科学技術哲学 充分に発達した科学技術が魔法と見分けが付かなくなることはもうない 星新一の『おみやげ』を枕にして言いたかったのは、歴史の変曲点の話の続きである。 一つ空想してみよう。この灰になってしまった「おみやげ」について私たちは何が言えるだろうか? 私は「簡単に宇宙を飛び回れるロケットの設計図」に何が書いてあったかは全く想像もつかない。そんなものが存在しえたかどうかも疑わしいと思われる。*1 ただし、想像もつかないとは言っても、少なくとも光速を越えることはできなかったであろ... 2007.8.15 科学技術哲学
科学技術哲学 コンラート・ローレンツとナチス・ドイツ このエントリでローレンツの生きていた時代を適当に「この時代」と書いたが、「この時代」とは思いっきり大雑把に言えばナチスの時代でもある。 我々が今日持っている人類文化、芸術、科学および技術の成果はほとんど専らアーリア人種が創造したものである。アーリア人種は人類のプロメテウスであって、その輝く額からいかなる時代にも常に天才の精神的な火花が飛び出し、神秘の夜を明るくし、人類をこの地上の生物の支配者とする... 2007.8.11 科学技術哲学
ガイア教の天使クジラ ガイア教の天使クジラ2 “存在の大いなる連鎖”の概念とその変遷 【第1回】 【目次】 【第3回】存在の巨大なる連鎖よ、神より始まり、霊妙なる性質、人間的性質、天使、人間、けだもの、鳥、魚、虫、目に見えぬもの、目がねも及ばぬもの、無限より汝へ、汝より無に至る。より秀れしものに我等が迫る以上、劣れるものは我等にせまる。さもなくば、創られし宇宙に空虚が生じ、一段破れ、大いなる階段は崩れ落ちよう。自然の鎖より輪を一つ打ち落とせば、十分の一、千分の一の輪にかかわらず鎖も... 2007.6.14 ガイア教の天使クジラ
ガイア教の天使クジラ ガイア教の天使クジラ1 個人的回想と主題の提示 【目次】 【第2回】 最近IWCの総会があった関係でいくつか反捕鯨問題のニュースを見かける。痛いニュース(ノ∀`):“日本の怒り爆発!” 「国際捕鯨委員会(IWC)脱退も」 日本政府表明…新機関設立も痛いニュース(ノ∀`):【捕鯨問題】「日本の対応は子どもじみたかんしゃく。母親は子供のかんしゃくを認識するものだ」…オーストラリア環境相 他にも探せばいくらでも出てくると思うが、議論はたぶん私が初めて... 2007.6.4 ガイア教の天使クジラ
科学技術哲学 人類の歴史はたったいま変曲点を通り過ぎたところ 固定リンクのURLを見ているとこのエントリが300個目のエントリになるようなので記念にちょっと大風呂敷を広げてみることにする。 このブログへは「ポルポト 笑ってはいけない 泣いてはいけない」等の検索フレーズでのアクセスが毎日のようにある。多くが映像の世紀に関連する検索だと推測される。(参考) こんな特に意識もせずに書いたエントリに未だにアクセスがあるということは、映像の世紀がいかにすごい番組だった... 2007.5.22 科学技術哲学
政治経済社会 デーヴ・グロスマン『戦場における人殺しの心理学』 うーん、これは非常に面白かった。私なりの要約。 研究によると古今東西の兵士は想像以上に敵を殺せていない。というより殺そうとしていない。殺せても強烈なトラウマに悩んで社会不適合になったりする。それは人間には殺人に対する凄まじい心理的抵抗が存在するからだ。 そのような抵抗を持たない“生まれながらの兵士”も1%とか2%とかそんな割合で存在し、優秀な兵士となる。しかし多くの普通の兵士に敵を殺すことができる... 2007.2.18 政治経済社会
政治経済社会 一家に一冊! 面白くてためになる カール・シファキス『詐欺とペテンの大百科』 Life is beautiful: 悪徳マルチ商法の被害者をインタビューしてみた 「ネズミ講」の意味がわからない大学生がいるという話を聞いて是非オススメしておかなければと思ったのはこの本です。 滅多にない耐え難いほど面白い本でもう何回読んだかわかりません。まずどんな本であるかがうまくまとまっている訳者あとがきから引用します。 近年の急速な社会のハイテク化に、情報化に伴い、次々と新手の詐欺や商法が... 2006.12.19 政治経済社会
政治経済社会 賛成なのに妙に腹立つ テレーズ・デルペシュ『野蛮の世紀』 うーん、「知ってるがお前の態度が気に入らない」ってアスキーアートありましたよね? ちょうどそんな感想。 思い切り要約すればイスラム原理主義と中露の全体主義を警戒せよって主張であって、それにはまったく賛成なんだけど*1、言葉の端々がいちいち癇に障る。 タイトルからして『野蛮』ってなによ『野蛮』って! プロローグの冒頭はこう。ルールをなくした歴史 わたしたちが引き継ぐことになる歴史は、二世紀あまり前か... 2006.12.15 政治経済社会