実験的エントリ。あえてまとめずに思いついたこと全部書くことにする。
宇宙はその時々の思想の先端にあるものに喩えられる。古代では人間に、ニュートンの時代には時計仕掛けに、少し前まではコンピューターに、現在ではカオスと自己組織化の原理に支配される量子の渦に。
人生も様々なものに喩えられる。私のお薦めの本『頭にガツンと一撃』の中に、人生を何かに喩えた言葉ばかり集めた部分があった。
ほとんど全部忘れたが1つだけドーナツに喩えたものが記憶に残っている。確かこんな感じだ。
焼きたてのうちは柔らかく美味しいが、冷めるにつれてだんだん硬く不味くなる。真ん中に大きな穴が空いているのは謎だがそれがなければドーナツとは言えない。
人生が喩えられるものの一番人気は昔も今もゲームだ。
そうでなくともライフハックをせっせとブクマしながら「人生はゲームだという喩えは適当か否か」も何もないもんだと思うが、元々ゲームは人生(の一部)を模したものであるのでトートロジーっぽいとは思う。
確かにMMORPGなどはこれまでの世界に存在しなかったレベルでの人生のシミュレーションであろう。生産し、交流し、戦う。
しかし、敵との戦闘や仲間との交流が面白いのはわからんでもないとして、なぜしばしば単純労働のような生産行為がゲームに組み込まれているのか? そんなことはしないで済む方が面白いはずでは?
そんなことに麻薬中毒に喩えられるぐらい、稀なケースとはいえ本当に死に至るまでハマってしまうなどということが起こりうるのはなぜか。
この場合麻薬中毒の喩えはそれほど不適切ではないかもしれない。人がなぜ麻薬中毒になるのかというといろいろ説明のレベルはあるが、今回必要な点だけ言うと「麻薬の分子は人間の脳がもともと作っている快感を感じさせるための物質によく似た形をしているから」だ。
(順調にいっている)単純な生産行為を快感に感じる性質は、長い狩猟採集農耕牧畜の生活様式の中で進化し、すでに脳内麻薬のレセプターの分子構造同様バッチリ(死語)人間の遺伝子に刻まれているはずだ。
ゲームでガンガンレベルが上がるとか、面白いようにアイテムやお金が貯まるとかいう状態は、人間が生きるために進化させた、正常な労働に対する快感*1を与える仕組みに対する超正常刺激として働いているものと思われる。
要するに麻薬もMMORPGも、どのレイヤー(階層)で行っているかの違いはあれど、つまるところ報酬系をハックしている。
これらから何が言えるだろう。ゲームは麻薬だと単純には言えまい。おそらくゲームにすらハマれない人間は現実の人生でも成功しないはずだ。もちろん逆は必ずしも成り立たない。つまりゲームにはまる人間が現実でも優秀とは限らない*2
ゲームが行っている報酬系ハックの仕組みを学び、リアルワールドに流用する。人生をゲームに喩えるだけでなく積極的に人生をゲーム化することによって現実の人生を充実したものに変える。
……改めて提唱するまでもなく、それがLife Hack と呼ばれているものだ。はい車輪の再発明でした。
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