文化

おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2016年10月版

『ダンジョン飯』★★★ 九井諒子著。3巻。まだまだ面白い。『ナナのリテラシー』★ 鈴木みそ著。Kindle Unlimitedで鈴木みそのがいっぱいあったのでいくつか読んだが、薦められるのはこれだけかな。時事的なのですでにちょっと話題は古いが。ガチャ関係でたまに見る「脳内麻薬で留めることが大事だ」のページの元ネタってこれだったのね。『カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する 』★★★ エレツ...
おすすめ書評まとめ

竹中正治小特集

最近すっかりファンになった竹中正治先生の小特集。竹中正治ホームページMasaharu TakenakaAmazon.co.jp: Max-Tさんのプロフィール竹中正治の記事一覧 - BLOGOS(ブロゴス)『今こそ知りたい資産運用のセオリー』★★★★★ 竹中正治著。素晴らしい。内容がまともなのはもちろんだが、アリスのショートストーリーがなんとも言えない味出してる。すごく頭が良くて面白そうな人だ。『...
文化芸術宗教

教皇庁文化評議会/教皇庁諸宗教対話評議会『ニューエイジについてのキリスト教的考察』

ニューエイジについてのキリスト教的考察(公式) ニューエイジが日本人にとって極めて理解しにくい理由は、それが基本的に西洋思想、とりわけキリスト教と近代科学に対するアンチテーゼだからだ。 ある程度まで当たり前で、仕方のないことだが、日本人はキリスト教についてよく知らない。*1「○○」をろくに知らないのに「○○への反発」を正確に理解できるはずがない。 そこを上手いこと補うために推薦できるいい本がないか...
政治経済社会

歴史の振り子と螺旋階段

政治や文化の歴史は、振り子のように左右に振れるというが、この人口に膾炙したイメージは、いささか単純すぎると思う。 歴史は一度きりの現象で、決して繰り返したりはしない。もちろん、歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む。The past does not repeat itself, but it rhymes.(マーク・トウェイン - Wikiquote) という言葉がすでにあるが、振り子という...
政治経済社会

女性器切除か女子割礼か

エドワード・オズボーン・ウィルソン『知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合』長谷川寿一 長谷川真理子『進化と人間行動』ドナルド・E・ブラウン『ヒューマン・ユニヴァーサルズ―文化相対主義から普遍性の認識へ』 ここしばらくヒューマン・ユニバーサルの話題を並べていたのは何故かというと、ちょっと前*1に見かけた一連の女性器切除の話題に関して、一言だけ触れておきたいと思ったから。女性器切除ちょっと待って、「...
文化芸術宗教

ヘロドトス『歴史』

歴史 (ヘロドトス) - Wikipedia 有名すぎる本だけど、このエピソードがなんか無性に好き。 プサンメティコスはいろいろ詮索してみたが、人類最古の民族を知る手段を発見できず、とうとう次のような方法を案出した。生れ立ての赤子を全く手当り次第に二人選び出し、それを一人の羊飼にわたして羊の群と一緒に育てるように言いつけ、その際子供の前では一言も言葉を話してはならぬ、子供はほかに人のいない小屋に二...
科学技術哲学

長谷川寿一 長谷川真理子『進化と人間行動』

これも読んだのはかなり前だが、下の部分をメモするための再読。 ついでにおすすめすると、この話題に関する教科書として素晴らしい最高の出来。 想定されているのは大学の教養課程での使用だと思うが、わかりやすさも重視されているので高校生・中学生でも十分読めると思う。マーガレッ卜・ミードの神話 文化が変われば何でも変わる, したがって固定された「人間の本性」など存在しない, という考えの証拠としてあげられた...
政治経済社会

リチャード・E. ニスベット ドヴ・コーエン『名誉と暴力―アメリカ南部の文化と心理』

『みんなの進化論』で言及されていて面白そうだったので読んだ。以下は超要約。 アメリカ南部の文化が、端的に言ってマッチョ的だというイメージは広く知られている。しかし、南部人は単に何に関しても暴力的というわけではない。自分自身や女性親族の「名誉」を守るという文脈で、特に暴力を許容する傾向がある。 よく言われてきた「奴隷制のせいで良心が摩滅しちまったんだよ」という類の説明は、「社会制度が暴力肯定を助長す...