新井英樹『ザ・ワールド・イズ・マイン』

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)

 (ネタバレ注意!)

 モンとトシと名乗る二人の男が無差別に殺人とテロとレイプの限りを尽くしながら日本中を暴れ回り、同時に北海道で発生したと思われるだんだん巨大化していくクマのような怪獣ヒグマドンがやはり日本中を暴れ回る。

 総理大臣が裸踊りしたり、ライフル一丁で怪獣に挑むハンターがいたり、竹下登が飲尿フェチだったり、紆余曲折の末モンは世界中のテロリストのカリスマになり、ヒグマドンは太平洋を埋め尽くすほど巨大化。

 しまいにゃ核テロから発生した全面核戦争がヒグマドンに誘爆して地球は木っ端微塵になり、宇宙の彼方に流れ着いたモンの遺体から数十億年後にまた知性を持つ生命が生まれる……。

 という粗筋だけでもお腹いっぱいになりそうなとんでもないマンガがこのたび復刊ということで一応おすすめしておく。

 この紹介だけだとギャグかと思うかもしれないが、グロ描写や犯罪描写は結構なリアリティがあるのでそういうのが苦手な人は間違っても手を出さないように。

 ちなみに私はこれを読むといつも『沈黙の艦隊』を連想してしまう。表面的には似ても似つかないが、日本人の核コンプレックスの表出というテーマで相通じるものがあるんだよね。

おまけ

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