コンラート・ローレンツ『人イヌにあう』

人イヌにあう (至誠堂選書 1)

 「動物」と言ったとき最初に連想されるのはまずイヌかネコだろう。「刷り込み」の発見等の功績によりノーベル医学生理学賞を受けたコンラート・ローレンツのイヌネコ限定エッセイ集である。

 彼の『ソロモンの指輪』は私が誰に対しても絶対の自信を持っておすすめする本の一冊である。彼の動物にたいする限りない知識と愛情の深さには敬愛の念を抱かずにはいられない。この本もイヌ・ネコが好きか嫌いかに関わらず楽しめるだろう。

 逆説的であるが私が動物(特に犬)飼わないことに決めているのはローレンツの影響によるところが大きい。

 もちろん私は自分が動物が好きだと思っているが(そもそも「自分は動物が嫌いだ」と自己既定する人がどれぐらいいるものなのかも疑問だが)、彼の本を読んでいると自分は本当に動物が好きなのではないと自覚するからだ。

 より正確に言うと動物は好きだが、それは図鑑やテレビや本で見るのが好きなのであって、飼っていっしょに暮らすのが好きなのではないとわかるのだ。

 たとえば、私はたぶん犬を毎日規則正しく散歩に連れて行ってやるタイプの人間ではないだろう。それは犬にとって非常な不幸なのである。だからこれから飼うことがあるとしてもあまり手間のかからない小鳥ぐらいだろう。

 最後に別の話題に繋げるためのちょっとした問題。正解した方が偉いというわけでもないのであまり考え込んだり調べたりせずに直感的に答えて欲しい。

問題

 次の文章はこの本の中でイヌを家畜化し始めた時代における人類祖先の想像上の1日が描かれた部分からの引用である。次の( A )に入る単語を答えなさい。

 彼らの指導者であった知恵のある老狩人は、数週間前に命を落としていた。(中略)集団は、いまはたった五人の成人男子によって支えられていて、そのほかは女や子どもたちであった。五人の男では、大きな猛獣の攻撃を撃退するのに十分というわけにはいかなかった。またリーダーシップを受け継いだ男は、前指導者ほどの経験も筋肉の力も身に備えていなかった。しかし彼の瞳は他の誰よりも輝き、その( A )は高く秀でていた。

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おまけ

 かなり昔のネタ(のはず)だが目に留まったので備忘がてら。選曲が秀逸。犬もちょっとだけ登場。

コメント

  1. 木戸孝紀 より:

    私も知らなかったら「背」かなあ(笑)。答えはもうちょっとお待ち下さい。

  2. より:

    最初「鼻」が浮かびましたがそれだと単なる連想ゲームなので「身長」と予想してみます。
    どちらも、高いからの連想ですが。(笑)

  3. より:

    言葉にできないやついいよね。
    猫派で犬には殆ど興味はないけど4WDの犬は好き。

  4. 文字好き より:

    個人的に翻訳するなら「魂」と言う単語を使いそうですが……。
    文章を見た時に(中略)以前の一文が全く必要に思えないため、わざ×2こんなものを入れられたのなら「知恵」が正解かと予想です。

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