 関連書籍に並べた本のような多様な分野の研究に言及されるので、最初の1冊としてもベストじゃないかと思う。 つまり、まずここから読み始めて気になった参考文献を辿っていくという使い方にもってこい。関連書籍おまけ【ニコニ...
政治経済社会

ダン・ガードナー『リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理』

我々が恐れなければならない唯一のものは、恐怖そのものである。(フランクリン・ルーズベルト) ルーズベルト大統領はともかく、この言葉は好きだったのに、しばらく積んでたのを後悔。これは素晴らしい。超いい。『詐欺とペテンの大百科』『表現の自由を脅すもの』 と並んで、一家に一冊配布を義務づけたいレベル。進化心理学本メディアリテラシー本科学リテラシー本社会問題リテラシー本 いずれの視点から見ても最高クラス。...
科学技術哲学

みんな進化論を絶対視しすぎじゃないかな

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』 元より長くなってしまったが、上記エントリに対する補足。 はてなブックマークのコメントなどで、あまり予想していなかった反応がいくつかあった。そのほとんどは「ちょうど進化論以前の生物分類学のようなものになる」という部分を、過度に否定的な意味に受け取った結果と思われる。 進化論ほど広く受容され使用されている理論には、権威...
おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2010年5月版

最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『「標準模型」の宇宙 現代物理の金字塔を楽しむ』★ ブルース・シューム著。ゲージ理論とか真面目に解説している一般書って貴重なのではないかと。エ...
科学技術哲学

ネクトカリスはイカだった!?

Nectocaris: mystery fossil was actually a 500-million-year-old squid relative | Not Exactly Rocket Science | Discover Magazine バージェス動物群について久々に面白いニュースが。ハルキゲニアの上下逆転以来の衝撃かもしれん。 摩訶不思議と思われていた化石が徐々に既知の分類に収ま...
科学技術哲学

空飛ぶスパゲッティモンスター

うろおぼえだが、昔読んだユダヤジョークの本に、確かこういう話があった。(強制収容所にて)看守「ドイツ*1をダメにしやがったのは誰だ!」囚人「はい! ケーキ屋とユダヤ人です!」看守「……なんでケーキ屋なんだ?」囚人「……なんでユダヤ人なんです?」 世の中にはしばしば、何かがないことの証明が不可能だということ*2に依拠する一見もっともらしい主張があって、倫理的にもろくでもないことが多い。 ほとんどの宗...
科学技術哲学

テンプル・グランディン『動物感覚―アニマル・マインドを読み解く』

「動物福祉」にたずさわる「自閉症」の「女性」の「共著」。……何このスピリチュアルアンテナにビンビンくるキーワードの羅列!「おお、彼女こそ動物たちと魂の触れ合いができる天使のようなピュアな心の持ち主! 環境ホルモンまみれのマクドとかむさぼり喰ってる愚民ども今すぐ有機野菜買わないと地獄に堕ちるぞ!」 みたいな内容だったらどうしようと警戒しながら読み始めたので、意外にも大変まともな内容でものすごく得した...
政治経済社会

グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史 』

10万年の世界経済史 - 情報の海の漂流者 で知って、面白そうだと思って借りてきた。なかなか面白かった。以下は私の超要約。1800年ぐらいまでの地球の標準的な人類は、1人あたりで見ると、狩猟採集生活をしていた新石器時代と比べて、有意に豊かになっていたとは言えない。ずっと生存スレスレだった。その理由は、技術の緩やかな進歩などによる資源増加は人口の増加で、気候変動や疫病による不作などによる資源減少は人...