『ヤバい経済学』の一部の元ネタになったギャング研究の回顧録みたいなもの。『ヤバい経済学』とは全然趣が違うので同じようなものを期待するべきではない。
内容そのものも興味深く、いろんな読み方ができる作品だが、すでに方々で書かれているので他に譲る。
私が惹かれるのは、shorebirdさんが言及している
どこかで終わってしまうことがわかっている物語が醸し出す不思議な雰囲気
の部分。
「時が来れば君は自分の世界に戻らなくちゃいけないんだろう? それなのになぜ戦うんだ?」
「さあ……なんでだろうな……」
みたいなシチュエーションは異世界ファンタジーものでたまにあるが、まさにその通りの雰囲気なのである。
いくつか通りを隔てただけの同じ街の人間の話を異世界ファンタジーのようにしまう、貧富の壁というものの圧倒的存在感。読んでいて楽しい本ではないが、これを感じるためだけでも一読の価値はあると思われる。
参考リンク
関連図書
おまけ
どこかで終わってしまうことがわかっている物語が醸し出す不思議な雰囲気つながり。
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