政治経済社会

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磯田道史『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』

他人の家計簿なんてものは、なかなか見られるものではない。見られたらきっと面白いだろう。  昔の人の生活なんてものは、なかなか見られるものではない。見られたらきっと面白いだろう。  では、昔の人の家計簿が見られたらどうだろう? もちろん、めちゃくちゃ面白い。超オススメ。  内容そのものは本を読んでもらうとして、あとがきから教訓的な部分を二箇所メモしておきたい。 「歴史とは過去と現在のキャッチボールで...
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『日本人が知らないウィキリークス』

WikiLeaksについて何か一冊だけ読んでおこうと思って探していたが、『エコ・テロリズム』の著者が入っていたので、これにしてみた。  予想以上に面白かった。他の人にもWikiLeaksで何か一冊という場合はこれをおすすめするようにしよう。  どの章もそれなりに面白かったが、やはり、 第6章「正義はなされよ、世界は滅びよ」──ウィキリークスにとって「公益」とは何か 〈浜野喬士〉  の章がとりわけ興...
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ウィリアム・パウンドストーン『プライスレス 必ず得する行動経済学の法則』

『ライフゲイムの宇宙』と『囚人のジレンマ』の二大傑作でうちではお馴染みウィリアム・パウンドストーンの行動経済学本。  それらと同等とまでは言えないが、かなり面白い。  「価格」というものがいかに曖昧模糊とした人間的な構築物であるかということが繰り返し強調される。  この場でただ一言だけ憶えておくならば「ふっかけた方が得」か。  タイトル通り面白いだけでなく実益につなげることもできそうなので、営業や...
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マルク・レビンソン『コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった』

コンテナ輸送というものは、あまりにも見慣れすぎていて、随分昔からあったことのように思ってしまうが、現代的な意味でのコンテナ輸送は、実はたかだかここ半世紀程度のものに過ぎないらしい。  昔の海上輸送では、小分けの荷物を沖仲仕と呼ばれる男達が毎回毎回積み方を工夫しながら、いちいち積み下ろししていた。時間がかかる上に、荷抜きと呼ばれる盗みも横行していた。  コンテナ化はこれらの欠点を解消し、輸送コストを...
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エイプリルフールだけは大いに自粛すべし

自粛自粛と過剰に騒ぐのは、経済的にも精神衛生上もよくないので禁物だが、エイプリルフールだけは自粛してもいいのではないかと思っている。  ただでさえデマが溢れかえっていて、嘘ネタに由来するトラブルも頻発している今、これ以上デマやウソを増やしてどうするんだ。  自分は今までもエイプリルフールネタなど特にやってはいなかったが、この機会に大いに自粛しよう。できればこのままエイプリルフールという習慣そのもの...
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ローズ・ジョージ『トイレの話をしよう 〜世界65億人が抱える大問題』

これは素晴らしい。久々に予想していなかった大当たり本。どの項目も面白いけど、4,8章のインドの部分が特に面白い。  日本では一見当たり前となっていて、普段絶対に公に話題になることのないトイレ。しかし、今回のような災害の時には問題になるように、一日も欠くことのできない施設でもある。  今でも世界でトイレがないために失われている人命・健康・寿命はおびただしい。勇気を出して語ることによって何かが変わるか...
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たとえ話は地図のようなものである

たとえ話のたとえ話をしたい。たとえ話というのは地図のようなものだ。  当然だが、地図は現実の地形そのものではない。分かりやすい線や図形で必要な情報だけを表し、残りを全て省いて単純化したものだ。だからこそ有用である。  たとえ話に対して「元の話と違っているから不適切である」という批判は一般的にはナンセンスである。「1/1の地図」が役に立たないのと同じく、不適切でないたとえ話は無価値である。  「1/...
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P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』

『戦争請負会社』『子ども兵の戦争』の著者P・W・シンガーの本。面白い。これはかなり面白いぞ。  米軍無人機の活躍を見ることはもはや珍しくもなくなっているが、誰の想像も及ばぬほどのスピードで変化していく戦争の現在と未来。 第一部:私たちが生み出している変化 第二部:変化がもたらすもの  と分けられているが、第一部の方が面白いかも。  現実の面白さもさることながら、著者のSF知識も相当のもので、ちょっ...