表現の自由

政治経済社会

またまた『表現の自由を脅すもの』より

なんだかそれっぽい話題が聞こえてきたので、久々にジョナサン・ローチ『表現の自由を脅すもの』から2ヶ所引用。 「我々は、批判や吟味、正しい憎悪や脅しを押し止めようと欲するものではない。」ところで何時も困ることといえば、ある人の憎悪に満ちた発言は、別の人の真摯な批判であるということである(「ホロコーストはイスラエルの捏造である」)。そうなると、誰が線を引くべきか。 「人を傷つける邪悪な意見が駆逐されれ...
科学技術哲学

復刊ドットコムで『表現の自由を脅すもの』をリクエスト

表現の自由を脅すものジョナサン・ローチ復刊リクエスト投票  下に並べたように事あるごとにおすすめしているジョナサン・ローチ(ジョナサン・ラウチとも)著『表現の自由を脅かすもの』原題"Kindly Inquisitors: The New Attacks on Free Thought"(『やさしそうな異端審問官たち――自由思想への新たな攻撃』)。  人生の中でも他人にお薦めしたい本No.1なのです...
政治経済社会

「準児童ポルノ」違法化キャンペーン

とかなんという話で盛り上がっているそうで。 アニメ・漫画・ゲームも「準児童ポルノ」として違法化訴えるキャンペーン MSとヤフーが賛同 - ITmedia News 小寺信良:「児童ポルノ法改正」に潜む危険 (1/3) - ITmedia +D LifeStyle MIAU :「準児童ポルノ」に関する公開質問  あまり時間を割けないので例によって『表現の自由を脅すもの』からの引用でお茶を濁す。本当に...
政治経済社会

心は傷つけてなんぼ

というのは私の座右の銘のひとつ。例によって例の如く『表現の自由を脅かすもの』から関係ありそうなところを引用。  それにしてもこの本も入手困難になってるみたいだな。『人間の測りまちがい』もそうだけど最近人に薦めたいよい本ほど入手困難になっている。  最近進行している事柄の中にあるのは、人々の感情を害したくない、あるいは少なくとも社会的烙印を押されると特に傷つきやすいと見られるような人々の感情を害した...
政治経済社会

ひぐらしは斧で敵を殺していくゲーム?

すでに書く時期を逸した感があるが、斧とか鉈とかで高校生が人殺したとか殺さないとかでアニメひぐらしが放送自粛したとかしないとか*1いう話。  「ひぐらしは斧で敵を殺していくゲーム」とかTVで放送されて竜騎士さんがヘコんでたのは確かなようだけど、まあそれはひどい。うちのひぐロワと間違えてねえか? というジョークはおいといて、確かにひどい。  しかし、昔筒井康隆の断筆宣言に興味を持って表現の問題について...
政治経済社会

リベラルでも保守でも原理主義になりうるということ

前回の記事の時に発見したエントリ 結論から言えば、やはりそこには「絶対的」なものがあって、そこから外れるものは認めない(というか見えない)のだろうと思う。 彼らの言う「話し合い」とは、彼らの許容範囲内での「話し合い」であって、それ以外のものは「意見」ではないのであろう。「意見ではない」とは、自分と異なる意見を認めないということではなくて、「意見ですらない」という意味。じゃあ何かといえば、具体的に言...
政治経済社会

ローマ法王がイスラム教を侮辱したとして謝罪させられたとかいう話

愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 共同・時事通信が伝えたローマ法王の報道に、いろいろな人が大騒ぎ  問題そのものは上のエントリに詳しいようにあまり本質的なものではなさそうだ。  だがそれだけに、かつて原理主義的な知の頂点に立つ無謬の象徴だったローマ法王が、いまや「他人の宗教を侮辱するな」という原理主義者からの人道主義的非難にいとも簡単に屈してしまっているということが現代の思想状況の象徴にも見える。...
政治経済社会

「人の心を傷つけるような表現」をあえて護らなければならない理由

悪魔の詩:筑波大助教授殺害、時効が成立?今日の話題:MSN毎日インタラクティブ  サルマン・ラシュディの悪魔の詩事件と、この翻訳者殺害事件は、私がおよそこの手の問題に関係する本の中でもっとも強く薦める『表現の自由を脅すもの』にも特筆すべきものとして扱われていた。残念だ。  2月のムハンマド風刺画事件の時も、私が知る限り日本のマスコミは皆「人の心を傷つけるのはよくない」的な触らぬ神に祟りなしの姿勢を...