科学技術哲学 わいせつとは性が年配の男性にとって適切に管理されていない状態 歴史上「わいせつ」の要件を具体的に示しえたためしがない、というのはよく言われることで、それはそれで正しいと思われる。 だが進化心理学的視点に立てば「わいせつ」を過不足なく単純に定義することは容易だ。性が社会≒権力≒年配の男性(の同盟)にとって適切に管理されていない状態 だ。そもそも具体的にどんな行為や表現であるかは問題ではないのだ。たとえば、一夫一婦制は社会的にひとつの安定解だから、夫婦間の性は基... 2017.5.3 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ おすすめ本書評まとめ2017年4月版 『マシュマロテスト』★★★★★ ウォルター・ミシェル著。なんかもうよく知っているような気になっているマシュマロ・テストだが、改めてオリジナルに触れてみるととても面白い。『へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星』★ 鳴沢真也著。ちょっと面白い。『天と地の守り人 第2部 カンバル王国編』★★★★ 上橋菜穂子著。最終章中編? やはり面白い。『量子コンピュータが人工知能を加速する』★ 西森秀稔著、大関... 2017.4.30 おすすめ書評まとめ
おすすめ書評まとめ おすすめ本書評まとめ2017年1月版 『げんしけん』★★★ 木尾士目著。連載当時のアフタヌーンを読んでいたはずだが、あまり興味がなかった。完結を機に改めて全巻読んでみたら、結構おもしろかった。『白と黒のとびら: オートマトンと形式言語をめぐる冒険』★ 川添愛著。確かに奇書レベルの尖った本。人を選ぶだろうが数学好きなら一見の価値はあるかと。『赤の女王 性とヒトの進化』★★★★★ マット・リドレー著。なぜか今まで紹介してなかった。名著と言... 2017.1.2 おすすめ書評まとめ
ガイア教の天使クジラ ガイア教の天使クジラ41 ジェームズ・ヒルトン『失われた地平線』 【第40回】 【目次】 【第42回】 あのハンターハンターさえ連載再開するぐらいだから自分も頑張ろうと思ってこのエントリを書き始めたら、書き上がるまでに再び休載してしもた(笑)。まあ仕方ない。始めよう。 今回取り上げる作品、記念すべき後半戦最初の作品は、ジェームズ・ヒルトン『失われた地平線』(1933)である。 未来・SFの世界にご案内しようとか言っておいて*1いきなり普通はSFに分類される作品で... 2016.7.16 ガイア教の天使クジラ
ガイア教の天使クジラ ガイア教の天使クジラ40 一本目の糸:オリエンタリズム 【第39回】 【目次】 【第41回】 ここまで『存在の大いなる連鎖』という一本の柱に沿って、時系列に進んできたこのシリーズだが、ここからは、詳細に分け入る代償として、多少複雑にならざるをえない。 このシリーズでは、過去と未来で何が変化して何が不変であるかを常に意識することが、理解にあたって重要だ。*1しかし、完全に過去から現在へ進みながら、多岐にわたる話を扱うと、話があちこちに飛びすぎてわかりづら... 2015.6.29 ガイア教の天使クジラ
ガイア教の天使クジラ ガイア教の天使クジラ39 ガイア教徒よりもガイア教的な日本人 【第38回】 【目次】 【第40回】 大きな鍵*1を逆向きに使うことで、鏡のように「普通」の日本人の態度もよく理解することができる。一本の柱から離れて次の段階に進む前に、一度自分たちを振り返っておこう。鏡その1 以下は、このシリーズ開始以前に、ネットのどこか*2で見かけた会話である。記憶からの再現なので一字一句正確ではないが、概ねこのようなものであった。A「なあ、これはもちろん仮定の話だけどさ、も... 2015.6.6 ガイア教の天使クジラ
政治経済社会 ぼくのかんがえたせかいへいわ ピンカーの『暴力の人類史』を読んで考えたこと。大半は今回初めて考えたというわけではないが。 『暴力の人類史』を読んでいることを前提とするが、必ずしも必須ではない。 価値観の話でややこしくなるのを避けるため、単純に人類間の暴力を減らすことを良しとする。ブロイラーの福祉とか、地球のため宇宙のためとかは考えない。 理由はどうあれ事実として暴力はずっと減少してきたし、今後も減り続ける可能性が極めて高い。予... 2015.5.25 政治経済社会
科学技術哲学 ジャレド・ダイアモンド『昨日までの世界―文明の源流と人類の未来』 イベントも見に行ったほど好きなジャレド・ダイアモンドの新刊。いわゆる国家以前の「伝統社会」から現代人が参考にできることがあるのではないかというテーマ。The World Until Yesterday その1 - shorebird 進化心理学中心の書評など 例によってshorebird先生が読書ノートを連載中であるので詳しい内容はお任せ。 自分は特に気になったところと個人的に参考にしようと思った... 2013.3.10 科学技術哲学