21世紀初頭に超能力の存在が確認されてから1000年後、人類は機械文明を捨て独自の精神文明の世界を築いていた……。
と書くと、なんともそそらない陳腐極まる設定に見えるのだが、実際に読み始めると1ページ目から引き込まれる。随分ひさびさに小説で時間を忘れるぐらい面白かった。
SFでもファンタジーでもありホラーでもあり、冒険活劇でもありジュブナイル小説でもある。1つ1つのネタは陳腐に見えても全体の完成度は非常に高く、娯楽と真剣さが互いを邪魔せず両立しているという点で『第9地区』観たときと近い印象を受けた。
また、ジェンダーや社会問題に対する意識とセンス・オブ・ワンダーのからめ方が、どことなくジェイムズ・ティプトリー・ジュニアを連想させる。事前情報はあまり入れない方がいいかも。
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おまけ
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