【第2回】 【目次】 【第4回】
実は、前回までで、私の言うべきことは全て言った。あとはこれを何度も繰り返し、少しずつかみ砕きながら実例を交えて解説していくだけである。
要点は反捕鯨問題は本質的に宗教問題であるということだ。だが、いきなり信じろと言われても無理だろう。この一言を本当の意味で理解してもらえるようになることがこのシリーズの目的である。
反捕鯨問題は、単なる環境保護問題でも、単なる海洋資源問題でも、単なる動物愛護問題でもない。
そうであるように見えるのは、現在の地球で比較的強い経済力・政治力を持っているグループに好まれてきた宗教の系譜に属し、分不相応な*1力を持ってしまっているからに過ぎない。
本筋ではないのであまり突っ込まないが、食肉業界の陰謀とか信じてしまう人は、物事を定性的にではなく定量的に考えるくせをつけよう。
また反捕鯨運動を、ただのキリスト教文化帝国主義だとか、ただの人種差別だとか、ただの日本人いじめだとか考えるのは間違っている。
日本に捕鯨文化が存在せず、聖書に「鯨は食べてもよい動物です」と明記されているパラレルワールドがあったとしても、そこにはやはり反捕鯨運動がまったく同じ形で存在するだろう。*2
反捕鯨運動がただの日本人いじめだったらどんなによかっただろう。いじめに自分の財産を寄付したり、命を張ったりする人間はいない。ただのいじめだったら、それなりの決意をし努力をつぎ込めば、きっと解決できたことだろう。だがそうではないのだ。
彼らはあくまでも自分たちの宗教を、人類全て*3が日々安心し、尊敬しあって暮らしていくために、一日も欠くことのできない信念体系を、守るために戦っている。
だから困るのである。この困った状況を一体どうすればいいのだろうか。
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おまけ
古代の海にタイムスリップ。ノリが国内の教育番組と違って面白いな。
コメント
皮肉なことにいさなとり=神事みたいに思っている日本人ともある意味とても近い心性かもしれませんね