西部劇版グランド・セフト・オートと聞いて直感的に面白そうだと思ったので、プレイしてみた。
GTAをちゃんとプレイしたことは一度もないが、動画などでそれなりに知っていて、確かにすごいゲームだと思っている。しかし、GTAには「犯罪」というテーマにつきまとう後ろめたさという重大な欠点がある。
もっと盗みまくり奪いまくり射殺しまくって、なおかつ後ろめたくなければサイコーなのだが、そんなゲームはできないものだろうか?
もちろん、これはあからさまに矛盾した要求であり、絶対に不可能に思える。GTAは盗みまくり奪いまくり射殺しまくるから楽しいのであり、盗みまくり奪いまくり射殺しまくるから後ろめたいのだ。この二律背反は宿命のようなものではないか。一体どうしろというのだ?
しかし、それは可能だった。舞台を現代の都市から、西部劇にしてしまえばいいのだ。真に優れた解答はしばしば、後知恵で考えると最初からそれしかなかったような当然のものに感じるが、まさにこれはそのような解答だ。
西部劇だから銃を撃ちまくり悪党どもを射殺しまくって死体から金を分捕っても大丈夫。西部劇だから馬を盗んでかっ飛ばして人をはねてもそんなに気にしなくてよし。西部劇だからキャラに政治的にヤバそうなことを言わせてもやらせても大丈夫。
時間が無限にあるものならゆっくり実況動画でも作ってみたいと思わせる良作であった。もちろんそんな暇はないのでほぼメインストーリーのみのクリアでやめるが。
ここからは購入を考える人へのアドバイス。銃・馬・西部劇が好きで、アメリカの広大な景色の中を馬でパカパカ走り回って鹿でも撃ってれば幸せという全米ライフル協会的な人間には神ゲー。私は別にどれも好きではないが、それでも十分良ゲー。
ローカライズはきちんとされているが、やはり洋ゲーは洋ゲー。ストーリーは和ゲーの基準では、あってないようなもの。クセの強いキャラ達の、ウィットに富んだ映画風の会話を楽しむのがメインと割り切るべし。
ほんのアクセントとして牛を追ったり、列車に乗ったり、トロッコを押したりするものの、ほとんどは適当な理由で「ヒャッハー!人間狩りだー!」を繰り返すだけで、各種チャレンジ・ミニゲーム・やり込み要素もおまけ程度である。
またメインストーリーでは主人公が善人固定なので、悪人プレイは「やろうと思えばできる」というおまけ程度のものと思った方が良さそうだ。GTA基準で悪行三昧したい、という人には向かないかもしれない。
おまけ
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