友人マリオの作者がゲーム専門学校に進学するんだとか

ニュー・スーパーマリオブラザーズ

 ニコニコ動画でかなりの人気を誇っている『自作の改造マリオを友人にプレイさせる』シリーズ。

 作者がスーパーマリオワールドを改造してとてつもない鬼畜難易度にしたコースを、その友人が必死に突破していく様子を見せるシリーズだ。

 その最新作のコメントで、作者がゲーム専門学校に行くことに決まったと言っている(ということは高校生だったのか)。

 ゲーム専門学校の悲惨な実態を描いた鈴木みその漫画(一時期ネットでもかなり話題になったのでググればたぶんどこかで読める)を読んだことがあるせいか、ちょっと不安ではあるが、この作者は間違いなく面白いゲームを作れるはずなので是非頑張って欲しいと思う。

 なぜこの人が面白いゲームを作れると思うかというと、もちろんこの改造マリオが面白いから。

 なんでそんな当たり前のことをわざわざ書こうとしているかというとゲームデザインは非常に特殊なスキルで、それがあるかどうか見極めるの方法として、既存のゲームを改造してみるというのは非常に有効な手段だと思うから。

 これが「そりゃそうだろ。当たり前じゃん」と思う人には特に何も言うことはない。

 「はぁ? たかが改造じゃん。それは誰でもできるだろ」と思った人にはそれはたぶん間違いだと言いたい。

 ここでいう特殊は「他にそれに似たものがない」という意味で、稀少や貴重とは意味合いが違う。言葉で説明するなら人が探索して面白いような多数次元の可能性空間(たぶん正しい用語ではないが正しい用語がありそうな気もしないので気にしない)を何もないところから形作る仕事で、他にそれに似たものがまったく思いつかない。

(無理を承知であえて一番近いものを探せば……今考えてたどり着いた結論に自分で驚いた……立法者、つまり政治家や官僚の一部分である。これに関しては面白くなってきたので別のエントリにまとめるかもしれない。)

 プログラミングの才能とは似たようなものと考えられているようだが、それはたぶん違う。たとえるなら「音楽家の才能」と「いい音がする楽器を作る才能」ぐらい違う。

 少なくとも手先は器用な方だというぐらいの共通点はあるかもしれないが、この2つの才能を似ているとか同じだとか考える人はいないと思う。

 ゲーム制作が稀少なスキルかどうかは知らない。個人的には、そんなことはないと思う。子供が「横断歩道の白い部分以外を踏んだら死亡」とか「この石を家まで溝に落とさずに蹴って帰れたらオレ不老不死」とか考えるとき、すでにゲームを作っている。中学生が2ちゃんねるでIDや安価(レスアンカー)で遊ぶスレを立てるとき、やはりゲームを作っている。

 しかし、現在ゲームを作って誰かにやらせようと思ったらまずプログラムする以外の方法はないため、本当はあまり関連のない2つの能力を同時に持っているものしかゲームを作ることができない。

 たとえで言えば、自分で作った楽器しか演奏することができない世界があったとする。そこでは「音楽の才能」は現実よりずっと稀少なものであるはずだ。ゲームを作る才能が稀少なように見えるとしたらこのような理由だろう。

おまけ

 いや、おまけじゃない。これの話。

コメント

  1. [読書感想]『マスターピース・オブ・オールナイトライブ 1【特攻取材】』

    マスターピース・オブ・オールナイトライブ1 特攻取材 (BEAM COMIX) 作者: 鈴木みそ 出版社/メーカー: エンターブレイン 発売日: 2008/03/24 メディア: コミック  鈴木みそ『マスターピース・オブ・オールナイトライブ 1【特攻取材】』を読んだ。現在コミックビーム誌上で

  2. TidalBeachBlog より:

    ゲームデザインの才能

    ニコニコ動画で人気の、「友人マリオ
    」が完結だとか。
    作者は卒業してゲーム学校にいくとのことで、
    とりあえず、おめでというというべきなのだろう。
    ……トラックバック先
    でもふれられているが、
    ワタシも、この作者には、ゲーム作りの才能があると思う。

  3. 木戸孝紀 より:

    今日完結してた。
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm1177286

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