情報

科学技術哲学

面積重要

およそ意味のある現象は、常に何かと何かの境界で発生する。  人体は大雑把に言って複雑に折りたたまれた内臓表面であり、それらを構成する細胞は大雑把に言って折りたたまれた膜(表面)の塊だ。  脳みそに皺が寄っているのも、肺が肺胞に分かれているのも、小腸が絨毛でびっしりなのも、全ては表面積を増やすためだ。  パソコン環境の生産性を上げるには、CPUやHDDの能力を上げるより、モニタの面積を増やした方がし...
WEB情報通信

「超」整理法的デスクトップ管理兼バックアップ術

ちょっと思い立ってライフハック系記事。デスクトップがファイル・フォルダだらけにならないように、自分の実践している方法を紹介。  基本となる発想は有名な「超」整理法であって、 最近使ったものはまた使う確率が高い 人間は時系列についてはわりとよく記憶している  という、そう簡単に変わらないであろう事実に依存する。  具体的には、 C:\backup\2012\02\04  のようなパスを持つ「その日の...
科学技術哲学

ウィリアム・パウンドストーン『ライフゲイムの宇宙』

情報をエネルギーに変換することに成功! - プレスリリース - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部  以前から何度か言及しておすすめしていたが、上のニュースに便乗して改めて単独でオススメしておこう。  原題"The Recursive Universe"(『再帰的な宇宙』) 『囚人のジレンマ』と並んで作者の最高作と思う。  ライフゲームの話だけでも十分すぎるほど面白いけど、情報理論・熱力学・宇宙...
政治経済社会

手嶋龍一 佐藤優『インテリジェンス 武器なき戦争』

正直あんまり面白いとは思わなかったけど、 「永田メールにコロっと引っかかった前原誠司は今後二度と外交などのインテリジェンス活動に関わるべきではない」(要約)  とかいうようなことが書いてあって予見的だったので一応紹介。 参考リンク 前原誠司はこんな人・インテリジェンスのない男〜「インテリジェンス・武器なき戦争」より: 本のセンセのブログ おまけ  おお、こわいこわい。 【ニコニコ動画】スプラッター...
科学技術哲学

レオナルド・サスキンド『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い』

スーパーロボット大戦とか宇宙戦艦ヤマトとか、そっち方面を連想しそうなタイトルだが、真面目な話。著者は『宇宙のランドスケープ』と同じレオナルド・サスキンド。  これらの単位(プランクの長さ、時間、質量)には驚くべき意味がある。それらは、存在可能ないちばん小さいブラックホールのサイズ、半減期、質量なのだ。  という記述を読んで何か反応する人には是非おすすめ。スティーヴン・ホーキングとの論争の意味だけで...
科学技術哲学

セス・ロイド『宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?』

宇宙は常に時代精神の最先端を走るイメージでたとえられます。  大昔は宇宙は大きな卵だったり、亀の背中に乗ってたりしました。中世ではもちろん宇宙は神でした。科学が勃興すると宇宙は時計仕掛けの機械だと言われたこともあります。コンピューターが発達した頃は宇宙はコンピューターだと言われ、複雑系ブームの頃は宇宙はカオスの渦だと言われました。  そして現在。いよいよ量子コンピューターが現実味を帯びてきたので、...
科学技術哲学

チャールズ・サイフェ『宇宙を復号する―量子情報理論が解読する、宇宙という驚くべき暗号』

考え出された当初は予想もしなかった物事にまで応用されるというのは理論の価値の最高の証明であるが、その点でクロード・シャノンの情報理論は比類ないものであろう。  熱力学・生化学・宇宙論・量子力学・相対性理論などを情報理論との関連という切り口からまとめた良書。若干求められている前提知識が高めな気がするがかなりおすすめ。 科学なニュースとニュースの科学:この本読んだ? 2007年注目の科学ノンフィクショ...
科学技術哲学

サイモン・シン『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』

題名通り暗号の古今東西を扱った本。著者は以前紹介した『フェルマーの最終定理』のサイモン・シン。  フェルマーの最終定理ほどではなかったがやはり最高に面白かった。暗号について何か一冊だけということなら迷わずこれを薦めることになるだろう。  特に公開鍵暗号の技術はインターネットを利用している人の多くがそれと意識することなく日常的にお世話になっているはずであるし、知っておいて損はない分野である。  それ...