星新一の夢世界 星新一『囚人』 ボンボンと悪夢 (新潮文庫)より。 ある刑務所。そこにいる囚人は彼たった一人。しかも牢の鍵は自分が持っている。 「まったく変なことになったものだ。犯罪者でもないおれが、刑務所のなかにいる。そして、きみたちは脱獄の邪魔をしないばかりか、内心ではしてくれるよう祈っている。しかし、おれは出ていかない。なれてはきたものの、時たま考えるとおかしくなってくる」 塀の外では飢えて絶望した群衆が集まって「囚人... 2008.11.26 星新一の夢世界
政治経済社会 心は傷つけてなんぼ というのは私の座右の銘のひとつ。例によって例の如く『表現の自由を脅かすもの』から関係ありそうなところを引用。 それにしてもこの本も入手困難になってるみたいだな。『人間の測りまちがい』もそうだけど最近人に薦めたいよい本ほど入手困難になっている。 最近進行している事柄の中にあるのは、人々の感情を害したくない、あるいは少なくとも社会的烙印を押されると特に傷つきやすいと見られるような人々の感情を害した... 2007.11.15 政治経済社会
科学技術哲学 金庫破りをしないファインマンはありうるか? 天才と○チガイは紙一重のテーマをもうちょっと追及する。 紙一重であることは認めるとして、紙一重である必要はあるんだろうか? つまり、金庫破りで上司を困らせないリチャード・ファインマン、今日にもソ連を核攻撃しろと言わないジョン・フォン・ノイマン、人なつこいクルト・ゲーデル、女性にモテモテ王国のアイザック・ニュートンは存在しうるんだろうか? ある意味ではこの質問に対する答えは明白だ。実際に人格的に... 2007.10.21 科学技術哲学
星新一の夢世界 星新一『ある戦い』 妖精配給会社 (新潮文庫) 太陽系外からの突然の侵略軍に敗北寸前の地球。敵ミサイルの攻撃になすすべもない司令官と部下たちの部屋に、長く地面に埋まっていたとおぼしき古びた金属筒入りの古文書が飛び込んできた。 「……勝つか負けるかの場合には、体当たりの精神以外に、勝利への道はない。爆弾もろとも敵にぶつかる。一機をもって一艦を葬るのである……」 司令官は直ちに命令を下し、争って志願した部下たちは見事... 2007.9.12 星新一の夢世界
科学技術哲学 豚肉とコーラと倫理の究極の問題 医学都市伝説: 豚肉+コーラで寄生虫がゴロゴロ? イスラム教で豚肉が禁じられているのは有名だが、世界には大なり小なり様々な食のタブーがある。 歴史上もっとも食のタブーが少ないと言っても過言ではない現代の日本ではこれらのタブーは非常に奇異に感じるであろう。事実、こうした話題になるとネットではよく「何の根拠もないのに『神の思し召しだから』とか言ってタブーを守るなんて狂っている」という類の主張が見ら... 2007.3.16 科学技術哲学