西尾維新『化物語』『傷物語』『偽物語』

化物語(上) (講談社BOX)

 ラノベ補強計画の一環として西尾維新に再チャレンジ。以前カタカナ8文字のシリーズに挑戦しかけ、数ページも耐えられずに投げた記憶があるが、こっちのシリーズは読めた。

 時事ネタ・他作品ネタ・メタネタが多いのが予想外だったが、この独特の言語センス・ギャグセンスは嫌いではない。

 基本的に最初から最強で、都合のいい女の子に囲まれ常時セクハラしまくり、いい人だというだけで好かれまくる。男性キャラは基本的に性的競合にならないおっさんしかいないし。

 ああこれぞまさに男のロマン(ストレートに自分の夢と言え的な意味で)。おそらく主要対象読者であろう中高生男子に受けるのは、とてもよくわかる気がするね。

 前回の『とある魔術の禁書目録』とあわせて、ラノベというのはこういうものなのか、というのも少しだけ見えてきたかもしれん。

 シリーズ内での私的面白さランキングは、『化物語』>>『偽物語』>『傷物語』。試しに、という人は発売順に『化物語』から始めるのがよさそう。アニメは未見だが、ニコ動のMAD等でちらっと見た限りでは、悪くはなさそうな印象。

おまけ

 ED曲のsupercellってメルトとかの人なのね。

コメント

  1. 歳を取ったのかなぁ… より:

    お手軽な工夫の一環として
    “敢えて一部分だけ禁欲的に装ってみる”みたいなのは、もうないのかなーと。
    わざと真面目ぶるというか深刻ぶってみるアレソレというか。
     
    露骨な欲望を抜かずに揃えた上で、工夫を成立させてるからこそ大人気なんでしょうね

  2. 木戸孝紀 より:

    いやもちろんどんな作品にも
    ねじれっつーか工夫はあるんですよ。

    あらゆる芸術ってのは露骨な欲望を
    露骨でなくする工夫と言っても過言でないわけで。

    今見返すと3段落目の特徴なんて『とある』に
    対してもほぼ成り立つし。

    ただどっちかいうとこの作品は露骨というか
    欲望に忠実な方であるでしょう。

  3. 歳を取ったのかなぁ… より:

    >ああこれぞまさに男のロマン。

    先生濃度が濃過ぎます。……というわけでもないけど
    ここまで揃ってると、逆にロマン力(仮)を感じないのは何故なんでしょう。

    中高生男子とて(こそ?)多少はねじれたとこがないとウケない気もするんですが
    そのあたりは文体とか世界観に任せてるのかしら。

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