文化

文化芸術宗教

土居健郎『「甘え」の構造』

英語には日本語の「甘える」に相当する言葉がない、という話から始まる日本論。Wikipediaにも項があるようなベストセラーだったそうだが最近まで知らなかった。私にはやはりこれは日本論というより裏返しの一神教論として読めてしまう。  たとえば浄土真宗では他力本願といって、自己の力で悟りを開いて成仏するなどという考え方は捨てて、ただ阿弥陀如来の力にすがるべし、というようなことを強調するわけだが、思えば...
科学技術哲学

アルフレッド・W・クロスビー『数量化革命 ヨーロッパ覇権をもたらした世界観の誕生』

『飛び道具の人類史』が面白かったので、アルフレッド・クロスビーつながりで借りてきた。  中世のヨーロッパは全てが宗教一色に塗り固められていて文明はむしろイスラム圏や中国より劣っており、近代の繁栄が始まったのはギリシア文明のルネッサンスから、というのは中学校でも習う話だが、それを“数量化”という観点からまとめた本。訳者あとがきより。  世界を理解する枠組みが、従来のような定性的で目的論的なものから、...
文化芸術宗教

松岡正剛『日本という方法―おもかげ・うつろいの文化』

なんかものすっごい微妙な本。何とも説明しづらい感覚なのだが、これを読んで「感動した!」って人間とはあまり趣味が合わなさそうと思う反面、これに書いてあるようなことを「全然興味もありません。」って人間ともあまり趣味が合わなさそうな感じ。  よって、一目で「面白そう」と思った人には「必ずしも読まなくてもいいです」と言い、一目で「全然食指が動かない」という人には「まあそう言わずに読んでみて」というぐらいの...
文化芸術宗教

井筒俊彦『イスラーム文化 その根柢にあるもの』

最近ちょっとシーア派とスーフィズムの位置づけについて確認したいことがあって再読。  真面目なのとコミカルなのという位置づけで、下の阿刀田高のとセットで読むとちょうどいいか。あとは昔読んでいいと思ったこれとか。 参考リンク イスラーム文化 その根柢にあるもの - 情報考学 Passion For The Future おまけ  これはドバい。 【ニコニコ動画】沸騰都市 01 「ドバイ 砂漠にわき出た...
文化芸術宗教

ジョウ・シュン フランチェスカ・タロッコ『カラオケ化する世界』

カラオケなんか昔から世界中にあるもののような気がするが、本当はまだ30年やそこらしか経っていないとか。  日本で発明されたものだということは、特許取ってなかったのはもったいないとかなんとかいう話として、おぼろげに知っていたが。  あっという間に世界中ありとあらゆる場所に様々な形で取り入れられたカラオケ。これこそ真のグローバリズムか。  途中で「カラオケの本なのか売春の本なのかどっちやねん」と突っ込...
政治経済社会

『鳩山法相の死生観』を真剣に読めば死刑問題がわかる その2

永世名人 羽生新名人。勝利 目前、極限までの緊張と集中力 からか、駒を持つ手が震え出す 凄み。またの名、将棋の神様。   × ×  永世死刑執行人 鳩山法相。 「自信と責任」に胸を張り、2 カ月間隔でゴーサイン出して新 記録達成。またの名、死に神。   × ×  永世官製談合人 品川局長。 官僚の、税金による、天下りの ためのを繰り返して出世栄達。 またの名、国民軽侮の疫病神。 (6/18 朝日新...
政治経済社会

『鳩山法相の死生観』を真剣に読めば死刑問題がわかる その1

予習用資料と前置き 死刑 - Wikipedia 死刑存廃問題 - Wikipedia 特集ワイド:死刑執行13人 鳩山法相の死生観 - 毎日jp(毎日新聞)  宮崎勤の死刑執行や朝日新聞の死に神コラムをきっかけに再燃している死刑問題。ガイア教シリーズの途中なので、これに中途半端に触れると「なんでも宗教で片づけようとすんなよ」とか誤読されるのが嫌で黙っていようと思ったのだが、そうもいかない気がして...
文化芸術宗教

トンパ文字

??????? - トンパ文字の衝撃  タイのクーデターの時に発見して最近読んでいるブログ*1より。  まずリンク先と、そのまた先のWikipediaを見に行って欲しい。この文字だと私の名前は右上の画像のようになるらしい。ホントか?(笑)。面白いな。  最後の「生きている」象形文字らしいが、このような文化的なものは絶滅すると二度と取り戻せないものだから、わずかでも生き残って欲しいところだ。  文化...