文化芸術宗教

グレッグ・イーガン『順列都市』から2点抜粋

グレッグ・イーガン『順列都市』から、後々話に使いたいと思っているところ2点を、最低限の説明をつけて抜粋。 《なにも変えない神の教会》  マリアは話しつづける。「『神はなんの違いももたらさない……なぜなら、神こそは万物がいまある姿をとっている理由だからだ』、ですっけ? だから、あたしたちはみんな、宇宙を心静かにうけいれられるってわけね?」  フランチェスカは首を横にふった。「心静かに? いいや。そう...
文化芸術宗教

ガチの信仰者の心理

私にとって、両親が全知全能の存在ではないと気づいた日の衝撃は、自分がいつまでも生きていられるわけではないと気づいた日の衝撃よりも大きかった。  こうした親に対する全能感は、ほぼ間違いなく、幼い頃には大抵の人間が持っているものだろう。  生まれたときから宗教教育を受けている人の中には、この全能感が消えるよりも早く、その対象が神に置き換えられ、生涯その衝撃なしで生きてきた人がいるのではないかと思う。*...