フランシス・コリンズ『ゲノムと聖書:科学者、〈神〉について考える』

ゲノムと聖書:科学者、〈神〉について考える

 『神と科学は共存できるか?』の頃からチェックリストには入っていたがやっと読んだ。感想は下の雨崎さんの感想にほぼ一字一句同意。

 ほんとまじめなんですよ、この先生。自分の良心の落としどころを求めて、あれやこれや試行錯誤に調整を試みた末の、せいいっぱいの”有望な”神の延命計画を提案しているんですよ。インテリジェント・デザイン(ID)説に苦言を呈しーの、有神論的進化論を試しーの、バイオロゴスはどうかと打診してみーの。

 そこには、どこか、人類には共通の性向があり、共通項を確立すれば幸福がもたらされるのであり、という楽天的な妄念がどっぷりしいの、そしてあくまで、どこまでもどこまでも一神教圏の神設定から抜け出す気はいっさいございません状態で徹底しいの、なんだけれども、とりあえず、まあ、あちらのお国事情では、これもひとつありかな、というところで、見ておいて損はない一冊。

(ゲノムと聖書:大阪について考える科学者を見よ [ EP: 科学に佇む心と身体 ])

 違いといえば、私は「人類には共通の性向があり、共通項を確立すれば幸福がもたらされる」という考え方には、もうちょっと好意的だということぐらいかな。

 元々キリスト教徒でない人間にとっては積極的な価値はあまりないと思う。参考図書に挙げたような本を先に読んで他の考えも知りたいという場合にどうぞ。

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おまけ

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