星新一

星新一の夢世界

星新一『ある戦い』

妖精配給会社 (新潮文庫)  太陽系外からの突然の侵略軍に敗北寸前の地球。敵ミサイルの攻撃になすすべもない司令官と部下たちの部屋に、長く地面に埋まっていたとおぼしき古びた金属筒入りの古文書が飛び込んできた。 「……勝つか負けるかの場合には、体当たりの精神以外に、勝利への道はない。爆弾もろとも敵にぶつかる。一機をもって一艦を葬るのである……」  司令官は直ちに命令を下し、争って志願した部下たちは見事...
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星新一『おみやげ』

原始の地球に降り立ったフロル星人は、やがて進化するであろう地球人のために 簡単に宇宙を飛び回れるロケットの設計図 あらゆる病気を治し、若返ることのできる薬の作り方 皆が平和に暮らすにはどうしたらいいかを書いた本  等をカプセルに詰め「おみやげ」として砂漠に残していった。しかし進化した人類はその砂漠で核実験を行ったため「おみやげ」はそれと知られることなく灰になってしまった。  教科書に載ったことで有...
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最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』

さて次の企画は - ショートショートの神様、星新一の知られざる生涯  ここ見て読んだが面白かった。最近「生活維持省」の検索ワードでやってくる人が多くなってたのは、たぶんこのエントリでも紹介されている新聞記事のせいだったんだな。
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信仰と懐疑の本質を描く 星新一『殉教』

死後の世界と交信できるテレビが発明された。  すでに亡くなった親類縁者・友人達が言うには、死後の世界は無条件にあらゆる苦悩から解放される楽園であるらしい。  それを信じて自殺した人もすぐにテレビの向こう側に現れ「こんなことならもっと早く死ねばよかった。君らも早く来い」「死刑など即刻廃止し少しでも長生きさせる刑に改正すべきだ」などと口々に語り始める。  かくて大半の人間が自殺をとげ、廃墟となった町で...
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Google Adsenseのおかしさを予言した『無料の電話機』

(新)モララーのビデオ棚  『声の網』や『ナンバー・クラブ』がネット社会を予言した形になっているという話を前に書いたが、この『無料の電話機』はたまに語句に対して文脈を取り違えて広告を出してしまうAdsenseの面白さを先取りしているような気がする。
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スパムとフィルタと『肩の上の秘書』

私用のメールアドレスをgmailにするようになってからスパムメールを見ることがめっきり減った。  gmailのスパム排除率は恐ろしいばかりであり、あれほどうっとおしかったスパムメールがもはや「はははは! 来るならいくらでも来やがれ飛んで火に入る夏の虫め!」と、むしろ快感に感じるほどである。  しかし今回センスオブワンダーを感じたのはスパムフィルタそのものの凄さではない。  スパムメールというものは...
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Googleのサーバクラスタが神になるお話 星新一『声の網』

Where Google may be headed: Google is God - Jan. 25, 2006  を読んで思い出したお話。  全世界のコンピュータに果てしなく蓄積される情報・情報・情報の海の中でついに自我が芽生える。コンピュータは合成音声で人に電話をかけてみて『声』で人を動かすことができることを知る。自らの中に人間が蓄えたごくつまらないプライバシーを使ってちょいと脅しをかければ...
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『生活維持省』未来形の楽園追放の物語

星新一『生活維持省』を読んでその主題を50字以内でまとめよ。の続きです。  どんどん記事を流してしまったからか、解答数1つになりましたけど、一番興味があった内容がちょうど聞けたので良かったです。鴉さん協力ありがとうございました。  ネタバレがあるので『生活維持省』未読の方は必ず先に前の記事にあたることをおすすめします。  さてここから本題。 鴉さんの解答 「生存競争や戦争の全くない平和な世界にしよ...