雲居一輪&雲山の元ネタ

信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く (アートセレクション)

 星蓮船での仏教の扱いに絡んで東方設定考察の続きを書きたいのだが、時間が取れないので、準備段階でできたネタをひとつ。

 早くも一部で星蓮船不遇キャラNo.1の座を確実視されている雲居一輪&雲山のテコ入れ企画。

 こいつらのデザインも、星蓮船のストーリーのモチーフとなっている国宝:信貴山縁起絵巻の2巻目である延喜加持の巻に登場する「剣の護法」(童子)から来ている。

 ……ううむ、すごい劇的ビフォーアフター。

 この剣の護法は毘沙門天の使者で、命蓮が法力で醍醐天皇の病を治したことを顕すために、雲に乗って宮中に現れる。剣の束を首に巻き、右手に剣、左手に索を持っている。前に転がっているのは輪宝。

 雲山はもちろん乗っている雲と入道雲からの連想であろう。一輪の方は、ぱっと見、髪の毛の見え具合が似ているぐらいでほとんど面影がない。だが、よく見ると頭巾に入った切れ込みと、スカートの白いギザギザ模様が、垂れ下がった剣の束を意匠化しているのではないかと思われる。

 笹型レーザーもしくはカッターナイフの刃のように見える帯状に繋がった弾ばかりを、しかも放射状に撃ってくる、という一輪本人(雲山ではなく)の攻撃パターンも、この剣を表しているのではないかと思われる。

 ついでにもう1人この絵巻から劇的ビフォーアフターしている人がいるのだが、こちらに触れると本題に入らざるを得なくなってしまうので後回し。画像だけ先に出来たので、せっかくなので貼っておく。

おまけ

 古美術つながり。

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