政治経済社会

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ロバート・ゲスト『アフリカ 苦悩する大陸』

かなりよかったと思う。  アフリカの現状やそれを変えるための方法についての本はいくつか紹介してきたが、それらのエッセンスを集めて、読みやすく詰め込んだような印象。  アフリカ関係で読み始める最初の一冊として最適と思われる。 関連書籍 おまけ 【ニコニコ動画】【MMD】 童話ごんぎつね 学芸会仕立て風 【新美南吉】
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カダフィ人生オワタw 公安相も反体制デモ支持

中東の衛星テレビ局アルジャジーラは22日、リビアのオベイディ公安書記(公安相)が反体制デモへの支持を理由に辞意を表明し、軍にデモ参加を呼び掛けたと報じた。41年以上にわたる最高指導者カダフィ大佐(68)の独裁体制の亀裂が一層深刻化した。  追い詰められたカダフィ大佐は22日夕、テレビ演説で「私はリビアを去らない。殉教者としてこの地で死ぬ」と述べた上で、23日に行う体制支援デモに国民の参加を呼びかけ...
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トラフグの胆で人類滅亡

一昔前に流行して、現在も昔ほどではないが人気がある話に、 「世界には地球を何回も滅亡させるだけの核ミサイルが云々(中略)これは狂気だ!」  というようなものがある。  これは確かに一見もっともらしいが、一見もっともらしいだけで、大した意味はない。 フグ一匹のテトロドトキシンは何百人もの致死量にあたる!  という台詞が、仮にまったくの事実であっても、フグが日常的に水揚げされ・捌かれ・食われていること...
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「差別語」の言い換えはイタチごっこではなく赤の女王と考えるべき

忙しくて長いの書く時間がないので没ネタ発掘計画その一。 差別のマッチポンプ | LUNATIC PROPHET  そんなふうに考えていた時期が私にもあった。つまり、  「差別語」の言い換えなどというのは、事なかれ主義によって無駄なコストを増やしているだけであり、差別の解消には全く繋がらない。事なかれ主義からではなく真に差別に反対する心ある人ならば、できる限りそのような言い換えには反対すべきだ。  ...
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ポール・クルーグマン『良い経済学 悪い経済学』

企業同士における「競争力」という概念を国家同士に適用して、どちらかが勝てばどちらかが負けるかのようにとらえることには問題が多い、という話がメイン。  初版が1997年らしく、確かにやや昔の話が多いと思ったが、割と良い本だと思われる。  本題ではないが、印象に残ったところを一箇所だけ引用。  そこで、こう考えることもできる。将来、税理関係の弁護士の多くが、エキスパート・システム・ソフトに取って代わら...
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ウィリアム・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』

現実の歴史で1820年ごろ以降に初めて見られたような、継続的かつ急速な経済成長には、 私有財産制 科学的合理主義 資本市場 輸送・通信手段  の4条件が全て揃う必要があるという話。同著者の『華麗なる交易』と合わせ、 マット・リドレー『繁栄』 グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史 』  が面白いと思った人が、次に読むのに最適。 参考リンク 今週の本棚:中村達也・評 『「豊かさ」の誕生…』=W・...
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山森亮『ベーシック・インカム入門』

ベーシック・インカムの話は最近よく聞くが、ほとんど聞き流していた。本としてはこれが最初。私の第1感は「理念は素晴らしいかもしれんがなんかおかしい」というものだ。  「働かざる者食うべからず」という考え方を批判*1する時は、働かずに食っている金持ちの家に生まれた人間のことにちゃんと言及しているのに、働くことへのインセンティブを削ぐのではないかという疑問*2には、  ベーシック・インカムに対する答えら...
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ポール・コリアー『民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実』

原題"Wars, Guns, and Votes: Democracy in Dangerous Places"(『戦争・銃・投票〜危険な場所での民主主義』)。『最底辺の10億人』と同著者。  内容はよく紹介されているところがあったので、参考リンク先などに譲って繰り返さないが、 「民主主義体制下では所得の増加と共に安全度が増し、独裁体制下では所得の増加と共に暴力度が増す。この二本のラインが交差する...