ありがちな駄本みたいな邦題が非常にもったいないインド本。原題は“IN SPITE OF THE GODS – The Strange Rise of Modern India”。『神々をものともせず―現代インドの奇妙な隆盛』という程度の意味合い。
タイトルから連想されるようにインドという名称につきまとう神秘的なイメージにばかり着目する傾向――それは西洋人だけではなくインド人自身にさえも見られる――を批判し、現代インドを正確に描き出そうとしている。
途中で「インドの首相ってそんなに暗殺されてたっけ?」と思ったり、インドに関する知識が全然なかったことがはっきりわかって面白かった。随所で出てくる中国との比較も興味深い。
- 第一章
- グローバル化と中世の生活 インドの分裂した経済
- 第二章
- ブッラ・サーヒブ どこまでも伸びる国家の長い触手
- 第三章
- 社会的公正を求めて 下位カーストの台頭
- 第四章
- 想像上の馬 ヒンドゥー至上主義の引き続く脅威
- 第五章
- おべっか、万歳! 会議派とネルー=ガンディー王朝の変わらぬ事情
- 第六章
- たくさんの三日月 南アジアの引き裂かれたムスリム
- 第七章
- トライアングル・ダンス なぜインドと米・中の三国関係が二一世紀の世界を形作るのか
- 第八章
- 新しいインド、古いインド インド近代化の重層的性格
- 結論
- インドは負けるのか 二一世紀インドの機会と課題
参考リンク
おまけ
言ってるそばから何だが、インドといえばベリーナイスジャンキー組合 。
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