科学技術哲学 電光掲示板は「いつ」動いているのか? 「自分に見えているこの世は全て自分の脳が作り出した幻なのではないか?」というのは、わりとポピュラーな疑問なのではないか。「そんなこと考えたこともない」という素直な人でも比較的簡単に引き込むことができるお気に入りの例を紹介しよう。 最初に言っておくが、リアルで同じ話を何人かに振ってみた経験によると、人によってはかなりショックを受ける。もちろん全然平気な人も多いが。 この先を読むなら覚悟を決めて下... 2005.12.15 科学技術哲学
科学技術哲学 自殺せずに生き残っているのはアホばかり? 私は子供のころ「世の中の立派な人・頭のいい人・勇気のある人はとっくの昔にみんな自殺してしまっていて、この世に生き残っているのはみんな意地汚くて頭の悪い意気地無しばかりなのではないか」と半ば本気で考えていたことがある。 なぜって? そうとしか考えられないではないか。鳥や魚や獣はいかなる理由があっても自殺しない。するのは人間だけである。あらゆる生物の中で人間だけが持つ高度な知能・精神などが、その原因... 2005.12.8 科学技術哲学
科学技術哲学 対数年齢というものを考えた 人間歳を取ると時間が経つのが早く感じるとよくいう。原因はいろいろあるのだろうが、子供と老人の脳に生理的に極端な差を設ける理由はあまり思いつかないので、心理的な影響が大きいのではないかと思う。 生まれたばかりの子供には、世界は目新しいことばかりで、常に驚きの連続だから、時間が長く感じる。大人や老人には、世界はすでに見慣れたものだから、刺激が少なく、相対的に短く感じるというわけだ。 こういう考え方... 2005.11.26 科学技術哲学
科学技術哲学 囚人のジレンマと差別的しっぺ返し 戦略ゲーム『繰り返し囚人のジレンマ』記念大会開催 繰り返し型囚人のジレンマは、現実社会のモデルとして有名なもの。 このモデルでは常に協調するお人好しの「天使」も常に裏切る「悪魔」も生き残ることはできない。天使は食い物にされ悪魔は自滅する。 このモデルで最終的に安定して生き残ることができるのは「しっぺ返し」という、 自分からは裏切らない(最初は協調を出す) 次からは常に相手の前の手をまねる ... 2005.11.13 科学技術哲学
科学技術哲学 部品を取りあげて自分の複製を組み立てるロボット 「自己複製ロボット」が、さらに生物に近づくには おお、自己複製の話題では必ずと言っていいほど出てくるあのたとえ話が本当にこの目で見られるとは。感動した。 しかし、いくら見た目が面白くても喜ぶのは早い。ごく普通のアメーバとの間にはまだまだ天地の開きがある。もちろんアメーバが上だ。 かの天才フォン・ノイマンはセルオートマトンの研究から、自己複製は、情報を、 読み取って解釈する そのまま複製する ... 2005.11.7 科学技術哲学
科学技術哲学 IQは知能指数ではない? テレビでIQテストの番組をやっていたのでクイズ好き我が家は総出で挑戦した。全くと言っていいほどテレビを観ていない私が観たのだから相当な視聴率だったのだろう。ネットでもいろいろ反響が見られるようだが、あの番組で測っているのがそもそも知能指数でもなんでもないというを知っている人はどれぐらいいるだろうか。 知能指数、いわゆるI.Q.はintelligence quotientの訳語でquotientは... 2003.11.3 科学技術哲学
科学技術哲学 DHMOの恐怖タネ明かし きれいに引っかかっていただけた方が何人かいらっしゃるようなのでそろそろタネ開かし。『ジ』は『2』、『ハイドロジェン』は『水素』、『モノ』は『1』、『オキサイド』は『酸素』、つまり一酸化二水素、すなわちH2O、平たく言えばそう“水”である。 これは有名な科学啓蒙ジョークで事実だからといって正しいとは限らないという重要なことを鮮やかに示してくれる。今日もテレビや新聞やネットで流布されている情報の中に... 2003.10.21 科学技術哲学
科学技術哲学 DHMOの恐怖 突然だがジハイドロジェン・モノオキサイド(DiHyrodogenMonoOxide:DHMO)という化学物質をご存じだろうか。DHMOは無色・無味・無臭の化学物質で、毎年全ての汚染物質を合わせたよりも多くの人々を死に至らしめており、物品に与える損害も甚大であることが科学的に疑問の余地なく証明されているにも関わらずその存在を問題視している人はほとんどいない。 DHMOは極めて浸食性の強い化学物質で... 2003.10.13 科学技術哲学