磯田道史『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

 他人の家計簿なんてものは、なかなか見られるものではない。見られたらきっと面白いだろう。

 昔の人の生活なんてものは、なかなか見られるものではない。見られたらきっと面白いだろう。

 では、昔の人の家計簿が見られたらどうだろう? もちろん、めちゃくちゃ面白い。超オススメ。

 内容そのものは本を読んでもらうとして、あとがきから教訓的な部分を二箇所メモしておきたい。

「歴史とは過去と現在のキャッチボールである」学生時代、ふと教室の片隅で耳にしたこの言葉に、私は静かな感動をおぼえた記憶がある。歴史とは、いまを生きる我々が自分の問題を過去に投げかけ、過去が投げ返してくる反射球をうけとめる対話の連続。つまりは、そう考えたい。歴史はきまった史実を覚える「暗記物」ではないのだ。

 大きな社会変動のある時代には、「今いる組織の外に出ても、必要とされる技術や能力をもっているか」が人の死活をわける。

おまけ

 「たくさんのことが分ったのですから。 生きている人たちの ために。」

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